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10年間御守デザイナーをやってみてわかったこと #03 お札の話~お寺編~

こんばんは。元御守デザイナーのりいなです。
このマガジンは、10年間神社仏閣の世界でデザインにどっぷりと浸かった中で得たものをまとめていくnoteです。

今回は、お札の話【お寺編】です。

前回の神社編で、お札の起源についはまとめましたので割愛します。

簡単に言うと、呪符や祈祷証明書、また寄付のお礼つまりクラウドファンディングのリターンが起源だったという話です。



では、今回はお寺のお札の事です。

お寺のお札は神社と何が違うの???

正直、見た目一緒だなって思ったことはありませんか?

お正月に行くと、どっちも人が並んでいて、御守を買いに行っても似たものが並んでいて・・・。

神社の紙のお札の事を前回紹介しましたが、お寺にも紙のお札あったよね?とか。
上級者になると『歴史的に一緒の時代があったわけだから物も一緒だよね』とか。

思いますよね。


おっしゃる通り、形状や造りは一緒といって良いと思います。

では、何か違うのか。

答えは文字と印です。

神社のお札は神社の神様が宿る為の文字と印。

つまり、お寺のお札はそれが仏様のお力という訳ですね。
ここら辺は想像なのですが、本来お寺は仏様のお姿を見て感じながらお経を唱えますよね。私の祖父も仏壇の仏様に向かって毎朝お経を唱えていました。
ですので本来の形としてはお姿を祀るのではないのかな?と思います。

実際にお姿の絵が描かれたお札(御影絵)は、神社よりお寺の方が多いです。

しかし、お姿の絵だけでなく文字で仏様の名前を書いて、お釈迦様の教えの印を入れ、仏像の代わりにしたのかなー?
と勝手に思っています。あ

(明確な答えを知っている方がいらっしゃったら教えてください)


そしてもう一つ、お寺は比較的に木札の方が重要視されています。

例えば、神社であれば神棚にお札を入れて祀るので紙のお札がメインです。
木札はご祈祷をした時に名前入りでいただきます。

大切なお祭りの限定お札も紙で巻かれたモノが多いです。

しかしお寺はご祈祷以外でも木札が選ばれます。

これも想像ですが、お寺の場合は御護摩祈祷という木を燃やす修行があるので紙より木が重要なのかな?と思います。経木も木ですし。

御護摩とは真言密教における秘法で、人々をより高い精神的境地へみちびき、即身成仏にいたる修行法として組織したところに特色があります。
高尾山の御護摩修行は、御本尊飯縄大権現の「身・言葉・心」の神秘的な働き(三密)を、われわれの「身・言葉・心」と一致させ、人間の煩悩を表わす薪に大導師が点火して、そこに生ずる智慧の浄火で、あらゆる煩悩を焼き清めるためにおこなわれます。そして、御信徒皆様の清浄なる祈りが善願となって火焔に託され、御本尊に届けられることによって、諸願が成就するという修行であります。すなわち御本尊飯縄大権現の智慧によって、煩悩(苦の源)を焼き尽くし、円満な悟りを体現することを目的にしているのです。 
~高野山ホームページより~

ですので、もしもお寺でお札をいただこう、沢山あって迷うーという場合は木札をオススメします。


<図解>お札

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木札はシンプルです。
  ・ヒノキや杉などの板を山型に切る
  ・お寺の紋や梵字、お寺の名前、仏様の名前を刷る
  ・お寺の印を押す

あと付け加えるとしたら
  ・紙を巻く
  ・水引を結ぶ

といった工程になります。



おまけとして、元三大師のお札も紹介。
こういった絵姿のお札が多いんですね。こちらは厄除けのお札で水回りの近くや玄関などに貼ります。
元三大師が夜叉の姿になって疫病を追い払ったという伝説が元なので
ちょうど疫病退散として様々なお寺がお札を作って配布しています。


厄除けの御守の中に入っていたりする人気のあるお札です。

見た目怖いですけどね。




では、次回は御守についてです。

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