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【市役所職員が思う】尊敬するご高齢の方

今日は「敬老の日」です。

老害なんてとんでもない、頭が下がる、尊敬できる人生の先輩、私が影響を受けた、ある方のお話をします。


その方は、犬のうんちのフン害に対して、ニコニコ挨拶しながら拾い続け、地域のフン害が減ったことで、自然と注目された方です。

拾い始めたきっかけ

退職後に健康のため毎日散歩を始められたそうです。
すると、犬のうんちがそこらかしこに落ちていることに気づいたそうです。

最初は、とても腹が立ったそう。

うんちの始末の準備をしていなさそうな飼い主を見ると、注意したこともあるとか。

でも、すぐになんの解決にも向かわないと思われたそうです。


ここで少し脱線。市役所あるあるー

うんちをほったらかしにする飼い主を見ると、腹が立ちますよね。

このタイミングで、市役所に怒鳴り込む人がいます。約10年前、環境政策課というところで、犬猫係長(そんな係ないですけど)をしていたとき、フン害に腹を立てた方から電話口で「あんたがうんちを拾いに来なさい!」と怒鳴られたことも、十回以上あります。

「うんちを始末するのは飼い主ですよね」と冷静に尋ねてみても、怒りあまって市役所に電話代をかけてダイヤルしてくるような人には通じません。

その人は、市役所が道路のうんちを拾うべきだ!と思って電話しているわけです。
うーん、税金でうんち拾うべきですかね…みんな堂々と権利のようにうんちを放置し始めませんか。それって、どうなのかしら。


さて、この方は、どんな行動を選んだか。

犬のうんちを拾い始めたそうです。

一日でレジ袋1枚がいっぱいになるほどの犬のうんち。

決して気持ちのよいものではありません。


この方はどう思われたか。始末しない飼い主は近所に住んでいるはず。掃除をしながら挨拶をし続ければ、気持ちが伝わり、飼い主は犬のうんちの最後の世話まできっと、きっと、きっと、やってくれるようになるはず。


数年の間には、挨拶をしたのに、返事がないばかりか、心ない言葉を返す人もいたそうです。

でも、決して怒らず、決して言い返さず、笑顔で、あいさつをし続けたそうです。「おはようございます」だけではなく、一言加えたり。始末している人には、「ありがとうございます」とお礼まで。

どれだけしんどい思いをされたでしょうか。一日うんち一袋ですよ。

できますか?できませんよね。


そのごみの回収について市役所に相談があり、特例として一般廃棄物で家庭ごみとして回収できるようになりました。なんせ、一匹二匹のうんちじゃないので、一般廃棄物とみなすのが困難なくらいの量。

この方、またもや「ありがとうございます」と感謝されたんです。


本当に頭が下がります。感謝はこちらの方です。


ここでまた脱線。冬の緑の草の秘密

犬のうんちを始末しない飼い主は、絶対に始末しないので、1年で365個のうんちをそのお散歩ルート上に放置します。

放置されたうんちはいったいどうなるのかというと、その方にお聞きしたのですが、草の栄養になり、冬でも緑の雑草が茂ることができるそうです。犬のうんちが肥料になるのだそう。

なので、河川敷や芝生で、冬でも緑が元気だな~と微笑ましく思うその根元には、犬のうんちがどっさりあるのかもしれませんよ。

感謝と謙虚

この方の善行が、テレビ局にも伝わり、市役所の協力があってこその活動だったのでとおっしゃられ、市役所関係者としてこの取材に立ち会わせていただきました。

本当に謙虚な方だというのが、画面からも伝わってきました。


この方は、その後、自立して生活できるうちにと、お住まいを処分されて、新しいところに引っ越されました。そのとき、市役所へこれまでのお礼にとご挨拶に来られました。感謝の気持ちはこちらの方です。


敬老といえばこの方を思い出します。

今日、私も道路の草刈りボランティアをしましたが、この方の影響でもあります。


公園掃除を楽しいイベントにした方の引退

↓お仲間や多くの人たちと一緒に、公園お掃除ボランティアを楽しいイベントにした、この方から教えていただいたことも多くありました。


老害あるある

「老害」と感じる方、実はわかりにくいですが、ご本人はいたって真面目に貢献したいと思っている人がほとんどだと思います。

敬老との違いは、その行動に「感謝」の気持ちがあるかどうかだと、私は思います。

↓「老害」は以前のnoteで。お涙頂戴です(笑)。

敬老の日に、いつか高齢者になったとき、感謝できる人、楽しめる人になりたいなぁと思います。

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