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【メディア解剖連載 Vol.4】HRzine編集長 市古明典さん

現在、B2B企業向けに広報部門立ち上げコンサルティングを行うリープフロッグ松田純子PRコンサルタント高橋ちさが主催し、ライターとして企業広報の3名(橋尾日登美さん、前田弥生さん、堤はるなさん)、宣伝担当として広報コンサルタント村田知左さん、フリーランス広報PR 奥野絵里奈さんに参加いただき【メディア解剖連載】を行っています。

※本連載の趣旨は、第1回記事の冒頭をご覧ください。

毎回、松田と高橋が専門とするBtoB分野のメディアの方をお招きし、
以下のような項目を中心にヒアリングしてnoteにインタビューを掲載
していきます。各社の広報の方に、ぜひお仕事の参考にしていただければと思います!

・媒体コンセプト、ターゲット読者
・取材の注力分野
・広報担当者との関り方
 など


第4回は、HRzine 編集長の市古明典(いちご あきのり)さん

にお話を伺います!

 
・HRzine:https://hrzine.jp/
HRzineの媒体資料
・プレスリリースの送付先: magazine@shoeisha.co.jp


HRzine編集長 市古明典さん


プロフィール
HRzine編集長
1972年愛知県生まれ。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、2017年7月にエンジニアの人事をテーマとする「IT人材ラボ」を立ち上げ、2020年8月に人事全領域にテーマを広げた「HRzine」をスタートさせた。


■HRzineのコンセプト、ターゲット


Q:本日はよろしくお願いいたします。HRzineのコンセプト、ターゲット読者について教えてください。

 
HRzineのコンセプトは、現場の人事パーソンに役立つ、知識・事例・ノウハウを届けることです。読者は企業で活躍されている人事部の方が主ですが、その他にも経営企画や各部署のマネージャー層など、組織作りや組織運営に関わる方が多くなっています。
 
こうした方々に役立つ情報を発信しているわけですが、“役に立つ”ためには単に取り組みを伝えるだけじゃなく、読者がその情報を自らの業務で使える状態にすることが必要です。読者が読んだものを参考にして、自らの日々の業務にそのまま使える、真似できることを大切にしています

 
Q:競合となるメディアとの違いをどのように認識されていますか?
 
人事系のWebメディアはたくさんありますが、それぞれ注力している分野に違いがあると思っています。人事関連の情報を総合的に扱うメディアもあれば、労務や採用情報に特化しているメディアもあります。そのなかで、HRzineは「人材戦略」をテーマとして扱うことが多いのが特徴です。具体的には、採用、人材育成、評価、組織作りといった内容です。
 
テーマを絞っている分、記事のバリエーションは意識しています。連載、読み切り、ストレートニュースとさまざまな種類の記事に、事例、イベントレポート、インタビューなどを豊富に掲載しています。
 



HRzine



■編集部の体制、企画検討について


Q:編集部の体制について教えてください。
 
編集部は僕一人で、編集長兼、編集部員という形でやっています。ライティングはほぼ外部ライターさんにお願いしている体制ですね。自分で書くこともゼロではないのですが、企画や編集に集中するようにしています。

 
Q:ありがとうございます。取材や寄稿のご提案をする際は、サイトに掲載されているアドレス(magazine@shoeisha.co.jp)にご連絡すれば良いでしょうか?
 
はい、それで大丈夫です。このアドレスには月に1,2回ほど、取材や寄稿のご提案やお問い合わせをいただきます。そこから掲載につながることもあります。
 
もちろん、直接私のメールアドレスに来るものもありますが、毎日のようにいただくわけではないので、やはりご連絡は目につきます。あまりに見当違いな内容だと困りますが、ちゃんと考えてご提案いただいたものはきちんと目を通すようにしています。

 
Q:たくさんのメールが届くことになると思いますが、届いたメールはどのように確認、選別しているのでしょうか?
 
