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政治の失敗の原因はどこにあるのか
去年選挙演説中のテロ行為で亡くなってしまった安倍総理.一部では追悼の意を示す者もいれば暴言や罵倒で批判する人間もいた.
亡くなった人間に興味はないが,自分の論を提示して批判する.
今も変わらず政権への批判の嵐が絶えない.「クソ総理」「財務省のポチ」
そんな言葉が飛び交っている.
こう見ると今の政治は失敗していると捉えることができるかもしれない.(少なくとも成功した政治とは言い難い)
では,この失敗の原因はどこにあるのか?
この際はっきり言うと「国民」である.
一見無能な政治家のせいで日本の経済は低迷し批判の嵐が起こっているように見えるかもしれないが,根本的な原因には「国民」の原因と思われる.
では少し政治の失敗を「国民」の原因として考えていきたいと思う.
24時間営業の批判アンテナ
21世紀に入ってから急激に変わった.
何が変わったのか.経済も政治も全て変わった.
ソ連が崩壊し世界の先頭に立ったのは新自由主義を掲げるアメリカだと世界中が理解した.
インターネットが経済の中心になった.
そして我々も例外ではなくなった.
インターネットが発達するとSNSが誕生した.
SNSは我々の今までのだが常識を思いっきり覆してきた.
今までは自分の思ったことを共有するには人に喋るかポエムの形式で伝える必要があった.
ネット上のブログで共有する方法もあったが,単なる日記だった.
しかしSNSが大きく覆した.
自分の思ったこと,体験したこと,知りたいことを「今」共有できるようになった.
そして共感を簡単に得られるようになった.
しかし,その喜びは最初だけだったようだ.
Twitterは直ぐに情報の発信地化してしまった.
「誰もが発信できる」強いメリットを持っていたが反面,誰でも簡単に情報を発信できるあまり何が本当で何が嘘かが分からなくなってしまった.
「情報リテラシー」の言葉が流行ったのも,これの原因だろう.
しかし問題は嘘の情報の拡散ではない.根本的な問題は人間が情報を操って更なる深みを目指そうとすることである.
間違った情報から,考えて,考えて,考える.(もちろん根拠も何もないクソ結果が生まれるだけなのだが.)
これが政治の失敗に大きく関係している.
実際に例を挙げてみよう.
ネットの妄想家軍団
Twitterで安倍首相の事件の憶測が流れたのは記憶に新しいと思う.
「安倍首相は山上容疑者ではなくビルの屋上から撃たれた」「安倍氏の暗殺に政府が関わっているんじゃないか」
など根拠の無い議論が繰り広げられた.
けど事実は「安倍首相が亡くなった」「山上容疑者が殺人で現行犯逮捕された」だけである.
Twitter民が妄想を膨らませてただけである.
それをあたかも本当の事かのように言って.
今の政治家たちの噂話は絶えず行われている.今の話題を取り上げると岸田政権の内閣副官房長官である木原誠二氏も同じだろう.
妻の問題が明るみに出たことでネット集団の妄想が止まらない.
憶測が心理かのように広められている.
これは憶測が巨大化してしまうSNSの例だが,他にも情報の面では大きな特徴が存在する.
「拡散」の恐怖
最近の話題を挙げると「醤油ぺろぺろ」ら辺だろうか.
内容としては「高校生の男の子が回転寿司で醤油のボトルを舐めた」といかにもイタズラっ子のやる事だ.
しかし最終的には回転寿司から損害賠償を求められた.
私の目線では「たかが醤油のボトルを舐めたごときで莫大な損害賠償を求められたニュース」という感じである.
子ども連れの方だとわかるかもしれないが、赤ちゃんはなんでも直ぐ舐める.
今まで醤油ボトルを舐めたことがあるかもしれない.
そんなの予測の範囲内である.
やはり原因はSNSの存在である.
イタズラ動画をネットに掲載し多くの人の目に入ったことが問題だったのである.
別に予測されていても「汚いな」と思うだろう.
そしたら「あそこの店には行かない」となる.
要は「拡散」が問題なのである.
Twitterは莫大な情報がコンマの速さで伝達されている.
そのため一度アップロードすると取り消せないデジタルタトゥーになってしまう.
彼らも直ぐに取り消そうとしただろう.
しかしネットはそれを許してくれない.
寝ている間も食事の間もトイレの間も絶えず拡散されていく.
それがSNSである.
政治家たちも常に情報の拡散と戦っている.
記者の前での発言,プライベートの発言,ネット上の発言
常に気を使わなければならない.
コロナ禍だと東京都知事の小池首相の「密です!」がネットで話題になり,経済産業省の西村大臣の「コロナの経済対策」がネットで議論された.
少しでも国民の意向に反した発言をすると誹謗中傷の嵐となり,次々と根も葉もない情報が拡散される.
政治家は票を集めてやっと発言権が与えられる.
そのため票を手に入れるためには,意向に則した発言が必要になる.
未来のための投資だったり,興味のない科学技術への投資を掲げられても票が得られないのである,
未来の投資だったり科学技術は長い時間と莫大な資金が必要になる.さらにYes/Noの判断が難しい.
逆にコロナ禍の景気対策であれば,目の前に札束を並べて説明できる.
簡単だし,一時的な経済効果を確認する事ができるだろう.
テレビの演説で長く未来の日本を語られるより一時的に所得が上がると金を見せれば確実に目が行く方は後者だろう.
票集めを考えた時に正しい判断は「一時的な効果」となる.
政治家たちが馬鹿なのではなく,権利を持つ国民の方に問題意識を持った方がいい.
別に今に始まったことではないがSNSが加速させたとは言えるだろう.
新聞の情報からSNSの情報になり,伝達速度が加速し,根も葉もない論が飛び交い妄想族によって議論がされる.
我々国民が持っている投票の権利は未来の日本を築く栄光あるものから転落劇を描こうとしている.
政治の失敗は「国民」にある可能性は十分にあるだろう.
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