ブルーオーシャンを切り拓くSaaS営業の本質とは|SaaS転職のリアルvol.2
2023年1月にウェビナー「ブルーオーシャンを切り拓くSaaS営業の本質とは|SaaS転職のリアルvol.2」が開催されました!スピーカーとしてLeaner FSの山下が登壇し、皆様から貴重な知見を共有していただきました。
このnoteでは、当日のトークを余すことなく、お届けします!
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梅田:今日は「転職のリアル」ということで、本当に具体的でリアルな話を聞いてしまおう!と私も企んでいますので、視聴者の皆さんもぜひ楽しんでいただけたらと思います。よろしくお願いします!
本日のコンテンツ
テーマ① ブルーオーシャン市場での営業〜光と闇〜
スタートアップ営業での楽しいこと、エキサイティングなことなどポジティブな話も伺う一方で、「結構スタートアップって大変だな」とか「バーティカルSaaSの営業はこんな所がつらいな」という、過酷さや試練などの体験も聞いていけたらと思います!今日はリアルを追求するセミナーですので、しっかり聞いていきたいと思います。
テーマ② 異業界からの転職のリアル
元々ITではない企業からITスタートアップに飛び込んできた皆さんに、異業界から来て「どんなことに苦労したか」とか「頑張って良かったこと」などを聞けたらと思っています。
登壇者
ブルーオーシャン市場での営業〜光と闇〜|楽しさ・面白さ
SaaSスタートアップの魅力
山下:何より楽しいのは「まだマーケットが無い」からこそ、その領域にすごくアナログな業務が残っていて、そこに斬り込んでいけることです。日本はずっとDXが遅れていると言われていて、Leanerが取り組む調達購買の領域も、海外と比べて20年くらい遅れていると言われています。シンプルに、そこを改善するとお客さんの利益がちゃんと出て「日本の経済成長に貢献している」という実感が持てます。それが、今感じている1番楽しいところです。僕は、まだまだ「製造業が日本の基幹産業」だと思っているので、製造業が復活すれば日本企業全体の利益率が上がっていくと考えています。
柳ヶ瀬:僕はSaaSを売ることのインパクトの大きさと、SaaSプロダクトの誠実さを日々感じています。というのも、前職で研修事業を扱っていたのですが、研修は一回施策として実行しても、その後のROIをほぼ取ることが出来ない世界なんですよね。一方でSaaSは長く使っていただくことで価値が増し、機能が増え、お客様の出来ることも増えていくので、とても誠実で、社会貢献できていることを実感しやすいサービスだと思います。また、前々職では「その場で印鑑をいただくまで帰らない!」という頑ななスタイルの営業をした経験もあるので(笑)営業スタイルや考え方など、今の職場に入って本当に大きく変わりました。
関本:お二人の言う通り、いま世の中にないサービスや価値を作っていくことにやりがいがあり、社会にインパクトを与えることができるのはもちろんです。それから、私も大企業に勤めていた経験がありますが、大企業ではゼロからイチを作るチャンスはなかなかありません。それを「必ずやらなきゃいけない」環境に身を置くのは、一個人としては刺激的で楽しいと感じています。
SaaSスタートアップの営業はエモい
梅田:ここまで皆さん、壮大な楽しさ・テーマを語っていただいてるんですが…。もっとミクロで「最近こう言うの面白かった」みたいなエピソードはありますか?
