【読書】今も昔も変わらないものはある《予めすれば即ち立ち、予めせざれば即ち廃す》『大学・中庸』
四書五経の四書のうち論語と孟子は割と知られていますが、
もう2つの『中庸・大学』ってご存知ですか?
論語同様、何千年という時を経ても色褪せない教えが書かれています。
中庸の前半は論語の引用が中心ですが、十章以降は個人的に特に好きな教えが示されています。
その中の一つが、題名にもある
「凡そ事は予めすれば即ち立ち、予めすれば即ち廃す。」
すべてのものごとは、あらかじめ事前に考えておくとりっぱに成功するが、事前によく考えもしないで始めると失敗するものである。
まさに、今でも言われている「事前準備が重要」ということが、二千年以上も前から言われている。これだけでも「人間変わらないな」と感じますし、いかに事前準備が大切か痛感させられます。
11章以降は、「誠」について論じられており、どんどん思想が広大になっていきますが、胸を打つ言葉も並んでいます。
もちろん、『大学』にも現在でも通じる思想が多くあります。
大学は「国を治めること」と合わせ「自身を修める」ことが論じられており、こちらは今で言うマネジメントにつながります。
古の明徳を天下に明らかにせんと欲する者は先ず国を治む。
その国を治めんと欲する者はまずその家を斉う。
その家を斉えんと欲する者は先ずその身を修む。
その身を修めんと欲する者は先ずその心を正す。
その心を正さんと欲する者はまずその意を誠にす。
その意を誠にせんと欲する者はまずその知を致む。知を致むるは物に格るに在り。
訳が気になる方は、ぜひ本書を手にとって見てはいかがでしょうか。
古典の中にも今に通じる思想が流れています。
流行りの本もいいですが、たまには時代の波に揉まれた古典を読んでみるのもおすすめです。
『大学・中庸』
岩波文庫
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