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フリーライティング

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フリーライティングのマガジンです。ルールは以下の通り。①アイディアや思考を書き出す、②時間を決めて一気に、③テーマを決める(決めなくても良い)、④文法や誤字を気にしない、⑤推敲を…
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2023年5月の記事一覧

フリーライティング#14 スイーツは世界平和だ

フリーライティング#14 スイーツは世界平和だ

【フリーライティング#14】
 2023/5/30 p.m. 10 min.

人生初の本格ダイエット中、2ヶ月で9kg痩せた。その変化は周りから心配されてしまうほどで、自分でもやり過ぎたかもと反省していたところだった。
日々のストレスもあって閉塞感に苛まれていた週末。ちょいと出かけ、昼間っから酒を煽りながらスイーツを2軒ハシゴしてやった。
パンナコッタ風プディング、胡桃のチョコのバーケーキ、フル

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フリーライティング#13 目に優しい

フリーライティング#13 目に優しい

【フリーライティング#13】
 2023/5/27 a.m. 10 min.

自宅前の大通りを挟んだ先に、小さな森がある。なんの変哲もない木の連なりなのだが、不思議と、一日に一回は見惚れてしまうのだ。本当に不思議だ。
緑色のグラデーションや、陽の当たり方、葉と枝のなす凹凸。微妙な色彩感覚と複雑な立体視を強要してくる森。そして一回性と永遠性とを常に備える、森。
無論、空も尊い、海や河も尊いのだが、

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フリーライティング#12 文章はアルミホイルの中で硬くなる

フリーライティング#12 文章はアルミホイルの中で硬くなる

【フリーライティング#12】
 2023/5/23 a.m. 10 min.

今日は午前休みで、昼食を済ませた後にそのままの勢いで夕飯の下ごしらえを始めた。夕方に仕事から帰ってきて料理の手順が多いのがイヤなのだ。鮭のホイル焼きなら楽できるだろうと思い、野菜とキノコ類を切って並べて、その上に鮭を置いて、あとは包んで冷蔵庫に一時保管……と思いきや、ここで反射的に塩コショウを振ってしまったのだ。普段通

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フリーライティング#11 雨を抱く

フリーライティング#11 雨を抱く

【フリーライティング#11】
 2023/5/20 a.m. 10 min.

昨日の雨の激しさは久方ぶりだったように思う。街角で強く降られて広げたのは、数年前に東急ハンズで購入した「風に強い」傘だ。スーツ着用の男性を想定した無機質なデザインで、丈夫さ以外には愛着要素の少ない代物だった。
その傘がふと優しい音を鳴らし始め、心底から驚いた。決して穏やかでない雨粒の連打音が、わずかな丸みをもって感じら

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フリーライティング#10 金切り声

フリーライティング#10 金切り声

【フリーライティング#10】
 2023/5/13 p.m. 5 min.

ロックサウンドの中にあって、ギターと無関係な旋律で火花を散らすストリングスパートは非常に美しい。まとめよう纏まろうとせず、一心不乱に、はみ出そうはみ出そうとして金切り声を上げるヴァイオリンほど心を抉る音はない。これはクラシック界から見たら邪道と呼ばれ、破門を辞さないものなのだろうが、僕の脳裏には、羨望を悟られまいと必死に

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フリーライティング#9 迷路

フリーライティング#9 迷路

【フリーライティング#9】
 2023/5/11 p.m. 5 min.

芸術かエンタメか、という話はやめにしようと思う。これらはよほどじゃない限りグラデーションであり、たとえその両極に位置する作品だとしても、対極の理論を完全無視することはできないのだから。大衆の評価を無視した芸術は他者性を失う。芸術性を一切追求しないエンタメがほんの刹那でも消費されるとは思えない。

創作全般において大事なこと

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フリーライティング#8 シャーデンフロイデ

フリーライティング#8 シャーデンフロイデ

【フリーライティング#8】
 2023/5/9 p.m. 10 min.