山下:「最近こう言うの良かった」でいうと、僕らの領域は、まだまだ紙を使って仕事をしているお客さんも多いんです。例えば、見積り業務において、現在と過去の価格を比較するために「キングファイルに入っている過去の紙の見積書」を棚から取ってきて、今の手元の見積書と比べる。みたいなことが普通に行われています。Leanerを導入していただくと、その作業が無くなって、シンプルにその現場の担当者の方に喜んでいただけるんです。営業として、売ったものの価値がお客さんに伝わり、喜んでいる。特に、システム導入を決める偉い人ではなくて現場の方が喜んでいるというのは、今の仕事をしていて一番楽しいところです。実際に現場に足を運んだり、会話をする中でも率直な嬉しいコメントを頂く機会も多いのでやりがいを感じますね。
柳ヶ瀬:製造業と一言で表現しがちですが、我々が身近に知っている大手メーカー以外にも沢山の企業があります。BtoBのロボティクス企業や化学・素材メーカーなどは、あまり目立つことがないので、会社の名前や、その会社の製品が何処に使われているかなど、皆さんご存知ないと思います。でも、Skillnoteを導入してくださっている企業の方との会話の中では、その会社の製品が使われている具体的なプロダクトなんかも聞けたりして、「あっ、これ●●社製のものじゃん!」という気付きがあったりするのは純粋に楽しいです。普段の生活では気が付く事のできないところまで思いが至るというのは、どの仕事でもそうだとは思いますが、この仕事に魅力を感じる側面です。
関本:私たちのプロダクトShippioのメインユーザーは、貿易の実務を担当されている方達ですが、この領域も電話・メール・エクセル・FAXを使って業務している方が殆どです。そのため膨大な工数をかけて、気合で捌くという世界観で仕事をしている方も多い中、我々のプロダクトを使ってもらうことで大幅に工数削減できている事例が多くあります。
お客さんの中には、子育てされながら仕事をしている方もいらっしゃいます。これまで残業ありきで泣きながら膨大な書類や手配を捌いていたけれど、Shippioを導入して、時間を半分に削減でき、お子さんと一緒にご飯を食べられるようになったとか、そういうお話も伺っています。
一同:めっちゃいいですね!エモい!
関本:まさにエモい事例が多く出てきていて、私たちはDX化のためのプロダクトを売っているんですが、Shippioの社内では、こういう事例を「ライフトランスフォーメーション=人生を変えた」と呼んでいます。こういう体験があると今の仕事に病みつきになりますよね。プロダクト導入によって誰かの人生が変わっていく。15分でかき込んでいたご飯を家族と食べられるようになった。これって最高じゃないですか?
梅田:Shippioが貿易実務におけるDXの、ほぼ唯一のソリューションとして存在するからこそ、実現できているんですよね。Shippioが無かったら起きない事が起きているというのは、ブルーオーシャン市場でゼロイチに携わる魅力とも言えますね。
ブルーオーシャン市場での営業〜光と闇〜|しくじり・しんどさ
スタートアップのハードシングス
梅田:ここまで良い話で大いに盛り上がったのですが、ハードシングスについても聞いていきます。ある種、スタートアップにおいての醍醐味とも言えるのではないでしょうか?この側面を知らずに飛び込む(転職する)のは、健全ではないと言えますし、今日ご参加の皆さんも、そういう話を聞いてみたい方が多いと思います!
柳ヶ瀬:Skillnoteの場合、大きく2つの壁を感じています。1つ目は、ステークホルダーがとても多いことです。実際に使う部門以外の関係者からも様々な意見があり、価格交渉だったり懸念点だったりという、それぞれのボトルネックを解消しなければなりません。その一つ一つの懸念点を感じている関係者に行脚して納得していただくというのは大変な取り組みです。プロダクトで解決したい問題の本質とは違うところに働きかけなきゃいけない難しさがありますね。例えば、我々のプロダクトは人事情報を扱うので、人の名前・組織情報・等級・役職みたいな個人情報を扱うとなると、人事の方に「タレントマネジメントシステムでいいよね」と言われてしまうことがあります。このようなハードルを各所で超えていかなければなりません。
2つ目が、新しいことをやる際、法令対応していかなければならないことです。特にSkillnoteは海外利用ができるSaaSなので、日系の海外現地法人で使っていただくことも多いのですが、そうなると海外現地の個人情報の取り扱いに準じた仕様にしなければなりません。EUにはGDPRという独自の個人情報保護規則があったり、インドや中国などにもそれぞれの法律があり、さらにそれが改正されることもあります。社内に法律の専門家がいないので、セールス担当者など今いるメンバーや外部コンサルを活用して捌いていく必要があります。そういうところは面白くもあり、でも、かなり大変だと感じています。
