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禅の響 -ZEN no OTO-vol.1を終えて

 10月22日に初台にある近江楽堂で無事、「禅の響 -ZEN no OTO-vol.1」のコンサートを終えました。プロローグから始まり、比較的、有名な曲やインパクトのある曲で構成した今回のコンサート。

1 プロローグ 2本手の調べ 3虚空 4手向 5別伝 鹿の遠音 6龍聲 7 エピローグ

 上記の内容でお送りしました。

 「禅の響 -ZEN no OTO-」を企画する上で、トライアル的な単発の演奏を繰り返してきました。お越し頂いたお客様の反応であったり、場所探しであったり、自分の心を育てるためであったり、音を求めていたり。また様々な出会いで後押しがあったりで、ようやく決めたのが、今年の1月でした。私は準備に時間がかかるタイプで3年費やしました。それまで多くの失敗をしてきた事は今ではいい思い出です。(名前を全、1文字にしてみたり、ストイックになりすぎて人が離れていったり、1週間の断食も繰り返ししたいり。今は全て手放しましたが。)

 本プログラムは年4回実施します。(2021年は2月23日、5月5日、8月、11月予定)恥ずかしながら私は結構な怠け者ですから、そうでもしないと本気で演奏に取り組みません。裏話ですが、1回のプログラムで大体、メイン曲5曲くらい演奏します。それらは全て暗譜で行います。(その方が体感的に、また新しい音やフレーズが出てきやすい状態になりますし、「空」の気持ちで演奏する事が出来ます。)5曲×年4回=20曲。大体、演奏で使用出来る曲が40曲くらいと考えても3年で大抵の曲は身体に叩き込まれます。曲だけではなく、竹の音質や年齢を重ねて変わるものも大変ありますので、例え演奏が同じ曲でもクラシックのように決まった型式はありません。無限の表現と無限の音質は他のジャンルと比べ物にならない程、味わい深いものになるでしょう。30年後にはvol.121です。

 この企画は演奏だけでなく、とてもこだわりを持って実施しています。私が企画する原点は空間芸術、総合芸術です。音の響き、衣装、パンフレット、または言葉、スタッフに至るまで世界観を統一する事です。初の試みとして、パンフレットの解説はエッセイにしています。また、衣装に関しても私自身がジャケットとパンツをデザインしています。こだわりにこだわった企画です。

 また、演奏を静かなゆとりのある空間で聴いて頂きたいため、100名可能なホールに、20名程度に観客を制限しています。

 今回のテーマは「言葉の無意味さ」でした。少しだけコンサートでお話した内容をお伝えします。

 よく禅の音楽をしていると「禅とは何ですか」という事を尋ねられます。しかし、言葉で教えられる事はとてもわずかで、言葉で表せるもの程、浅く変化するものはありません。例えば、「愛」。「愛」を言葉で説明するとどうでしょう。男女の恋愛もあれば、親子、孫と祖父母、ポリアモリー、同性など様々な形があり、支え合う形もあれば、支える形、形式など内容も様々です。それを言葉に出来るとすると、それはもうとても奥行きがない、薄いものになってしまいます。言葉はヒントです。とても大変かもしれませんが、言葉ではない違う方法で感じ取る事が全てに置いて必要だと感じています。結局「禅」というのは抽象の世界です。(これすら言葉にすると全然違う意味になってしまいますが。)言葉や文字で知識や情報として伝えても、それは伝えたい人の気持ちでしかありません。私は大事なことは言葉では伝えません。それと良く毎日、座禅をしているのですかと聞かれる事がありますが、私は座禅を組みません。座禅よりも24時間、寝る時も丹田呼吸をしている方が良いですし、尺八自体が座禅と同じ意味を持つからです。(これを吹禅-スイゼン-といいます。)部分的な、即効性的な解決策には私は意味を感じていません。その時だけ神頼みをするような事は私はしません。

 人は何故か外に答えを求めてしまうため、また直ぐに答えを求めすぎてしまうため、志などの存在のため、利益のために作られた知識や情報に惑わされます。既に自分の中に答えを持っていたとしても。

 私は音で伝えます。「禅の響 -ZEN no OTO-」は古い型式の音楽を聴くためのものではなく、新しい音であったり、心の気づきであったり。そういった場になればと思っています。

 是非、お越しいただけると幸いです。

 少しずつ動画や音源をアップしていく予定です。多くの人に届きますように。

禅の響 -ZEN no OTO- vol.2」2021年2月23日祝日 近江楽堂


 

 

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