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黒百合


苦しい

何故
此れほど
苦しい


無意識
としても

卑怯

姑息

しかも
何も
計算されていない


ひとつずつ
千切れて

管を疾る筈の
標は
あり得ぬ向きに
散開した


あなたは
この花を嫌っていた
花言葉も知らぬくせに

今にしてみれば
知る気すらなかったのだろうと思う


あなたが妬んだひとも
ここまでのことは
私にしなかった


本望か
満足か
笑えるか

知る術すらない


所詮
並列のひとつ


そうやって
繰り返してきたのだろう




春まで待つのは
あなたのためではない

私自身のために
耐えているのさ


それが
美談か
愚行か

今更
どうでもいいのかもしれないのだけれども



知るといい


こんなこともあるんだな


哀しさは
自分を轢き潰す
自分の陰

なんだと

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