山下:Leanerの場合も、電帳法とか下請法とか、プロダクトに関連する法律は結構ありますね。僕らも社内に専門家がいないので、勉強してクリアできるようプロダクトを調整していく必要があります。
関本:皆さん、絶対共感すると思うんですけど…。数字の目標はどうしても高いと感じませんか?(笑)我々スタートアップなので、シンプルに数字を上げていかなければならないことと、組織を保つこと、サービスを強くしていくこと、やることめがちゃくちゃ沢山あるから、やる気に満ち満ちているものの、同時進行が難しいと感じることがあると思うんです。
梅田:ある意味、営業が一番言いづらいことを言ってくれました!ありがとうございます。このポイントってすごく重要ですよね。今日登壇の3社はいずれも、VCから投資を受けている会社なので、それはつまり、「僕らはこれを達成します」という約束のもとお金を投資していただいていることになります。その目標達成を誰が担うのかというと、営業ですし、大変な大きな壁があると思います。これについても後ほど聞いていきたいですね。
ピボットのリアル
山下:もっと赤裸々な話をすると、Leanerは一度ピボットしているんです。我々の場合のピボットというのは、一度作ったプロダクトの販売を辞めて、新しいサービスを作るという経営方針の変更です。そのころは営業目標どころか、売れない期間が1年間続きました。
僕はその当時ISを担当していましたが、営業として「ここにニーズがありそう」という仮説を立てて売りに行くんです。仮説なのでやっていることが正解かどうかも分からないのですが、売れなかったとしてもお客さんの話を聞いて、ニーズの種を見つけて、それを解決するプロダクトをエンジニアと作っていく。そういうゼロイチに取り組んでいました。これはしんどい事でもあるし、めちゃくちゃ働かないといけなかったので、ハードシングスなのは間違いなのですが、そこを楽しめる人はスタートアップに向いていると思います。でもやっぱり、1年間プロダクトが売れないというのは、かなり辛いですよね。
梅田:事業撤退やピボットについては、まさに生々しいスタートアップのエピソードですよね。実際にそのプロダクトについて撤退しようという時って、どんな空気なんですか?
山下:このプロダクトの撤退を決めた時は、売れない期間を乗り越えて既にプロダクトの売上が立ってきている状況だったのですが、それでも、長期目線で見ると「これお客さん絶対サクセスしないよね」ということと「Leanerが企業としてスケールしない」ことが見えてきたので決めたという、苦渋の決断でした。これまでやってきたことを辞めるというのは、会社全体が切り替えて、ISは全然違う業界のアポを作りに行き、FSは全然違う人に売りに行く必要があるので、変化が激しい環境でした。
梅田:そういうタイミングでは、どうしても人が流出する(辞めていく)というのがスタートアップでよくある話ですよね。山下さんは、そのような中でもどういうモチベーションや魅力があって会社に残ったんですか?
山下:これまで仮説を外しているとはいえ、調達購買の領域にペインがあることは分かっていたので、そのペインの解き方をSaaSで規定してあげればお客様に価値を提供できると考えていたからですね。僕自身が製造業出身だったこともあり、体感として製造業の利益率を上げるには調達購買の改革しかないと思っていて、そこにヒットさせる製品を一緒につくり込んでいくのは楽しいし、辞めようとは思いませんでした。
梅田:ソリューションの方法は間違っていても、乗り越えたい壁や、ペインへの共感は揺るがなかったんですね。
求められるスピードとブルーオーシャンの複雑性
柳ヶ瀬:売上の話に戻りますが、T2D3を実現していくってエグくないですか?達成することについて大きな理想を持ちつつも、目標が高いだけにプレッシャーは大きいなと感じています。
これだけ成長スピードが求められる一方で、売れる売れないの仮説が当たるかどうかは、我々もまだ探しているところです。「製造業」と一口に言っても、様々な企業があります。製薬・食品・ロボティクス・機械などがありますが、そこに共通の汎用的なペインがあるのかどうか。または、ある特定の領域に提案が刺さりにくいのかもしれない。だとか。色々な検証が必要です。
我々はブルーオーシャン市場に取り組んでいますが、ブルーオーシャンということは「これまで誰も手を付けてこなかった領域」ということでもあります。それだけ複雑性が高かったり、プロダクトづくりが難しかったりという要因をはらんでいるんですよね。そこに対して、お客様への提案のロジックを組み立てたり、訴求の仕方だったりというのは簡単ではありません。
