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短編小説

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#ショートショート

約束

毎年私は病室からしか花火を見ることができなかった。 小さい頃から、体が弱くて、高校に入学…

れもん
3年前
28

クラスの嫌われ者

学校のクラスとは不思議なもので、どのクラスに行っても同じような奴は存在する。 スポーツが…

れもん
3年前
16

愛と心臓

歳は20代後半ぐらいだろうか。肩までかかる黒髪に涼しげな目元をした人だった。 初めての国…

れもん
3年前
21

セミが鳴かない夏

世界中でセミの鳴き声が聞こえなくなった。 その出来事はニュースで特集を組まれるほど、世界…

れもん
3年前
45

死にたい

「死にたい」 「えー、若いのにもったいないよ」 「死にたい」 「親が悲しむよ」 「死にた…

れもん
3年前
75

そこは周りを白い壁で囲まれた何もない部屋だった。 天井も白色、床も白色。 周りは白色一色…

れもん
3年前
44

世界が滅びるとき

目の前には複数のモニターが設置されていて、外の世界が覗けるようになっていた。 そこにはこれから何が起こるかも知らなく、いつもと変わらない日常を送っている人間たちの姿が映し出されている。 この世界では秘密裏にある重要な決定が下された。 それは人類撲滅計画だ。 年々増え続ける自殺、なくならない貧困格差、差別に苦しむ人々、そんなことを嘆いた首相はこの世界を終わらそうと決断した。 だが、首相は世界を終わらせるか終わらせないかを最終的に決めるのは、あくまで国民に決めてもらいた

言語崩壊

「空からは足音が生殖を繰り返し、少量の激戦区を彷彿とさせるでしょう」 テレビの中ではアナ…

れもん
3年前
27

虫のせい

「それは虫のせいだよ」 「虫?」 学校の宿題をするやる気が出ないんだよねーと話すと、香織…

れもん
3年前
22

シャボン玉

「シャボン玉って綺麗だよね。」 あたりにはシャボン玉が虹色の膜を帯びて、プカプカと浮かん…

れもん
3年前
34

プロの嘘つき屋さん

彼の職業はプロの嘘つき屋だ。 この人を騙して欲しいという依頼を請け負っている。 例えば、…

れもん
3年前
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