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The Latest Mythology -vol.80-(note神話部週報)

【今週の神話】

吉田翠さん/七夕 よもやま話

世界中に散らばる機織り女神の神話。海を渡ってきた機織り機と七夕祭り。「たなばた」の語源と思しき「棚機津女」(たなばたつめ)と呼ばれた巫女たち、記紀神話に登場するあの女神もそうだった?

悠凛さん/ウラバナ2

織姫には彦星にも全地球人にも明かしていない秘密があった。七夕の逢瀬の後に彼女は何を想う?

すーさん/人生は50から! 信長公、アフリカへ行く 二十話「海賊に遭う」

西洋帆船キャラック「濃姫号」で港を発った信長一行。航海と言えば……ですよね、現れましたよ海賊船。多勢に無勢、早速訪れた信長らのピンチを救ったのは……

【今週の活動報告】

投稿期間:2021/7/4〜2021/7/10

今週の作品:3点(ストーリー2, エッセイ1)

今週の部員:吉田翠さん、悠凛さん、すーさん

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部長のひとり長台詞 2/とりあえず「3」にしてみるか

レッテルを貼る人っていやだなぁ、と感じることがあった。30代男性ってこうですよね? 既婚者ってこうですよね? みたいなことを言われたのだ。曲がりなりにも文学に触れていると、レッテルの欠陥ばかり扱うことが多く、よく考えたらレッテル張りのメリットについて考えたことがなかった。ひとまずネットで軽く調査したところ、大事なキーワードがあったので示しておこう。それは「思考の効率化」だ。レッテルを貼ると人は深く考えないで済むらしい。確かに「阪神ファンは巨人がキライだ」というレッテルを貼れば、相手に敬意や礼節を示さずボコボコに罵ることができるだろう。アンビバレントなものを抱えない、それは効率化という点では有用な手段だ。しかしある人が野球を心底愛していて、全選手に対して敬意を払っており、たまたま関西で生まれたから阪神を応援している、という背景が明らかになったとき、、、巨人ファンはその人を愛するか罵るかの選択を迫られる。効率化した思考でそのアンビバレンスにどう立ち向かうのか。飲み込むのか、無視するのか、狂うのか、、、 極端な例を挙げたが、実際に球場で観戦すると思考の効率化の下でスポーツを愛している人は少なくない。いや、実際は少ないかもしれないが、とにかく彼らは声が大きい。アンビバレントなものが少なければ少ないほど、強く主張できるのだろうか。二軸思考というものが数ある世界の切り取り方の矮小な一つでしかないことを多くの人は知っているはず。しかし誰もがその落とし穴に知らぬうちにハマってしまう。「効率化」との付き合い方を考えていかなければならない。神話や宗教においても「2」という数字は重要だ。男女、対神、バディ、敵味方、善悪などいくらでも挙げられる。しかし「3」という数字も珍しいものではない。三兄弟、三神一体、三界、三位一体などだ。「3」にも色々なパターンがある。トライアングルを作って循環するケースもあれば、二軸の中間に位置する、平面を立体にする、二軸と全く無関係な空間に位置する、など様々だ。日本神話に最初に登場する「3」はアメノミナカヌシ、タカミムスヒ、カミムスヒの三神である。河合隼雄氏の考察によると、タカミムスヒとカミムスヒが父母性の役割として語られるのに対し、アメノミナカヌシはほとんど語られることがなく、それは超越や混沌を意味しているのではないかとのことだ(河合隼雄『神話と日本人の心』pp.34-43)二軸と超越・混沌のトライアッド。これもまた世界の見方の重要な一つであろう。何もかも効率化しないで困惑し逡巡していいのだと思う。超越に慄き混沌に飲まれて、声が小さくなることも仕方ない。むしろそうして初めて、大事な局面で力強い「効率化」を繰り出せるような気もするだ。

#mymyth  #note神話部 #神話
#小説  #エッセイ #七夕

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