ここに取り組むためには、自分の力量はもちろん、社員の育成においても課題は多いです。どんな知識やスキルを持ってもらいたいかというのは、細かく見ていく必要があります。
エンタープライズ営業の時間軸と、スタートアップの時間軸
関本:これも売上や目標の文脈になりますが、SkillnoteさんもLeanerさんもエンタープライズのお客様が多いと思います。スタートアップは短い時間軸で成果を上げていかなければならない中で、エンタープライズのお客様は組織が大きいこともあり、意思決定に時間がかかるということがありがちです。ソリューションの価値や必要性は認めていただいても、実際のプロダクトの導入決定までには時間がかかったりしますよね。この悩みにどう向き合っているか教えていただきたいです。
山下:製造業の方は、そもそも「ITを社内に入れる」という経験がほぼ無いんです。あるとしても基幹システムの更新くらいで、それ以外に導入すると言ったら工場の設備とかになるんですよ。となると、社長が「このシステム入れていいよ」と言っても実際に導入が決まるわけではないんです。まず取締役の方と接点を持ってLeaner見積の価値を認めていただき、その次に現場の方が本当に使えるかどうかの検証が入ります。そうやって経営層の方と現場のマネージャーの方を何回も往復して、全員が「これいいね!」と思えたら、そこから予算を取っていただくという流れになるので、だいぶ時間がかかります。一部の人のOKではなく、各レイヤーの方に合意を取りに行くことになるので、大変ですよね。
さらに言うと、製造業でエンタープライズの企業となると、オンプレミスのイメージが強い方も多いです。システムはカスタマイズして作ってくれるものだと思っている方々も多いので、まずはそこをご説明していくという過程もあったりしますね。
関本:こういった進め方の正解、最短経路をいかに早く見つけ出すか。というところが生命線かもしれないですよね。
梅田:大企業向けの営業は「難しい」とか、「出来る人が全然いない」という風に語られることがよくあります。でも実際にはリードタイムが長く、短くても半年、長いと2年かかるという状況があって、その営業パーソンの実力が見極めにくいというのは大いにあると感じました。その人の能力が低いのか、プロダクト導入のリードタイムが長いのか、判断がつきにくいですよね。エンプラセールスのリードタイムの長さとPDCAを一周回す期間の長さは一緒になってしまうので、そこをスタートアップが切り拓いていくということの難しさを感じました。
異業界からの転職のリアル
大手→スタートアップ転職のギャップ
梅田:異業界からITスタートアップに転職をしてきて、実際どうだったか?というところをお聞きしたいです。
関本:私は以前はレガシーな会社にいて、営業のやり方もよく言うとトラディショナル、そうでないならどぶ板的な売り方をしていたんです。例えば、「競合他社さんが10万円でやってるんで、うち9万5000円でやります!」という訴求の仕方ですね。そういう業界にいた私が、ソリューションやプロダクトを中心にしてモノを売っていくとなると、相当なマインドセットの変化が必要で、これまでの癖をアンインストールして成長するのは本当に大変でした。
お客様の課題の本質を正しく理解して、ソリューションを提案し課題解決につなげていくというのは、どぶ板営業では持ち得ないスキルだったので新しく身に着けなければなりません。
でも、スタートアップやSaaS企業には様々なバックグラウンドの人材がごちゃまぜで所属しているので、ITやSaaSを売ってきた経験者の方々の動きを見て、盗んで学ばせてもらう機会はたくさんあります。1社のレガシーな企業で働くだけでは絶対に経験ができない、スキルや経験の幅を拡げたり、吸収するチャンスを沢山得ていますね。
山下:大手企業からスタートアップに転職して1番ギャップを感じるだろうと思うところは、「仕事がない。」事だと思います。自分に与えられる仕事は無くて、ミッションだけ渡されるというような状態なので、会社の事業を伸ばすためにやることを「自分で見つけて実行して下さい。」という環境です。少なくとも当時のLeanerはそうでした。セールス3人目くらいでジョインしてsaleseforceのアカウントを渡されて「いい感じにやってね!」という。(笑)1日イスに座ってたら何も起こらないので何かアクションを起こすしかないですよね。
さらに、僕が日産に勤めていたときは経営企画に所属していたので、営業はおろかマーケティングもやったことがなく、体系的に教えてくれる先輩もいないし、もちろん育成制度も無いので、自分でゼロから学んでいく必要がありました。こういう「自分で見つけてやっていく」というスタンスが必要なところは、最初すごく苦戦したし、1番ギャップがあったと思います。
ゼロからの学び方と経験の活かし方
梅田:ゼロから学ぶって言うのは、具体的にはどうやるんですか?本を読んだりとか?