先日『Village』という映画を観てきた。藤井道人監督、主演は横浜流星。大規模ゴミ処理場を有する閉鎖的な村に住む者たちの人間ドラマで、メタファーとして能の舞台を重ねながら描かれていた。

【ネタバレ注意】なのだが、主人公である悲運の青年は、罪人である父親の亡霊から解き放たれようと努力し、一時的には社会的成功をおさめるもの

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フリーライティング#7 白旗

フリーライティング#7 白旗

【フリーライティング#7】
 2023/5/9 p.m. 5min.

近頃ふと、筆名をふたつ持とうかと思い立つ瞬間がある。というのも自身の中に離れたふたつの軸(塔)があるから。ひとつは仏教学インド学を志している時のような、虚無感・無常感・禁欲主義に支えられた自分、そしてもう一つはBLに代表されるような耽美と情愛を称揚する自分である。
このふたつの断絶された自己を繋いできたのは「絶望から1cm浮上

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フリーライティング#6 心理テスト

フリーライティング#6 心理テスト

【フリーライティング#6】
 2023/5/7 morning 5min.

心理テストをやってみた。中央に三角形の描かれた絵の中に、丸を足してみるというもの。心理テストというのはなかなかやっかいなもので、特に言語で解答を誘導するタイプのものだと、いくら「直感で」と指示されたとしてもアレコレ逡巡してしまうものである。裏読みしたり、良い回答を狙おうとしたり。でも今回のテストはいつもと違っていて、まる

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フリーライティング#5 巨星

フリーライティング#5 巨星

【フリーライティング#5】
 2023/5/6 morning 5min.

SNSのTLをスクロールしていて、ここ最近、頭に浮かぶ言葉は「巨星堕つ」の一言に尽きる。2023年が始まってから半年も経っていないのに、いくつもの衝撃的な訃報が電子媒体を駆け巡った。SNSの場合、RTや引用RTによって、新聞やTVニュース以上に、その時代の風ごと引き連れてくるような気がした。大江健三郎氏の訃報は、他の作家

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フリーライティング#4 不気味さ

フリーライティング#4 不気味さ

【フリーライティング#4】
 2023/5/5 morning 5min.

いかにも人間中心主義だと思った、自身の書いた文章を見下ろしながら。
入りは大抵、自然描写である。その対象は僕の意志に関わらず、そこにあるだけなのに、恣意的にその自然を歪め、想いを綴るための道具にする。道具ならまだしも、ただの取っ掛かりにする。自身の浅ましさに嫌気がさした。
人間中心主義ならまだ救いようがあるだろうが(なぜ

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フリーライティング#3 熱

フリーライティング#3 熱

【フリーライティング#3】
 2023/5/4 a.m. 5min.

乳児からの風邪が伝播して絶賛一家全滅中である。GWは旅行の計画を立てていたのだが、子が熱を出した時点でキャンセル。子は解熱したものの、次に嫁が、最後に僕がといった感じで、結果的にはキャンセルして良かったことになる。久々に、それこそ20年ぶりくらいの、38℃台の発熱だ。節々は痛くなるし、身の置き所はないし、朦朧としているのに児の

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フリーライティング #2 花の名

フリーライティング #2 花の名

【フリーライティング#2】
 2023/5/3 a.m. 5min.

普段の半分の速度で歩く。昼食の買い出しの帰り道、群生する野花に見惚れて、そうしてみた。もともと歩くのは遅い方なので、このモードに入ったら杖をついたご老人と良い勝負になるのではないかと思う。野花が好きだ。ただどうしてもその名を覚えていられない。4,5月で覚えて、6月には綺麗サッパリ忘れてしまう。今年もきっとそうなのだろう。シロツ

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フリーライティング#1 蓮人

フリーライティング#1 蓮人

ここ最近〈フリーライティング〉という手法を試してみたいと考えていた。

幼い頃からの性分は何かと思考を整理整頓しがちで、文章は硬くなりがち、会話もどもりがちだ。小説を書くようになってからは、ますます型や文法にとらわれてしまうようになった。〈冗長〉と〈表現〉は異なるということ。頭では分かっているのだが、誤読を恐れるあまり、ついつい〈記述〉してしまう。

何の気なしに「自分の文章を書けていない気がする

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