どうしても量が多いので、最初に「人事」、「人材」のようなスタンダードなキーワードでフィルターをかけています。人事ジャンルの話題から大きく外れてしまうものを取り除くイメージですね。
 
特にストレートニュースでは、キーワードから外れているネタで記事にすることはほぼありません。フィルターを使いながら重要なメールを捕捉し、HRzineで取り上げたいニュースを見逃さないようにしています。週に数千通程度いただくメールのなかから、フィルターで20%ぐらいに絞って確認しています。


■HRzineの注目トレンド、キーワード


 
Q:HRzineの中でよく読まれているテーマや今後注目の分野を教えてください。
 
2022年の実績でいうと、「オンボーディング」の記事が人気でした。新しく入社される方の迎え入れについての記事ですね。連載で6〜7本作り、うち5本が年間ベスト20に入る人気ぶりでした。
 
テレワークが続くなかで入社する方が増え、どの会社でもコミュニケーションの仕方や量が変わりました。そうした環境下で、いかにスムーズに業務に入ってもらうかが多くの会社で課題になっていたのだと思います。
 
また、オンボーディング以外にも、様々な場面でのコミュニケーションに関するトピックは読者の関心が高かったです。例えば、採用広報や組織作りにおけるコミュニケーションのコツなどです。

 
Q:コロナ禍の影響を感じますね。徐々にアフターコロナ、withコロナへ状況も変わってきたと思うのですが、今後の注目ポイントはありますでしょうか?
 
今、特に注目度が高いのは人的資本経営ですね。また、その周辺のキーワードで、リスキリング、ウェルビーイング、エンゲージメント、タレントマネジメント。これらは特に注目している分野です。
 
これまでの人事の話題は、労務管理や年次の新卒採用のような守りの業務が中心だったように思います。しかし徐々にですが、事業戦略に寄り添った人材戦略の話が増えています。昨今は、経営視点をもつことが求められてきていると感じます。
 
加えて今後は、データに基づいて人材戦略を立てる「人事のデジタル化」にも注目したいと思っています。まだ事例が少なくこれからの分野ですが、人的資本経営の取り組みをきっかけにデータによる見える化やデータを活かした人事施策などが増えてくるはずです。さまざまな人事データの収集、統合など、各社が推進中のはずなので今後に期待ですね。

 
Q:「人的資本経営」などは大手企業の取り組みのイメージですが、中小企業やベンチャーも取材対象なのでしょうか?
 
もちろんです。むしろ、人事分野はベンチャーの方がユニークだったり、先進的な取り組みをしていることが多いと思います。実際、うちでは大企業よりもベンチャーや中小企業に関する記事が多めです。そういう意味では、大企業への取材を増やしたいと思っています。
 
とは言っても、大企業だから、中小だから、ベンチャーだからという属性の縛りはあまり意識していません。それぞれの企業に、他社が同様に悩んでいるような困りごとがあるはずです。それに対するソリューションを示せる内容であれば、すぐに企画化しようというスタンスです。
 

■広報からの情報提供、企画提案


Q:HRzineは、現役の人事の方がまさに今気になっている企業の取り組みを取材しているイメージがあります。どのように情報をキャッチアップされているのでしょうか?
 
正直に明かすと、今は持ち込みから取材に繋がることが多いです。企業から直接ご連絡をいただくこともありますし、PR会社から持ち込まれることもあります。先ほども言いましたが、多くの会社に共通する課題がテーマになっていて、その課題解決に成功した事例などがあれば積極的に取材しています。

 
Q:広報側から取材の提案をする際のポイントはありますか?
 
広報さんからご提案をしていただく際に大切にしていただきたいのは、「人事の視点」です。HRzineは、人事の方向けのメディアですので、人事の方の役に立つ情報かどうかが決め手になるからです。
 
やはり広報の皆さんは、自社サービスを前に出したい気持ちがあって当たり前だと思います。けれど「サービス紹介」的な話は、人事の業務に役立つ記事になりません。
 
例えば、自社の人事系サービスの導入事例の取材提案をいただく際も同じです。多くの会社が持つ人事上の課題をそのサービスを使ってどのように解決したのか、その結果どのような成果が出たのか、人事業務に役立つ情報を具体的にお話しいただけると読者にとって有用な記事になるはずです。
 
