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note12日目:マスカラ買いますから

コロナが五類に移行されても、気分はまだコロナ渦かもしれない。

外に出ないので洋服は買わなくなったし、化粧もしなくなった。

若気の至りで抜きすぎて昔のヤンキーみたいな眉毛は、アートメイクによりいつでもキレイな形が保たれている。しかしまつげは、コロナ前までまつエクしていたけど行かなくなり、現在わが家にはマスカラ一本も置いていないのだ

昔は目力命だった。ビューラーで直角にまつげを上げ、繊維入りマスカラとボリュームマスカラとトップコートの三本使いでばっちりキメていた。メイクしないで外を歩くなんて論外! とすら思っていたのに、すっぴんでどこにでも行けるようになってしまった。

コロナのせいか年齢のせいか、いや、絶対コロナのせいだ。

コロナが始まった当初はYouTuberのメイク動画見てお家時間を有益にしようと思ったが、全然タメにならなかった。見る人が見たら勉強になるのだろうけど、いかんせん、私はメイクに興味がなかった。
正確には興味がないことがわかった、だ。

「あごのラインにシェービングすると、ほら、わかります? シャープになるんです!」
「目尻から1㎜だけはみ出すアイラインで、見て! 目が大きく見えるでしょ?」

before・afterの動画を見ても、あんまり違いがわからない。見えるっちゃ見えるけど光りのせいじゃない? と首を傾げるし、同じ1㎜なら三苫の1㎜の方が見てて興奮する。
すぐに動画は見なくなり、手っ取り早くキレイになれる方法を探してみても、整形くらいしか見つけられなかった。

ま、キレイにメイクしても出歩かないので今は必要ないかなと思ったら、すでにコロナはあけてしまった。オーマイガー。メイク道具はコロナ前からのもので、すでに賞味期限(言い方あってる?)切れだ。

ここで「よし、やるぞ!」と気合い入れて買い足してメイクしてたら、また違ったかもしれない。残念ながら私は「このままでいいや☆」としてしまったのだ。別になにも問題ないもーん、ふふふーん、とすっぴんライフを楽しみ始めた。
だって、目がかゆかったら気にせずかけるし、汗や涙が落ちても目が黒くならないし、メイク直し持ち歩かなくていいし、メリットいっぱいと思ってしまったのだ。

少し前にメイク男子が流行ったので、逆にメイクしない女子がいたっていいじゃないかと堂々と外を出ていたけれど、完璧に整えられたお顔の人と対峙すると、さすがに動揺する。
ぱっちりまつげとうるうるした唇、小物をうまく使って品のあるおしゃれコーデ。「あ、このままじゃいけない気がする……」と私の中に眠る女子がうずくのだ。

毎月洋服買わなくても、せめてお気に入りの服くらいは用意しよう。安さですましていたけど、自分の体にあったワンピースを買おう。メイク道具も買いそろえよう。マスカラだって買いますから。

だけど、と私は唇を嚙む。

おしゃれレベルが下がりきった私はどうしても望んでしまう。
スタンプ押すみたいに一瞬でばっちりメイクできる道具とか、指をパチンとすると似合う洋服にパッと着替えられるとか、そんな世界線にとんでいきたいと……。

ドラえもん、早くきて。お願い。


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