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RIPPLE〔詩〕

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2020年7月の記事一覧

四行詩 27.

四行詩 27.

両手を重ね 腕を放って 夜光虫の領域へ

そんな遠くまでは行けないけれど

宙の道草 微光を放つ手の軌跡は 幾重にも

胸の中心に水引を結ぶ おかえりのロゴ



白鳥座の神話詩「キュクノス讃歌」

白鳥座の神話詩「キュクノス讃歌」

表題のキュクノスとはギリシャ神話に登場する少年の名。墜落死した親友の帰りを老齢になるまで待ち続け、その想いに心打たれた神々によって白鳥座に変えられたと伝えられている。



「キュクノス讃歌」

 (竪琴の音)

 ここに
 広く知られた言い伝えがある
 ベガとアルタイルの逢瀬を賑やかにする
 任を預かった鳥の群れ そのなかで
 ひときわ大きな一羽の白鳥

 肌は夏の雪で埋めつくされ
 その背に

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