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持続的イノベーションのリスク

1.イノベーションとは

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イノベーションとは、新しい製品を発明することだけではなく、サービスや、製品、組織、仕組み、ビジネスモデルなどに、これまでにない新たな考え方や技術を取り入れて、新たな価値を生み出し、社会にインパクトのある革新や変革をもたらすことです。

イノベーションには2種類あります。
1.持続的イノベーション
顧客の要望に真摯に耳を傾け、製品・サービスにおける性能の向上を図るイノベーション
2.破壊的イノベーション
参入段階では劣るが、既存製品にはない価値によって、既存市場を奪ってしまうようなイノベーション

2.イノベーションのジレンマ

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イノベーションのジレンマが起こるステップは次のようです。

1.業界トップになった企業が顧客の意見に耳を傾け、さらに高品質の製品サービスを提供する。持続的イノベーションをしている企業は、破壊的な技術に関心が低い。
2.技術の進歩のペースは、市場の需要を上回る。持続的イノベーションをしていると、ある時点で顧客が求める性能を上回るぐらい改善してしまう。
3.破壊的イノベーションは、参入段階では劣るが、既存製品にはない価値があり、改善を繰り返すうちに、顧客が求める性能に到達し既存市場を破壊してしまう

事例で説明すると、デジタルカメラの技術改善に取り組んでいたら、スマートフォンのカメラ性能が向上し、市場が奪われてしまったという現象がこれに当てはまります。

このように、イノベーションに成功した企業が、大企業になると革新性を失ってしまう状態や、さらに最先端の技術開発をしても成功に結びつかない状態などを、総じてイノベーションのジレンマと呼びます。

3.持続的イノベーションのリスク

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デジタルカメラを例にとると、約50年続いたフイルムカメラの市場を、2000年ごろに破壊し、2010年にピークを迎えたのち、スマートフォンに市場は破壊され、デジタルカメラの市場は2020年には7割縮小しました。破壊的イノベーションが普及するスピードは速いです。

ここで大きな問題は、デジタルカメラの会社で働いている人は、一生懸命、顧客の声に耳を傾け、カメラの性能向上、効率的生産へ向け、持続的イノベーションを行い、自分の市場が無くなっていくことに気付かず働いていることです。

変化の激しい時代ですので、今ある市場も10年後には破壊されるリスクがあると考えて、ビジネスの状況を理解し、スキルアップ、キャリアップして、自分自身をアップデートしていかなければいけないという話です。

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