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「認知症に寄り添う暮らし」(2)


2.家族が支える認知症ケアのコツ

家族が支える認知症ケアのポイントは、
まず患者(多くは親ですが)との共感を大切にすることです。
今までの生活歴、仕事、家族に対しての貢献により親御さんにはプライドがあるのです。
自分でも以前のように動けないと感じている高齢者は、不安を感じることが多いため、家族はその気持ちに寄り添い、安心感を与えることが重要です。また、穏やかで一貫した態度を保つことが信頼関係の維持につながります。

例えば、一族の写真を見ていて名前を言わせたり、わかる?と問いかけてダメだしするよりも、
1.自分から写真の人の名前をつたえる、
2.過去のエピソードを思い出させる。○○ちゃんはxxへお嫁に行ったのよね~

さりげなくこちらから誘導してください。
思えば人や物の名前がわからなくても指さしたり、そのものの役割がわかっていれば何とかなるのは海外旅行に言った方ならわかるはず。

次に、日常生活をシンプルにし、ルーチンを作ることで、認知症の人にとって予測可能で安心できる環境を整えましょう。
朝食のルーチン化、デイサービスは日程を決めて準備も手順を決めてしまいましょう。

高齢者の方がデイサービスを嫌がる一つの原因は準備が億劫だからだと思います。参加している場面は楽しそうなんです。
だから朝、なるべく気軽に出かけられるように準備の手順を決めてください。

さらに、活動を取り入れることも大切です。町内会や親せきの集まりなど和やかな場面に参加することは心身の健康を保つだけでなく、家族とのコミュニケーションの機会にもなります。

最後に、家族自身もサポートを受けることが大切です。
家族の変化について相談できる人はいますか?
配偶者に自分の親が年とってきたと伝えられますか?
地域のケアサービスで相談にのってもらうのも良いでしょう。
親御さんとの付き合いは長期にわたります。心の負担が減らせるように介護支援サービスや地域の支援を利用し、無理なく続けられる体制を整えましょう。


1.認知症と診断されたら:まず知っておきたいこと

3.施設での安心できる暮らしを目指して
(施設での対応として、失語症や難聴の方への支援策を紹介)
4.認知症の方が安心できる環境づくり
5.認知症とともに生きる社会を目指して


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