はるのすけ

佐賀県出身/東京在住 書評や思いついたことを書き綴ります。サガン鳥栖が好き。散歩と銭湯…

はるのすけ

佐賀県出身/東京在住 書評や思いついたことを書き綴ります。サガン鳥栖が好き。散歩と銭湯も好き。

最近の記事

「責任」という漢字から感じるもの

題名が、ダジャレみたいになっておりますが、内容は至って真面目です。 私は「責任」というものに、何だかネガティブなイメージを持っている。 その悪いイメージの正体は、おそらく漢字に原因があるのではないか。 この漢字から自分が抱く違和感を紐解いていこうと思う。 そもそも「責任」とは何かと言われると せきにん 【責任】 ① 自分が引き受けて行わなければならない任務。義務。「―を果たす」「保護者としての―」 ② 自分がかかわった事柄や行為から生じた結果に対して負う義務や償い。「―

    • サラリーマン必読!?『ゴルギアス』

      最近、ソクラテスブームが私の中で来ています。 きっかけは忘れました。伊坂幸太郎の『逆ソクラテス』を読んだからかな。 『ソクラテスの弁明』から始まり、『メノン』と来て、本書である『ゴルギアス』に辿り着きました。 生き生きとした対話が面白いのです。 あらすじとしては、 弁論術の有効性について三人の論者とソクラテスとの対話。 最初は穏やかに対話をスタートも徐々にヒートアップ。両者、皮肉を交えながらの討論となり、ややぶちギレ気味で展開される。 最終的には人生の生きた方や幸福について

      • 【読書】情けは人の為ならず?『利他とは何か』

        何やら気になる本を見つけました。 『利他とは何か』 分かる。 利他ってなんだろうと。 電車で席を譲った時のちょっとした幸福感。 相手のためにと思って行動しても、結局自分のためなんじゃないかというモヤモヤ感。 いいことしたと思う反面、何だか分からないモヤモヤ感があったりもする。 利他って言っても、利己だよなーと、利他と利己をぐるぐる巡る。 そんな想いを同じように考えている学者さんやら小説家さん5名が真面目に「利他」について考えてくれている一冊です。 確かにそうだ!と

        • ご案内(自己紹介)

          記事ならびにプロフィールをご覧いただきましてありがとうございます。 何千とある記事の中で、私の記事を覗いてくれる、はたまた「スキ」をつけてくれるなんて、ほんとありがたい限りです。 簡単にではありますが、ご案内(自己紹介)です。 1.まずはこんなことを中心に書いてます。何だか難しそうな本を硬い文体で書くこともありますが、 それはただ古典が好きで、かつ未だ文体の方向性が定まってないからです。 本当は軽妙洒脱な文章を書きたいのです。(既に硬い) 少しずつではありますが、自分に

        「責任」という漢字から感じるもの

          【読書】恐ろしいほど高速で変化する世界に対応できるのか 『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ』

          自分の知らないところで圧倒的に世界が加速している。 それはもうちょっと気持ちが悪くなるくらいに。 進化するテクノロジー同士の融合(コンバージェンス)により、すごい勢いで世界が変わろうとしている。 本書の「はじめに」にあるように 「シートベルトを締めて。荒っぽいドライブになるぞ」 という言葉がぴったりの未来。 買い物、広告、エンターテイメント、教育、医療、寿命、金融や不動産、食料とありとあらゆる分野が激変していくのではないかと思わせる内容。 宇宙に関する記述は、もはやガンダ

          【読書】恐ろしいほど高速で変化する世界に対応できるのか 『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ』

          【読書】今も昔も変わらないものはある《予めすれば即ち立ち、予めせざれば即ち廃す》『大学・中庸』

          四書五経の四書のうち論語と孟子は割と知られていますが、 もう2つの『中庸・大学』ってご存知ですか? 論語同様、何千年という時を経ても色褪せない教えが書かれています。 中庸の前半は論語の引用が中心ですが、十章以降は個人的に特に好きな教えが示されています。 その中の一つが、題名にもある 「凡そ事は予めすれば即ち立ち、予めすれば即ち廃す。」 すべてのものごとは、あらかじめ事前に考えておくとりっぱに成功するが、事前によく考えもしないで始めると失敗するものである。 まさに、今でも

