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本業は差別化ポイントじゃない。~芸人の栄枯盛衰に学ぶ自営業の生き残り方 ~

人材会社、求人広告のコピーライター、IT系メガベンチャーと広告会社の広報、経営戦略室を経て、今は小さな広報コンサルティング会社の代表をしている松田純子です。広報時代も含めたライター歴はかれこれ17年ほどです。

企業広報&広報コンサル、ライターの経験を生かして、広報担当者の方や自営業者さんに役に立つ情報などをシェアしています。

本日は、パラレルワークやスモール起業など自営で仕事することに興味がある方向けに、自営業者の立場から、松田が趣味としている「芸人人生ウォッチ」から学んだ自営業者の生き残り方をシェアします。

注※一部、お笑い好きでないとついて来れない話題があります。が、特に詳しい説明はありません。あらかじめご了承下さい。

■自営業の私が参考にしているのはお笑い芸人さん


と言っても、もちろんお笑いスキルの話ではないです。(もちろん汗)

自分が会社員を辞めて小さな会社を始めてから思ったのは、芸能人という種類の仕事はまさに自営業であり、そのあり様がとても参考になるということです。特に芸能人は人前に出る仕事なので、成功から失敗まですべて細かに教えてくれるので最適です。

そこで、松田がいつも学ばせていただいているのが、お笑い芸人の皆さんです。

松田は大阪人です。幼少の頃からやすきよの漫才に親しみ、土曜日は学校から走って帰ってよしもと新喜劇を見ていました。お昼のラーメンを食べながら、お決まりのギャグに漫画みたいに吹き出している小学生でした。

そんな生活を子ども時代から続けているので、もはや単にネタを見て笑うだけでは物足りません。今の一番の関心事は、「芸人人生の変遷」を見ることです。

芸人さん達の人生を数十年単位で追いかけ、誰がどんなきっかっけで、どのようにチャンスをつかんで(あるいは挫折して)、芸人人生がどのように変遷していくのかを追いかけるのです。そう、芸人さんの「人生」そのものをエンターテイメントとして楽しむのです。( ‘ω’)/ヤバイネ


自営業になってからは、この趣味(?)が仕事の参考になっています。


■芸人さんが天下を取るまでの3ステップ


私が高校生になって、心斎橋の2丁目劇場(かつてダウンタウンの「4時ですよ~だ」を収録していた伝説のお笑い小劇場)に通い始めたのが約30年前。

当時は、まだ全国的に売れる前の千原兄弟がトップを張り、中川家やメッセンジャー、ジャリズム(「3!」の人)、リミテッド(陣内智則さん)、モストデンジャラスコンビ(ケンコバさん)、ドレス(フットの岩尾さん)、G☆MEN’S(ハリウッドザコシショーさん)などが舞台に立っていました。

大阪人だから言いますが、大阪は全ての価値観の最上位に「面白い」が来る土地柄です。当時2丁目劇場に立っていたのはNSCを出立ての若者でした。それでも、高校生の間で「面白い」と認められれば、関西のTV番組を経由して全国区で大活躍していく人達がたくさんいました。

かれこれ30年くらい「芸人人生」をウォッチしている私
が、その観察から見出した芸人さんが天下を取る(成功して生き残る)までにたどるミニマムステップは以下の通りです。


成功して生き残るための3ステップ



■差がつくのは、本業じゃない


私の主観で、私が高校生だった1996年~98年頃に2丁目劇場で特に人気のあった芸人さんはざっくり40組(約80名)くらいです。(若手芸人というカテゴリーの人はその何倍もいました。)その中の10組(約20名)くらいが今、全国区(あるいは関西)で立派に地位を築いて活躍されています。※正直すごい確率。黄金時代だったのか??

活躍に必須となるのは、本業の「お笑いスキル」ですが、それだけでは足りません。当時、40組はNSC卒業生の中でも特に女子高生に高い人気を誇り、確かに「面白かった」のです。ただ、残ったのは10組ほど。職業として食べていけるようになるには、その他にも大切な要素がたくさんあったということです。


この事実を踏まえて、先程の3ステップを説明します。


1)「チャンス」を作る、掴む


兎にも角にも、芸人として食べていくには、存在を知ってもらわないと始まりません。劇場の出番を勝ち取る。各種営業やイベントに呼んでもらう。あわよくば、関西ローカルの深夜番組に呼んでもらう必要があります。