山下:本もそうですし、最近はネットに情報が落ちてますね。特にスタートアップの立ち上げについてなどは、偉大な先人が沢山いてnoteとかで発信してくれています。すごい良い時代です。「スタートアップのSaaSセールスのやり方」なんて本はなかなか出ていないので、すごく活用させてもらっていました。
梅田:少し補足をしますが、スタートアップはシリーズA・B・C・Dというように、資金調達のラウンドのどこにあたるかによっても、組織規模や仕事の状況は異なるかもしれないですね。特に今山下さんが話してくれたLeanerのエピソードは、シリーズAやその前のシード期にあたるので本当にゼロイチのフェーズだと思います。
その後のフェーズのシリーズC・Dぐらいの会社や、数年後に上場するようなスタートアップですと、上司がいたり具体的な仕事タスクがあったりと、少し変わってくると思います。
柳ヶ瀬:僕の場合は、実はSaaSスタートアップに転職してみて、そんなに苦労したとは思っていないんです。前職がそれこそ「仕事は自分で探してつくるものだよ。」ってしごかれた経験があるからだと思います。それから、これまでにもエンタープライズ営業の経験において、アウトバンドのリード獲得からデリバリーまで一貫して担当していました。そのためTHE Modelの役割を一通り経験している状態に近く、キャッチアップが早くできたというのはあると思います。一方で、このような経験がない人を見ていると、初回商談の後2・3・4回目の商談で「何をすればいいか分からない」というところに躓いて苦労していると感じます。
この2・3・4回目の商談で何をしたらいいかと言うと、実はシンプルです。ゴールのあるべき姿から逆算して、スケジュールを引っ張り、タスクを作って、実行していくんです。ただ、その構造は複雑です。僕の場合、レイヤーとして今対話している人の何ステップ上があるのか?そのステップの横列にどういう人や部署が存在するのか?そういったパズルをイメージして、「今はここが埋まっている」「ここが埋まっているから次はここを埋めよう」という風に取り組んでいます。
なので、「御社にとって、次は何ができると、検討が前に進むんでしたっけ」みたいなところを握り続けるんです。目標から逆算して、「これ次やる必要ある気がするんですけど、アクションどうなりそうですかね」と問いかけたり、「そこで我々が情報提供できるといいことは何でしょうか」みたいなことをやり続けています。
これからSaaSスタートアップにチャレンジする人は、何から学ぶといい?
バイブスの言語化が大事
山下:営業のやり方とか、THE Modelのやり方は、いくらでも後天的に身につくと思うんです。1番重要なのは、お客さんの理解です。お客さんが何に困っていて、なぜそれが起こっていて、どう改善したらあるべき姿に近づくのか?そこが分かっていれば、さっきの柳ヶ瀬さんのように営業が出来る人に教えてもらうことで、ある程度成果が出せるようになると思います。
お客さんがマジで何に困っているのか、この業界や領域にどんな負があるのか、そういうところを1番最初に理解するべきだと僕は思います。
柳ヶ瀬:回答としては少しずれますが、キャッチアップしてもらうことより、まじでバイブスが大事だと思ってます。自らスタートアップに飛び込んで、「この船を大航海に旅立たせるんだ!」と言う当事者意識と意思決定がめちゃくちゃ大事で、「俺はここで一旗上げてやる」って言う気概で入ってきてる人はとてつもなく吸収するんです。放って置いても勝手に。そもそも育成しなきゃいけないってなってる時点で、もうダメなんですよ。って思ってるんですけど、ダメですかね?(笑)
関本:確かに、採用の面接や面談の時、「どうありたいですか?」「どうなりたいですか?」って聞くしかないですよね。
柳ヶ瀬:バイブスの構成要素を説明する必要があると思うんですけど、根本的に「自らの意思決定でそこに飛び込んでいけるか」と言う、自分で考えて自分の言葉で、自分が何をしたいかを語れるかが重要だと思っています。
山下:「その会社にいる意義を、自分で話せるかどうか」だと思うんですよね。僕の場合、Leanerに入って調達購買領域を変えることは、自分にとってどういうことなのかを言語化できています。これができていたから、僕みたいに1年売れなくても頑張れたと思います。(笑)逆にそれを言語化できてない人は、「なんのために、こんなしんどいことやらなきゃいけないの?」となってしまうかなと思います。