          【読書】今も昔も変わらないものはある《予めすれば即ち立ち、予めせざれば即ち廃す》『大学・中庸』

          【読書】論語の奥深さを知る『論語物語』

          論語を手に取ったことがあるすべての人に読んでほしい。 もちろんこれから論語を読んでみたいと思う人も。 学生時代に読んで、たまに読み返す論語。  読む度にはっと気づかされることがある。 ただ、自分は全く論語の背景、行間を理解していなかった。 著者は、同郷佐賀県出身である下村湖人。 こんなに素晴らしい作品を生み出せる人と同郷であることを誇りに思う。 本書は論語の一節を一つの物語にして構成されている。 一つ一つの物語を読むたびに心が揺り動かされる。 さながら自身が孔子の門人に

          【読書】論語の奥深さを知る『論語物語』

          【絵本】素読のススメ『声に出して読みたい日本語 春はあけぼの 祇園精舎の鐘の声』

          父となり、絵本を読む機会を得ることが出来た。 改めて読むと、様々な種類の絵本があり、子供と一緒に楽しんでいる。 綺麗な挿絵、ほっとする物語、意外と忘れていた昔話。 子供に絵本を読み聞かせをする中で、印象に残る出来事となった本を紹介したい。 その本は、『こども版 声に出して読みたい日本語 春はあけぼの 祇園精舎の鐘の声』 私の好きな齋藤孝さんの『声に出して読みたい日本語』の絵本版の1つ。 源氏物語、平家物語などの古文の一節が挿絵とともに紹介されている。 この本を購入した

          【絵本】素読のススメ『声に出して読みたい日本語 春はあけぼの 祇園精舎の鐘の声』

          【読書】日常に哲学というスパイスを『使う哲学』

          齋藤孝が好きだ。 正確に言うと、齋藤孝の著作が好きだ。 彼の著作は読書を好きにさせるし、何より「やる気」が出る。 読書に目覚めることが出来たのも、彼のおかげだ。 古典の名著を、分かりやすく紹介してくれる。 深い知識への道しるべとなってくれる心の師匠。 数多い著作の中から、今回は、日々の生活にちょっとしたアクセントを与えてくれる作品を紹介したい。 哲学と言われると何だか、構えてしまう。 ムズカシイ漢字(間主観性)とか、何やら分からない横文字(アウフヘーベン)の言葉とか。 そ

          【読書】日常に哲学というスパイスを『使う哲学』

          【子育て】荒れる部屋、溜まる怒り。そんなあなたへ『息子のトリセツ』

          我が家の息子×2はやたらと元気です。 おかげで、当家のリビングは荒れ放題。勝手気ままな息子たちへの怒りはみるみる溜まる…笑 そんなときは、『息子のトリセツ』 一時期話題になった黒川さんのトリセツシリーズの息子版。 やっぱりそうだよねーという共感と、このままでいいのかという安心感を得られます。 男たちの「ぱなし癖」は仕方のないことみたいです。 男性脳、女性脳ってのが本当かどうかは分かりませんが、特性が分かるとちょっと気持ちが楽になります。 本書の半分は、著者の子育て自慢な

          【子育て】荒れる部屋、溜まる怒り。そんなあなたへ『息子のトリセツ』

          【読書】いい大人になってますか?『男の作法』

          みなさん、若い頃、自分が思い描いた通りの大人になっていますか? ちなみに、私は全くなってません。 カッコいい大人になりたいと思うけど、届かない理想。 そんな想いがあり、読み始めたのが、『男の作法』 さすが、池波先生。 寿司、蕎麦、てんぷらの食べ方から生き方指南まで、幅広に「作法」について語っておられます。 早速、街の寿司屋で「作法」を試してみる。 「瓶ビールと刺身の盛り合わせをお願いします。その後で、にぎりの並を一人前もらっていいですか」 何だか大人になった感じ。 カウ

          【読書】いい大人になってますか?『男の作法』