Lermontov

河の流れが激しさを増しているやがて、それは海に辿り着く

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河の流れが激しさを増しているやがて、それは海に辿り着く

最近の記事

無頼な夜

学生時代からの友と、 ロックバーGEARへ。 友はイギリスから生還した。 DBの名曲『ロックンロールの自殺者』が似合っていた。 マスターにストリートスライダーズのHarryが2017年にここでギグをしたと聞いて驚愕。 狭いから30人で寿司詰だったらしい。 人生、実は見逃すことが多い。 壁のサインを見ながら思う。 逃した魚はデカいと… 最後にマスターに頼んで『落陽』をかけてもらった。 #sigma16mmf14 #α6600 #davidbowie #スト

    • 演劇1.2

      想田和弘監督の観察映画。 アゴラ劇場という船に無理矢理下っ端の乗組員として乗せられ、いきなり船出した。 そんな没入感。 役者達の日常的な取り組みが、オンとオフの境界線を曖昧にしていく。 アゴラ劇場と駒場の街との境界さえもがなくなっていく。 演劇が観客を取り込みながら目指すイメージの共有。 それは生活から滲み出てきて、血となり肉となる。更に公演先の街とも繋がり、拡がっていく。 この感じを引き出せたのは想田監督の手腕だと思う。 平田オリザは小津安二郎の

      • 三島由紀夫VS東大全共闘。

        漸く全貌を見たような気持ちになった。 元々日本語は対話ではなく会話のために出来てる言語で、でもここでは、物凄い対話があった。 全共闘は三島を潰しにかかるのだけど、そこには敬意もあった。 自分と他者の関係、時間と空間。どちらを意図するか。お互いがどこで接触できるのか… 哲学的な意味で『解放区』という概念を改めて考えてみたい。 言葉は言葉を呼んで、翼をもってこの部屋の中を飛び回ったんです この言霊がどっかにどんな風に残るか知りませんが、その言葉を、言霊を、と

        • 地獄の黙示録 ファイナル・カット IMAX

          やっぱり、見ずにはいられなかった。 節あるごとに見続けてきた自分のトラウマ映画だけど、初公開時、父親に連れられて見て以来、映画館では見てなかった。 特別完全版はDVDか何かで観てた。 でも、冗長な感じがして、やはり最初の劇場版が絶対にいいと思ってた。 以下は地獄の黙示録を見た事ない人には意味がわからないと思います。 備忘録扱いです。汗笑 ざっくり言うと、特別完全版で追加されていたギルゴアのサーフボード収奪は残し、プレイメートとの戯れはカット。フレンチプランテーショ

        無頼な夜

          +5

          Funny cat

          +5

          アイリッシュマン

          アイリッシュマン、 期待が大き過ぎたのか、、 やっとアルパチーノがでてきても。退屈で、一旦再生を止めた。 なんだか養老院のようなペースで、、 CGの若返りも骨格までは無理らしく、前半の若い時代のシーンはまずそのへんの無理やり感が気になって。。 でも思い直して、また見始めたら、後半までにのめり込んだ。 デニーロ演じるフランク・シーランは所謂ヒットマンなんだけど、軍隊で人を殺した経験から、規律や仁義に適ってさえいれば、赤の他人を殺しても罪悪感を抱くこともない。 マフィアのボ

          アイリッシュマン

          幸福の黄色いハンカチ

          雨音を聞くと思い出す。 雨に祟られることが多かったあの6月の旅を。 でも何故か荒浜や南相馬は晴れていた。 仙台から南相馬まで走った区間。多分何に作用するかはわからないけど、一生忘れることのできない道程だったよ。仙台は復興によって潤ってる感じもあった。南下してきた道中を思い返してみると、福島原発から仙台よりも離れている石巻とかの方が取り残されている感じだった。それでも仙台近辺の荒浜で、人間がいないと地面は草が支配するということを直に感じることが出来た。 なにより、圧倒的な数の

          幸福の黄色いハンカチ

          絶海

          大蛇のようにのたうつ国道55号を土佐に向けて西に進んでいました。左手には太平洋が人を拒絶するような趣きで拡がっていて。 その事だけで、何故この胸が熱狂的になるのか、そして、何故道中の孤独でさえ限られたものに思えてしまうのか。 それはそうと、小さな漁港を通過する度に巨大な壁が海を遮りはじめました。城壁のような堤防が15mを下らない高さで港湾を取り囲み封じ込めているのです。 永遠の臨界にありながら、永遠が隔絶される。その建造の奇妙な役割。 何十年何百年に一回の

          ディテールのない『傘』

          雨が降ると新宿中央公園を思い出します。 まだ惰眠に風化されていないスーツを来た男。 でも瞳は何かを見過ぎたかのように疲れ、虹彩の色素は希薄なようでした。 街灯が彼の灯りで、その場に居れるのも夕方以降だけ… 時間を放棄したことを選んだハズなのに、朝が来ると居場所に追われ結局時間に縛られているのです。 彼が求めたのはそんな事ではなかったはず。 もっと尊大な堕落だったはずなのに。 取材と称して雨宿りしながら、その場に居たものだけれども、彼の暗雲が僕の空の上にも確実に繋がって

          ディテールのない『傘』

          パープルレイン1989

          パープルレイン 1989 ‪ 靖国通りの脇から入る地下広場。 その一角にある老舗のROCKバーから出ようとしてた。‬ 傾斜が緩やかで幅広い階段は地上から届く紫色の光に淡く照らされていて、いつもの夜明けの色とは違うと思った。 『雨だよ。雨』 酔っ払っていたナオミは、それだけは判るのか、吐き捨てるように言った。 彼女は被爆した植物のように踊り場にしゃがみ込んでいた。 彼女が言うように遠くから豪雨の音が膨らんできてるのが判った。 ‪ 突然堰を切ったかのよ

          パープルレイン1989