(※)劇場の出番:よしもとでは各劇場の支配人がどの芸人を劇場に呼ぶか決めたりするそうです。知らんけど。


そのためには、そうしたチャンスを掴むための営業、ネゴシエーション、人間関係づくりも大切な要素です。

芸人さんを見ていて思ったのは、先輩・後輩(芸人仲間)のつながりがとても重要なこと。売れている芸人さんはしょっちゅう後輩と飲みに行き、その後輩を自分の番組に呼んで息の合ったトークでたくさんの笑いを作っていました。

新人芸人さんにとって先輩とのコミュニケーションは、「ネタを作る」以外にも「チャンスを作る」ためにめちゃくちゃ重要なんだろうな、と思って見ていました。

実際に「面白い」のに、当時人気だったローカルお笑い番組(爆笑booingやすんげーBEST10など)のネタ終わりのトークを司会の先輩芸人にさらっと流されているコンビはその後ひっそりと解散していました。

ちなみに、天下のダウンタウンは、まっちゃんが芸人仲間とつるんで浜ちゃんが制作スタッフさんとつるむことで有名ですよね。コミュニケーション大事。

2)実力(本業のスキル)は差別化ポイントじゃない


売れていくにはもちろん、実力が必要です。でも、考えればそうですが、プロの世界において、実力はあって当たり前のものでしかありません

小さなチャンスを地道につかみつつ、実力を磨く。そして、大きなチャンスが回ってきた時に、その実力をいかんなく発揮できればチャンスが次に繋がります。

しかし、私が眺めている限り、本業のお笑いスキルは差別化ポイントではありません

実力は、ないとどうしょうもないものであり、あったからどうということはありません。単純に芸人として売れている人は、何がしかの形でみんなスキルを持っており、持っていて当たり前なのです。

その辺、厳しい世界ですよね。


3)人柄


1)2)のステップを経て、一度は檜舞台に立ったお笑い芸人さんでもブームが去るとあまり見かけなくなる人がいます。逆に、いつまでも、いつまでも重宝されて、冠番組を持ったりさまざまな番組に呼ばれる人もいます。

松田は、ひとえに、これはお笑いスキルではなく「人柄」の違いだと理解しています。


偉くなっても不遜な態度を取ったりせず、相手を尊重したり、人として誠実な対応をする人が残っている
のです。

お笑い芸人さんで言えば、何十年も続く番組をたくさん持っているタモリさんやダウンタウンさん、さんまさん、たけしさんなどがすぐ思い浮かびます。こうした方々は、芸人としてではなく、もはや「人として好かれている」人達です。

私が見ている限り、面白くても態度の悪い芸人さんは必ず消えていきました。どんな人でも、そりゃ嫌な人と一緒に仕事はしたくないですもんね。


■まとめ


さて、そんなこんなで見てきた”芸人(自営業者)さんの生き残り方”

まとめる



と、なります。



いや、めっちゃフツー!!!!!



そうなんですよね。でも、それを実現するのは簡単じゃない。実力(本業のスキル)はあって当たり前とか、心臓痛くなっちゃいます。。。




また、それでも
さらに生き残りを確実なものとしたい方向けには、上記の指標に加えて



赤の女王仮説

を加味する必要があります。


出典:wiki



この仮説は、ルイス・キャロルの小説『鏡の国のアリス』で赤の女王が言ったセリフ、「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない」から来ています。


簡単に言うと、


周りが進化するから、自分も進化しないと同じ場所にはいられない」ということです。


いや、コワッつつつ!!!!!

(・∀・;)ヤルコトオオスギ



つまり、当たり前のことを誠実に、コンスタントにやり続けてチャンスを作り、ちょっとずつでも進化する必要があるということですね。


※ちなみに、最近のお気に入りはウェストランド

個人的には、最近逆に「内に秘めた(?)人柄の良さ」に興味を持ってネタやトークを見るようになった芸人さんが、M-1で優勝しててびっくりしました。ネタを書いている井口さんは、3ステップも赤の女王仮説も全力で頑張っているような人で「こういうタイプは売れる」の逆算で注目していました
。ウェストランドのぶちラジ(youtube)お勧めです。



改めてまとめてみたものの、まとめた内容が自営業の松田の心臓にビシバシ突き刺さってくるので今日はこの辺で終わりにしておきます。


23年も松田はマイペースでちょっとずつ頑張りますので、引き続き何卒よろしくお願い致します! ヽ(´∀`*)




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