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サラリーマン必読!?『ゴルギアス』

最近、ソクラテスブームが私の中で来ています。
きっかけは忘れました。伊坂幸太郎の『逆ソクラテス』を読んだからかな。
『ソクラテスの弁明』から始まり、『メノン』と来て、本書である『ゴルギアス』に辿り着きました。
生き生きとした対話が面白いのです。

あらすじとしては、
弁論術の有効性について三人の論者とソクラテスとの対話。
最初は穏やかに対話をスタートも徐々にヒートアップ。両者、皮肉を交えながらの討論となり、ややぶちギレ気味で展開される。
最終的には人生の生きた方や幸福について、ソクラテスが熱く演説しちゃうって話です。

感じるのは、ソクラテスの「正しく生きる」ことへの渇望。
読みながら、孔子と似たものを感じる。

この二人の存在を思うと「正しく生きる」ことは古今東西、困難なこと。
大抵、この手の人たちは、権力者から疎まれて「社会的」には出世できない。
一方、上におもねり、小手先の技術で出世したりすることもある。
正しく生きることは難しい…そもそも正しいとは。うーん難しい。

サラリーマンである以上、ついつい出世、昇進にこだわってしまうあまり、本来なすべきことを見失い、迎合し、不正とは言わないまでも易きに流れてしまうこともある。
そこを立ち止まり、ソクラテスが言うような「最善のことを目的」として生きることに立ち戻れるかが重要ではないか。

自分なりの「最善の目的」を明確にできれば、
サラリーマン人生を周りに囚われず、ブレずに、そしてより豊かに生き抜くための大きな力になる。
そういう点、この本は「サラリーマン必読の書」かもしれない。

改めて、いかに生き、考え続けるかを問い直すことができる一冊であった。

『ゴルギアス』 プラトン 著 加来彰俊 訳 岩波文庫

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