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光に魅せられるパリの6月。
6月は1年で最もワクワクする月である。自分の誕生日が6月だからという理由が大きいのだが、とりわけ今年の6月はヨーロッパで迎えることになる。ヨーロッパの6月は最高だ。
日本は6月と言えばじっとりとした梅雨の季節。一方でヨーロッパはというと、日本とは正反対のような、カラッとした晴れの日が続く、正にベストシーズンと言える。「ヨーロッパの旅行ベストシーズン」とネットで検索しても、5・6月をお勧めする情報をよく目にするだろう。
忙しなく、活力にあふれて、”生きている”パリだが、時々柔らかい時間が流れる時がある。そんな瞬間に出会うたびに私はパリが大好きになる。
大きい道路から1本中に入った狭い通り、木の下の濃い緑色のベンチ、小さな美術館の窓際。まるで絵画の中にあるような優しい光を感じる。
とりわけ6月の光といったら、それはそれは美しい。おまけに心地よい風も付いてくる。
北欧に比べたらまだマシなほうだが、暗くて長い冬がパリにもある。なかなか暖かい日が来ず、春をまだかまだかと待ち続ける。そして、5月頃を過ぎると待ちわびた太陽の季節がやってくる。
そんな太陽に感謝して、お祝いするのが1年で1番日照時間が長い6月の夏至の日。ヨーロッパのいたるところで夏至をお祝いするお祭りがあるが、フランスでは夏至の日は毎年"音楽の日"となっている。「1年の中で最も太陽を楽しめるこの日に、音楽と共に夏の訪れをみんなで楽しもう!」というコンセプトなのだ。
ちょうど両親がフランスに旅行に来ており、夏至の日はセーヌ川を遊覧するクルーズ船に乗った。"The 観光客"のアクティビティに思えるが、このセーヌ川のクルーズはパリに住んでいる方にもぜひおすすめしたい。いつもの街がまた違って見える。セーヌ川からしか見えない景色がある。
セーヌ川沿いには沢山の人たち。散歩をしたり、川沿いに座っておしゃべりをしたり。音楽をかけて踊っている人たちも。右からも左からも色々な音楽が聞こえる。そう、パリにも夏が来たのだ。
この街の人たちは太陽が大好きである。天気がいい日には、ここぞとばかりに人々は外に出てくる。これはパリだけでなく、ヨーロッパは大体同じ傾向にあると思う。
公園はピクニックをする人達でいっぱいになり、これでもかというくらい歩道に広がるカフェやレストランのテラス席もいっぱいになる。ちなみに夏の間は店内は空いていることが多い。日焼けしすぎるのが嫌な日本人の私としては、店内が空いているのは嬉しい。
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クルーズ船から降り、今までセーヌ川から見ていたパリの道を歩く。真っ直ぐに続くプラタナスの並木。
少し立ち止まって漏れ日を愛でる。なんとも言葉にしがたい光。風が葉っぱを揺らし、光の粒がキラキラと瞬く。
綺麗だな~とぼんやり思っていたら、隣にいた母が「光がほんとうに綺麗ね~」とため息交じりに呟いた。
この光を両親に見せたかった!!
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