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リコリス・リコイル 第12話の考察



ネタバレ注意!



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TVアニメ『リコリス・リコイル』予告動画 #12「Nature versus nurture」

2022/9/15 (58秒)

クルミズキのコント。ミズキの勝手ムーブとそれを叩き直すクルミを見てると、なぜか和むw


リコリス・リコイル | 本編第12話 Nature versus nurture

2022/9/25まで無料視聴可 (25分)

リコリス・リコイル第12話「Nature versus nurture」を視聴しました。
題意は「生まれか育ちか」千束(ちさと)の行く末は、どちらに左右されるのか。第12話を追いながら、考察していきます。


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前回ラストから、旧電波塔バトルの続き。

たきなから貰ったイッヌ付きのリコリス鞄、真島の撃った弾に弾かれて階下に落ちてたのか。合計17発を撃ち終わってちょうど弾倉が空になってたということは、たきなは薬室に+1装弾していなかったようです。

2対1でも超感覚でさばく真島さんの体術有利かと思いきや、千束が耳元で発砲音を響かせてエコーロケーションを封じ、的確に非殺傷弾でダメージを与え、たきながBolaWrapで拘束。アバンで決着をつけてしまいました。

まさか、これで終わり? 呆気ないなあ……とは思ってましたが。


旧電波塔で真島を捕えたと連絡を受けた楠木司令。予想外な展開だとしても顔には出さずポーカーフェイスですね。そこへリリベルの親玉である髭のおっさん・虎杖が出てくるんですが……

日常の治安を守っているのはリコリスで、普段リリベルは治安維持作戦には出てこないんですね。だから競合もしていないし、リリベルの事を知らないリコリスがほとんどなのか。じゃあリリベルは何をしてるかというと、DA上層部要人の警護任務とか? 今回のリコリス狩りのような特殊任務用に懐刀として使っているっぽい。装備も充実してるしなあ。


そして地獄パートが始まるよ……

やはり千束に殺しをさせたかったシンジ。「マザーテレサにでもなったつもりか」って、シンジにそんなこと言う権利ないが? 人殺しを強要する根拠が「アラン機関が与えた使命」一点張りでは千束が納得するわけもなく。

「私はそんなことのために、死にかけの人形のゼンマイを巻いたわけじゃない」は、かなり純度の高い暴言。それは、たきなも狂犬になります。視聴者とシンクロするなあ、たきなの立ち位置は。

いきなり撃たれてもシンジへの敬慕を変えない千束も、別の意味でネジが飛んでるよなあ……ここまでされても幻滅しないのか。たきなは、これまでのシンジの介入を総ざらいした後、人工心臓の件へと切り込みますが……

おい、まさか、そこまでする!?

いやあ正しく「狂ってる」わ。だから狂信者とは話し合いできないんだ……自分の命すら簡単に投げ出せるのは無敵としか言いようがない。

ブラフの可能性もあります。いくらシンジでも人工心臓を埋め込む手術をしようものなら数週間程度の入院を要するでしょうし、余裕があるとしても日本で一定期間動けなくなるような選択を取るとは思いにくい。手術痕のように皮膚を縫合するだけなら簡単にできますし。それに、本当に人工心臓を埋め込んだのなら、アタッシュケースを持ち歩く必要は無いはずでしょ?

頼むから、千束に新しい人工心臓をあげてくれよ……(´;ω;`)

もうこの際、アラン機関に頼らずとも別の人工心臓が入手できないかなあ。クルミに頼めばすぐバレない程度の身元偽造ならしてくれるよ、きっと……そもそも千束に長生きする動機がないかもだけど。

姫蒲(ひめがま)さん、わざと拘束されたフリまでして、シンジが撃たれる計画を遂行するとは……プロの挙動に徹してます。千束のノールック背後射撃を避けられなかったのは、たきなとの戦闘でダメージを負ってたか。

「心臓が逃げる!」

凄まじい名言。

たきなは、事ここに至って、シンジのことを人間ではなく千束の人工心臓が入った肉の塊としてしか見ていない。まあねえ、たきなの最優先は千束だものね……解釈違いを起こした同担を屠ろうとしてるようにも見えますけどw


クルミズキがヘリで駆けつけて、Bパートへ。

延空木の電波ジャックで全国デビューしてしまったリコリス。上層部がリリベルを送り込んでリコリスを処分すると聞いた千束・たきなは、クルミの作戦とミズキの運転で延空木へ。たきなが目を伏せて暗い表情なのは、千束の寿命問題が解決していないからですね。

楠木司令からのリコリス救出依頼をつないだのはミカでした。結局、旧電波塔の攻防には参加せず。あれだけ武装しておいて肩透かしっぽいですけど、第13話のラストバトルに噛んでくる可能性はワンチャン残ってます。もしくは、逃げるシンジ・姫蒲に対して何か介入するのかな? 千束の人工心臓を何とかしてやってくれ……><;


