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植物療法(フィトテラピー)とは?基本のキ

みなさんこんにちは、キキです。
前回のnoteにも少し書いたのですが、約2年間の勉強の末、植物療法士(フィトテラピスト)のディプロマを取得しました。

といっても、植物療法は奥が深いためまだまだ勉強することは沢山あるのですが、一旦一区切り。ということで、これからは植物療法について1人でも多くの人に伝えていきたいです。
また、私自身、現在フランスに住んでいるので植物療法が生活に根付いているフランスだからこそお伝えできる内容もシェア出来ればと思います!

まず、こちらのnoteでは植物療法の基本的な内容を書きます。

植物療法(フィトテラピー)基本のキ

フィトテラピー(植物療法)って何?

植物療法=フィトテラピーは、植物の薬理効果を用いて自然治癒力を高め、心身の健康をサポートする療法のことです。
そして、フィトテラピー(Phytotherapy)はギリシャ語の「Phyto(植物)」と「Therapy(治療・療法)」を組み合わせた言葉です。

よく聞くアロマテラピーや漢方、「おばあちゃんの知恵」なども大きな括りで言うと植物療法にあたります。
(漢方は一部植物以外のものも使用しますが)

植物療法の歴史は古く、ヒトは昔から植物を薬草として、用いてきました。現代医療における薬の原点でもあります。
例えば、アスピリンは柳の木の樹皮から有効成分が発見され、人工的・科学的に作られたものが近代の薬になりました。

フィトテラピーの特徴として植物の有効成分を"まるごと全体的"に利用するという点があげられます。ひとつの植物には非常に多くの成分が含まれており、それをまるごと摂ることにより、体全体のバランスを整えてくれるのです。

植物療法のメリットは?

私が考える植物療法(フィトテラピー)の良いところは、不調の根本に向き合える、そして最終的には自然治癒力を高め、体調を徐々に整えてくれる力があるということです。
お薬で一時的に痛みを止めたり、症状を抑えたりすることも出来ますし、もちろんそれも大切です。
しかし、根本的な解決にはならないことが多いです。また不調を繰り返してしまったり、薬で副作用が出ることもあるかと思います。根本的に改善していきたいという人には植物療法も是非取り入れてもらいたいです。

ただ、医薬品とは違い、即効性やピンポイントな作用はないため、ゆっくり根気よく自分の体や心の声を聴いて向き合っていくことになります。
そして、もちろん食生活をはじめ日々の生活習慣の改善も大切です。

植物療法の取り入れ方

植物療法の取り入れ方は大きく分けて「飲む・食べる」「香る」「塗る」の3つがあります。
用いる形態は様々で、以下のようなものがあり、目的や症状に合わせて選びます。
・ハーブティー(ティザンヌ)
・チンキ剤(タンチュメール)
・粉末/パウダー
・精油
・芳香蒸留水
・それらを加工したバームやクリーム、錠剤など。
そして食事やお茶などの飲み物も立派なフィトテラピーです!

パリのハーブ薬局

ティザンヌと精油について

フィトテラピーの中でも、ティザンヌ(ハーブティー)とアロマテラピーでお馴染みの精油(エッセンシャルオイル)について、それぞれの基本情報やポイントをまとめます。

ティザンヌ(ハーブティー)のポイント

ハーブティーはフランス語で「ティザンヌ」と言い、ハーブを熱湯に浸し主に水溶性成分を抽出し、摂り入れる方法です。

ポイント①
ハーブはフレッシュハーブと乾燥ハーブの2種類があり、抽出される成分の種類と量が大きく異なります。
基本的に植物療法では乾燥ハーブを使用します。

ティザンヌを選ぶ際には、なるべくオーガニックのものや自然栽培されていて、新鮮なものを選ぶようにすると良いです。

ポイント②
保存方法
について。必ず高温多湿と直射日光を避けてください。おすすめは、密閉出来る容器に移し替えて冷凍庫など暗く涼しい場所で保管することです。

ポイント③
最後にティザンヌの入れ方についてです。ティザンヌの入れ方は2種類あり、1つは「アンフュージョン」とって熱湯を注いで浸出させる方法(普段みなさんがお茶を入れる時と同じ)。そしてもう1つが「デコクション」という火にかけたまましばらく煎じる方法です。
根や実、種など植物の固い部分を摂り入れる際には、デコクションが適しています。