関本:次のキャリアやステップを考える人にとって、言語化はすごく大事ですね。原体験や共感に基づいて、「魂が燃える部分がどこにあるのか」は棚卸ししといた方が良いです。スタートアップならではのしんどい事も沢山あるから、その時火が消えてしまわないように、自分と事業がつながっている部分・重なっている部分があるかは重要です。
転職する前からモチベーションを高く持てるのか?問題
梅田:日頃、転職やキャリア支援をしている人間として伺いたいのですが、転職を悩んでいる人からすると、その会社に入る前から「自分の本当にやりたい事なのか」が判断できないというジレンマがあります。
例えば関本さんであれば、キャリアにおいて物流業界を経験していてShippioでのイメージが湧きやすかったり、親和性があったりしたと思います。逆に、柳ヶ瀬さんは製造業というバックグランドは無かったにもかかわらず、未経験の領域にチャレンジしていますよね。一体どう言うマインドチェンジなんでしょうか?
柳ヶ瀬:僕がSkillnoteに入社する時は、営業として「こう言う自分になりたい。」「こういう成長をしていきたい。」という思いと、「人や組織の成長に貢献したい」という考えが強くありました。なので、Skillnoteに対して「この会社でこの想いを生かせますか?」と伝える形で面接を受けて、是非それを生かして欲しいと言ってもらえたので入社したんです。
自分が採用面接していても思いますが、会社の事業と本人の志望動機を無理やりリンクさせる必要はなくて、「自分自身がどうなりたいか」を語れることが大事です。その思いを活かせるかどうかを、面接や面談を通して本人と会社がすり合わせていければ良いと思います。
山下:モチベーションの源泉は人それぞれですよね。僕は製造業出身なのでそこを救いたいという思いはあります。でも、製造業への思い入れが無い方でも、自己実現したい姿と会社が進んでいる方向が一致していれば頑張れるという事だと思います。Leanerの場合も、僕のような人もいれば、柳ヶ瀬さんのような考えで頑張っている人もいるので、どちらでも良いと思います。
関本:プロダクトマネージャーの人に話を聞いてみると、解決できる課題の大きさや、それが与えるインパクトだったり、そもそも課題の複雑さが面白いとか、色々な切り口で会社の選定軸を持っていたりするんです。だから、自分が何を大切にしているのか、という基準でキャリアを選んでいくのが大事だと私は考えています。特に、スタートアップはカジュアル面談の機会をたくさん作れるので、ひたすら話を聞いてみたらいいと思います。「次はこの人と話したいです。」って指名して、色々な人に話を聞いて、会社のカルチャーや哲学を知って、事業の解像度を上げて、感覚のズレがないようにするチャンスを沢山持てます。大企業に転職するプロセスより圧倒的にやれることが多いと思います。
梅田:求職者の方を支援していると、企業の理解と、自分の理解、その双方を大事にした上でどう結合させるか?というお話をよくするんです。ここまでの話を聞いていると、両方が大事であることが大前提で、より「自分がどうありたいか」を重視するべきだということがわかりました。その「自分がどうありたいか」を柳ヶ瀬さんはバイブスって表現したのかなと感じています。
柳ヶ瀬:そういうことなんだと思います。「何が好きか」が大事ですし、何に興味関心があるのかと、そこから自分のありたい姿は紐づくと思います。
梅田:何が好きかと言うのは、事業に限らず、仕事内容、例えば営業の職種もそれに当てはまるのかなと感じたのですが、柳ヶ瀬さんは、いま何が好きでやってるんですか?
柳ヶ瀬:僕はめちゃくちゃ営業が好きっすね!
梅田:ありがとうございます!とてもいい笑顔で柳ヶ瀬さんの宣言を聞けたところで、時間いっぱいとなりました、本日は以上とさせていただきます。ご参加ありがとうございました!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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