一方、延空木のリコリスたち。

待機命令のまま動きがないことを不審に思ったフキは、独自に動く決断をします。リコリスの存在が外部に漏れ、司令部で何らかの政治的判断が働いている可能性に思い至ったのでしょう。第1話で千束から「ちょっとは自分で考えなさいよ」と言われたことの反映にもなってます。第3話でフキ自身がたきなに言った台詞を思い返しているのは、独断行動の責任をすべて一人で負うつもりなのかな。

制御室に立て籠もってる真島の残党たちも強力。特に、真島の側近を務めていた筋肉隆々の大男二人が難敵で、あわや返り討ちにあいかけるも……千束・たきなの助けが間に合いました。ここの勝利確定BGMは、分かっていても滾りますね! リリベルについて問い返さないってことは、フキはリリベルの存在を知ってたのか。

リリベルが迫るなか、制御室で仲良くコントを繰り広げる千束とフキに笑ってしまうw リコリコはシリアスとコミカルのバランスがよく出来てて、匙加減がほんと上手いな。


クルミ無双、再び。

延空木にジャックインしたクルミは、ロボ太のハッキング・プログラムを同定して遮断。「百年早いわ」の啖呵が似合うなあw 瞬時に介入元の住所まで特定して「もしもしポリスメン?」まで、1分足らず。阿部さん出て来てましたねw さらにはラジアータまで回復させるとか、ウィザードの名に恥じない働きですわ……格が違う。

延空木でのアトラクションと銘打って、架空の秘密結社リコリスという体裁を繕ってしまうあたり、急場しのぎとしては及第点。「どこへ向かうか、旗印~♪」ってミズキが延空木へ向かう際に歌ってたフレーズですね。つまりヘリに乗ってから旧電波塔へ飛ぶまでの短時間で、PVを即興ででっち上げたのか……クルミズキ、仕事が早すぎるw ナレーションが人工音声なあたり即席のやっつけ仕事感出てます。リコリス・クライシスじゃねーよ、とフキと千束がげんなりした顔になるのも分かるわ……w

ばら撒かれた1000丁の銃まではフォローできてません。警官に撃たれた人や、リコリスと撃ち合った人もいました。でもリコリコ世界の住人は平和ボケに浸かってますから、大多数さえ騙せれば納得してもらえそう。撃ち合いによる犠牲者すら、路上撮影でのイベントとして扱われたりして。「事件は事故になるし、悲劇は美談になる」。まだまだ隠蔽は続きます。そういう意味では不幸ですね、リコリコ世界。


何者か(クルミ)の介入でリコリスが架空の存在だと隠蔽できそうなこと、そして延空木に現れた千束により、状況は変わります。

虎杖がもともと千束を出撃させることに拘ってたのは、アラン機関(シンジ)との密約があったんじゃないかと。旧電波塔の経緯を知らない虎杖としては、千束を切り捨てるわけにはいかず、撤退を指示したのかな?

千束はリリベル相手でもヤる気満々だったでしょうが、退いてくれるなら願ったり。向こうを指揮してるファースト・リリベルとは因縁ありそう……もしかしたら、かつて千束のセーフハウスを襲ってきたリリベルの一人だったのかもしれません。空想の域を出ませんけど。


一仕事終えて爆睡するクルミに、ミズキが一言「帰ろ」ってのがまた良いです。喫茶リコリコに帰る、ってことですものね。


エリカとたきなが、しっかり話せてひと段落です。たきなが冗談をいうほど丸くなったとはね……w


千束もフキ相手に軽口叩いてます。事件そのものが無かった扱いになるなら、待機命令無視も作戦記録から消えるので、フキへの処分は無いと思いますが……千束も「わたしの使ってくれればいいけど」とか言わないでよ。悲しくなっちゃうだろ……フキも息をのんで察してますね。


エレベーターで降りる間際に、視界に入ってきた千束のリコリス鞄。もともと旧電波塔で落とした鞄なので、延空木には無いはずなのに……誰かが持って来ない限りは。千束は、当然分かったうえで拾いに行ってるはず。胸の前で鞄を構えたのも、防弾エアバッグを展開しろと言うサイン? フキが反射的に動かなかったらかなりヤバかったけど……信頼してたんでしょう。

たきなも疲労のため頭が回ってなくて、鞄がそこにある意味を理解する前に事態が進行してしまった印象。千束のタフさがこの局面でも発揮されてるとは…… 

さて、真島さんと千束、掛け値なしに最後の戦いかな。会話だけで終わる可能性もあるけど……やっぱり銃撃戦で語り合う気がするよね。たきなが戻ってくる前に、すべて終わってそう。


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喫茶リコリコの物語も、幕引きの時間です。

千束には生き続けてほしいけど、人工心臓が無いと……ミカがシンジと対決して何とかしてくれ。千束は残った余命を喫茶リコリコで幸せに過ごしましたエンド――でも、それなりに綺麗に終わるとはいえ。やっぱりここまで来たら、ちさたき大団円のハッピーエンドが見たいよ。

泣いても笑っても、次回第13話が最終回。

刮目して待ちます。




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