アンフュージョン:カップやポットに沸騰したお湯を入れ、5~10分ほど成分を浸出させる。フタをするのをわすれずに。

●デコクション:お湯を一度沸騰させて、弱火にする。ハーブを入れたらフタをし、沸騰させないように5~20分煎じる。
※水250mlあたり、ハーブはテーブルスプーン1杯程が目安。

ポイント④
抽出中は揮発成分を逃さないためにフタをするのがポイントです。

ポイント⑤
飲むタイミングは、吸収のいい食前、食間、就寝前の空腹時がベストです。1日1~3杯くらいが目安です。
期間ですが、通常は3週間(21日間)飲む、そして1週間お休みする。というのが基本的なサイクルだと言われています。

ハーブによっては、長期間同じものを飲むことによって、効果が薄れてしまうものもあります。

ハーブ屋さん。ヨーロッパ最大のBIOマーケットにて。
複数種類のハーブをブレンド

アロマテラピーのポイント

アロマテラピーはAroma(芳香)とTherapy(療法)を組み合わせた言葉で植物の芳香成分である、精油を用いたケアの総称です。
精油は植物からわずかしか採れない希少なもので、その中には数百の成分が含まれています。

ポイント①
精油の吸収経路としては嗅覚、肺、皮膚の3通りがあります。
例えば、
・ディフューザーで芳香浴をする
・お湯やティッシュなどに精油をたらして嗅いだり、鼻に入れる
・オイルに精油を混ぜ、体をマッサージする
など。

ポイント②
精油の作用は非常にスピーディーで、香りを嗅いで約0.2秒で脳に電気信号が送られ、それが自立神経やホルモン、免疫に影響を及ぼします。

ポイント③
原則、原液をそのまま使用するのではなく、ベースオイルにブレンドして使用します。
その他、バスソルトやクリームなどに混ぜて使用することも出来ます。
また基本的に粘膜への使用も避けた方がいいです。それから、

ポイント④
精油の選び方ですが、以下のようなことを確認するといいでしょう。
・100%天然であるか
・抽出部位・抽出方法・学名・原産国が記載されているか
・精油 OR エッセンシャルオイルという記載があるか

フランス人マダムの精油BOX

実際に取り入れる前に考えたいこと

「まずは自分を大切に」。
私がスクールで最初に言われたことです。ステレオタイプ的な言い方になってしまいますが、日本人っていわゆる周りに気を使ったり、頑張りすぎてしまう人が多いのではないかなと思います。
1日でも1時間でもいいので、自分を優先する、「セルフラブ」の時間を取ってほしいです。
いつもいつも頑張らなくてもいいです、頑張らない日があっても大丈夫。また、時間が来た時に頑張ればいい。ゆっくり湯舟に浸かったり、不安や後悔を一旦忘れて好きなことに没頭する時間、自分のための自分だけの時間をつくってみてください。

そして、植物の力はとてもパワフルですが、魔法の薬ではありません。フランスの婦人科医で植物療法士である先生も、「重篤な病気をフィトテラピーだけで治すことはできません」とハッキリ仰っていました。
フィトテラピーはあくまでも、日常で感じている不調や生活習慣の改善であったり、副作用を和らげる、治療後の回復補助や再発防止、病気の予防を目的としています。

また、人それぞれ、アレルギーがあったり、食べ物で合うモノ合わないものがあるように、全ての人にフィトテラピーや特定の植物が安全で効果を発揮するわけではありません。
持病がある方や、治療中の人、薬を服用している人、妊娠中や授乳中の方には禁忌となる植物もありますし、そういう方は必ずお医者さんに相談をされてください。

そのような注意点はあるにせよ、私は植物療法に救われた一人です。2年前頃から、ストレスやPMS、生理痛、そして睡眠の異常や気分の落ち込みなど軽度なうつ症状のような状態が続いていました。しかし、今は心身共に回復し、たまに不調な時もありますが、過去の自分と比べるとすっかり元気になれました。私の経験談も別のnoteでお話出来たらと思います。

日頃から取り入れられるセルフケアの1つの方法として、ぜひ植物療法について知っていただき、あなたに合っているもの・取り入れやすいものからぜひ取り入れてみてくださいね。

▼パリのおすすめハーブ薬局アドレスはこちら


現在私はフランスに住んでいます。
パリやフランスのVlogをYoutubeにアップしているので、もし良かったら覗いてみてください!

#植物療法 #フィトテラピー #ハーブ #エッセンシャルオイル

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