![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79667961/rectangle_large_type_2_1ef3bacde6aeb71b4b0f6a4e77eb3b9b.jpg?width=800)
帰還の章(24〜33話)振り返り【葬舞師と星の声を聴く楽師】
連載小説『葬舞師と星の声を聴く楽師』の第3章〈帰還〉の振り返り記事です。作品自体は長くてなかなか読めないという方に向けて書いています。サラッと見て頂けるだけでも嬉しいです!
本作には、同性愛の内容、過度ではないにせよ性的表現・暴力表現が含まれております。これらには差別・暴力を肯定し助長する意図は一切ございません。該当話ごとにネット小説レーティング同盟の定義に対照させたR指定をつけております。ご参照の上、苦手な方は鑑賞をお控え頂くようお願いいたします。本章にはR指名の回はありませんでした。
【登場人物】
アシュディン
宗教舞踊ダアルを生業とする帝国伝統舞踏団の正統血統の青年。本来第12代正統を継承する予定だったが、不当に団を追放されてしまった。痩身の美形は「伝説の踊り手の血統を証明するもの」と噂されるほど。名はその第5代正統舞師〈ディ・シュアン〉のアナグラムになっている。
ハーヴィド
移動民族出身の流浪の楽師。11本の弦を指で掻き鳴らす木製撥弦楽器ヴィシラの弾き手。168年前に帝国伝統舞楽団を追放された第5代正統楽師エル・ハーヴィドの法統の末裔。師匠の手解きと日記に記された舞楽の真髄により、古楽器ヴィシラを巧みに操る。
エル・ハーヴィド
173年前に帝国伝統舞楽団第5代正統楽占師を継承した天才楽師。ディ・シュアンとは恋仲だったが、5年後の〈星天陣の舞〉にて彼を発狂させる呪術を用いた冤罪で、団を追放されて流浪の旅に出た。後に移動民族の楽団の長になり、トルシカを育ててヴィシラを教えた。
ディ・シュアン
エル・ハーヴィドと同じ時に第5代正統舞占師を継承した天才舞師。アシュディンの直接の祖先にあたる。団の中では舞の礎を築いた男と謳われているが、エル・ハーヴィドの日記によれば〈星天陣の舞〉の失敗により発狂・昏睡状態に陥ったとのこと。
トルシカ
エル・ハーヴィドが孤児院から引き取った息子。後に父の手解きでヴィシラの才能を開化し、2代目ハーヴィドとして世に出て行くことになる。
ウォールズとレグルス
ファーマール帝国の宮廷衛兵隊。アシュディンのよき友人たち。よくアシュディンに頼んで女舞師らとの合コンをセッティングしてもらっていた。
村役の男
ザインの故郷、アシュディンとハーヴィドが出会った村落の代表。アシュディンらが去った後に、村を度々訪れる舞踏団のメンバーの世話をした。
エルジヤド家の一族
ダルワナール:第2子で長女。ラウダナ国人気No.1の踊り娘。アシュディンのライバル。
カースィム:第3子で次男。
ユスリー:第1子で長男。現当主。
コルドイ:三兄弟の父。爵号は伯爵。
ザイン
国境付近の村落で母を亡くした少年。アシュディン、ハーヴィドを兄のように慕う。
ザインの叔父
ラウダナ国に住み、身寄りのないザインを引き取った。
【各話の振り返りとリンク】
第1章 越境 振り返り
第2章 蜜月 振り返り
第3章 帰還
24話「初舞台は異変のフラグ」
転居先を探すも全く意見が〈一致〉しないアシュディンとハーヴィド。そこにダルワナールが現れて、逝去した父に向けて葬舞を披露してくれと頼んできた。快く引き受けたふたりは、屋外の斎場にて〈不帰の環を統べる舞〉を始める。しかし演技中にアシュディンが全くハーヴィドと視線を合わせない。ハーヴィドは彼が何かこの世ならざるものを〈見て〉いるのではないかと訝る。
25話「天才舞師のアナグラム」
〈不帰の環を統べる舞〉の後より、アシュディンに異常が起こり始めた。虚ろで精彩に欠ける青年を心配して、ハーヴィドはついに自分の秘密を明かすことを決心する。古い日記に拠ると、アシュディンの祖先ディ・シュアンと、ハーヴィドのいた移動民族の始祖エル・ハーヴィドが帝国伝統舞楽団の双璧だった。そしてその頃の舞楽は災害を予知するための占術だった。
26話「塗り替えられた伝統」