読者が「良質な情報を得られた」と感じさえすれば、そのなかでサービス名や会社名が多少目立っていてもそんなに気にはならないと思います。

 
Q:ちなみに、寄稿を提案した方が良い企画、インタビューを提案した方が良い企画などの違いはあるのでしょうか。
 
御社が持つノウハウを教えていただく時は、寄稿形式が良いと思っています。お持ちのノウハウについて僕が全て知っているわけではないので、インタビューで僕が引き出しきれない。だから、寄稿者の方で掘り起こしていただいた方が内容が濃いものになると思います。事例についてはインタビューで行うことが多いですね。

 
Q:寄稿やインタビューをご提案するときは、どの程度の情報量や形式でお持ちするとご検討いただきやすいでしょうか?
 
提案時に僕が一番知りたいのは、ビフォーアフターのギャップです。会社に課題があった時はどんな状態だったのか、その後、課題解決に繋がる施策を行ってどういう状態に改善したのか、という前後の違いです。
 
シンプルですが、このビフォーアフターがはっきり分かれば大丈夫です。あとは、概要程度でいいので、どんな施策を行ったのかを説明していただければ十分です。これが揃うと記事のストーリーが浮かび上がりやすくなりますね。

 
Q:HRzineではストレートニュースも多く扱っていらっしゃいます。「こういう情報が欲しい」というものはありますか?
 
一番目に入りやすいのは、企業が「新しい人事施策をはじめました」という類のニュースですね。次に、ランキングや調査データです。目を引きやすいですし、世相が反映されています。どの企業の人事さんも他社の様子はやっぱり知りたいと思うのでよく取り上げます。あとは、人事関連ツールの大型バージョンアップや新機能のお知らせなどです。

 
(※)ストレートニュースとは
最新情報を記事にしたニュース。HRzineではプレスリリースの情報を参考に記事にしている。


■HRzineへのコンタクト方法、窓口

 
Q:市古さんにコンタクトを取る際、SNSのDMでの連絡やつながりからの紹介はご迷惑にならないでしょうか?
 
人づてでのご紹介は、むしろウェルカムですね。ただ、もちろんその後お仕事につながるかどうかは、企画の中身次第にはなってしまいます。いずれにせよ、ご提案がすごく魅力的であればどんな経路であってもありがたいです。

 
Q:日々の情報収集では、どんなところにアンテナを張っておられるのでしょうか。
 
一番基本的な情報を入手しているのは、実は書籍かもしれません。書籍を読んで人事系のキーワードを頭に入れて、各種Webニュースなどを見ているうちにあれこれ発見するということが多いです。
 
人的資本経営ほどのキーワードは本を読まなくても情報が入ってきますが、人事業務のもう少し細かいキーワードや実務上の手法の細かいトレンドなどについては書籍が役に立ちます。
 
そういった言葉のセンサーを鍛えるために、競合媒体はもちろん、士業の方やHRテックベンダーなどが運営されているオウンドメディア、さまざまなWebニュースのほか、Googleアラートなどでも情報を得ています。各種調査レポートも勉強になりますね。
 
今後の課題としては、もう少し現場を回る時間を取りたいなと思っています。

 
本日は貴重なお話をありがとうございました! メディアにご提案する際は、読者目線を忘れないように気をつけたいと思います。
 (本記事は23年2月時点の情報です)


※過去の連載記事はこちら




(ライター:橋尾 日登美)

1987年10月生まれ、東京都出身、大阪在住フリーランス。人事/広報/ライターの領域で複数社を支援。コンセプトは『「ひとり雇うほどじゃないけど、経験ある人誰か手伝って」を複業で』パンダ、ビール、着物。
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(編集・構成:リープフロッグ 代表 松田純子)
B2B企業向けに、伴走型・人材育成型による広報部門の立ち上げ支援コンサルティングを実施。「広報の目的=企業成長」と捉え、新人、ひとり広報でも最速で効率よく広報部門を立ち上げ、企業成長に資する広報活動が行えるよう支援。各種メディアでの執筆、登壇多数 
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