ハーヴィドの持つ日記によれば、173年前に正統を継承したエル・ハーヴィドとディ・シュアンは、見事災厄を予言していた。舞楽の占術の真髄は、超感覚、憑依、舞占師・楽占師双方の占断の一致に集約されることを知る。しかしアシュディンは占いの存在を頑なに否定した。ハーヴィドは、ディ・シュアンが舞踏団の伝統を塗り替えたのだろうの推測していた。
27話「栄華と追放と愛と」
恋仲でもあったエル・ハーヴィドとディ・シュアンは168年前に起こった〈星天陣の舞の失敗〉をきっかけに引き離されることになる。その時のエル・ハーヴィドは半年後に隕石襲来があると占断した。しかしディ・シュアンは何も見えなかったと言い、後に発狂して昏睡状態になる。エル・ハーヴィドは呪術使いの汚名を着せられ団を追放された。
そして以前の舞で天変地異を朧げに見たと言うアシュディンは、舞楽の謎を解明するために帰郷を考え始める。
28話「乾杯の音は夜毎鳴る」
舞楽の謎と自身が団を追放されたことが気がかりで、目の前の仕事に集中できないアシュディン。ダルワナールが現れて叱咤するも、当人はなかなか煮え切らない。しかしダルワナールが「姉は弟のことを大事に思っているはずだ」と諭したことで、アシュディンはラウダナ国での生活をやめて帰郷することを決心した。旅の弟・ザインとの再会を約束して、アシュディンとハーヴィドは再び旅立った。
29話「クロスロードに笑う」
アシュディンたちが以前訪れたマホガニー樹林の乱伐跡地に来ると、復活の兆しが見えたことに喜んだ。その場でふたりで舞楽の占断を試してみようという流れになったが、ふたりの占断はまったく〈一致せず〉失敗に終わる。
【エル・ハーヴィドの日記】団追放から4ヶ月後に、初めての旅の仲間ができた。
30話「微睡の言葉はショートする」
オアシスの管理小屋でイチャイチャするふたり。ハーヴィドが寝入ってしまうと、アシュディンは過去の男のことを思い出してしまう。その元恋人は姉と共にアシュディンを裏切ったようだった。
【エル・ハーヴィドの日記】移動民族は段々と大きくなり、団員に子どもが生まれるようになった。エル・ハーヴィドも孤児院からトルシカという男の子を息子として引き取った。
31話「占師でも歴史家でもない」
国境付近の村落に来ると、アシュディンの他にも帝国伝統舞楽団の団員たちがここを訪れたことを知る。アシュディンとハーヴィドは帝国に戻る前に、不遇の死を遂げたザインの母を弔うための葬舞をする。そしてそこで初めて、ふたりは「雨」を予見してしまう。
【エル・ハーヴィドの日記】トルシカにヴィシラを教え始めたエル・ハーヴィド。しかしその天才ぶりに、ならず者ばかりの団から外に出すことを考え始める。
32話「なんべんでも鐘を鳴らせ」
帝都に入ったふたり。占断は的中して雨が降った。アシュディンは自身の過去を打ち明けた。正統継承順第1位としての覚悟は出来ていたが、継承を目前にして真の正統を決める演舞会が開かれ、姉と恋人の密約に嵌められて敗北したと。
【エル・ハーヴィドの日記】エル・ハーヴィドは、トルシカにハーヴィドの名を託して外に出した。その名を残したのは、いつか子孫に団に戻ってもらいたかったから。
33話「ここは俺たちの庭だ!」
アシュディンが宮廷の敷地内に入ると、衛兵や団員たちから熱烈な歓迎を受けた。皆から信頼されている青年の帰郷は全く問題ないように思われたが、正統となった姉が男舞師たちを除名している事実を知る。そこにナドゥア老師が現れ、アシュディンを再び追い払おうとした。ハーヴィドはそれを不当だと切り捨て、日記の文言を引用して「ここは俺たちの庭だ!」と豪語した。
*
〈終章・予告〉
帝国伝統舞踏団に帰還したふたり
〈星天陣の舞〉失敗の真相は?
アシュディン追放の理由は?
立ちはだかるのは姉と元恋人
疾風怒濤の最終章へ、ついに突入!
【読書ガイド】
前話までの振り返り・あらすじ・登場人物紹介・用語解説など、作品をより楽しむための情報を載せています。物語の進行に伴って加筆する形で記事を更新しており、毎話リンクを貼っています。
【マガジン】
*
#小説 #連載小説 #告知 #BL #ファンタジー
ご支援頂いたお気持ちの分、作品に昇華したいと思います!