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知らないと差が出るけど、意外と教わらない仕事の基礎

本稿は特定の業種や職種に限った話ではなく、就業しているすべての人に通ずる、「仕事に対する基礎姿勢について」ガイドラインとしてまとめた記事となります。

私はベンチャー企業で一人目のデザイナーとして入社をし、いくつかの開発会社を経て、現在独立起業していますが、その過程でたくさんの先輩や上司から仕事への向き合い方を教わりました。

上司には精神論を言う方は少なく、教わった基礎はロジカルシンキング・クリティカルシンキング・デザイン思考など、世の中で既に確立されているナレッジから抽出して自分に伝えてくれていたと思います。

そこで今回はまだ就職して間も無く、仕事の指導や支援が心もとないと感じている方に向けた内容として、
私がこれまで先輩方に教わったことの要点を抽出し、ガイドライン化して解説記事を書いてみたいと思います。

今回はこんな人向けの記事・・・就職したものの成長いついて心配がある人など

仕事の進め方に関する9つの基本ガイドライン

  1. 納期・費用などのプロジェクトの制約を確認する

  2. 完了定義を確認する

  3. 仕事のプロセスを洗い出しスケジュールを組む

  4. プロセスの中でもリスクの高いタスクを先に片付ける

  5. 問題や思考停止が起きた場合は、迷わずすぐにチームや冗長に報告/相談をする

  6. 説明をする際は、ニュアンスや文脈を察してもらうとせず、明確な表現で伝える

  7. ゼロから何かを考えず、ガイドライン、テンプレート、事例などを利用する

  8. 問題が起きてから人に助けを求めず、事故予防を心がける

  9. 人に何かを頼む時は、1~8を軸に状況を把握・管理したうえで相談等を持ち込む

上記が仕事の進め方の前提、つまりガイドラインとなります。
シンプルに見えますがやってみるとキープし続けられる人はあんまり見かけません。
難しくはないけど、きっと面倒なんでしょう。

それぞれの基本について、その実施方法やナレッジについては奥深さがあり探求・表現をするとさらに仕事の練度が上がります。

実践した際の効果

  • 仕事を進める上で重要となる「論点」を見つけられるようになる

  • 「論点」を裁き結論を出すのが早くなる

  • 徐々に上司に指示を仰がなくても、自律して仕事を進められるようになる

  • 創発的で不確実性の高い仕事でも取り組めるようになる



それぞれの項目の補足・詳細

ではガイドラインのそれぞれの項目について説明をしていきます。
(本当はそれぞれの中に、もっと細かい実践方法や思考方法があるのですが、結びつけて書くことが難しいので、別の記事で関連付けして書ければと思います)

1. 納期・費用などのプロジェクトの制約を確認する

まずは納期と予算はプロジェクトのスケールに大きな影響を及ぼします。プロジェクトの制約事項を確認しましょう。
提案やアサイン、作業の規模の前提となりますから、確認が甘いと後の工程が全てひっくり返ってしまいます。
簡単な作業の依頼については、期日を日時レベルで設定し、どれくらいの時間を使っていいかなどを上長やPMに確認するので十分かと思います。

2. 完了定義を確認する

これは、タスクがどのような状態・条件を満たしたら終わったことになるのか?ということです。
例えば新人のデザイナーはよく期限丁度にデザインファイルを提出しますが、デザインファイルをつくっただけで、関係するチームやディレクターには確認をとっていないケースが多々あります。
「誰に / 何の確認が取れたら終わったことになるのか?」、タスクの完了状態や条件を全く確認していないために、再度時間をかけ手作業をするため手戻りにより遅れが発生してしまいます。
こうしたケースを避けるために完了定義は十分に確認しましょう。

3.仕事のプロセスを洗い出しスケジュールを組む

やることがわかってもすぐに作業は開始しません。
まずは完了定義に向かって、どのようなプロセスと時間配分で仕事を進めていくのか、段取りを作ります。
段取りを作るのはスプレッドシートでも、手書きのリストでも何でも良いです。自分の仕事の段取りと進捗は自分でディレクションをして可視化しておかないと、いざ間に合わなくなったり、体調を崩してしまった際に周りに大きな迷惑をかけることにもなってしまいます。
また期限が迫ってきた時に、思ったより時間がなかったり、確認を取るべき人が多いことに気付いたりするケースがあります。
その時、元々どのような段取りで進めようとしていたのか情報がないと、周りも助けることができず、テンパって徹夜で仕事をするなど不健全な状態を避けることができます。

4. プロセスの中でもリスクの高いタスクを先に片付ける

3.の仕事のプロセスを洗い出しスケジュールを組む を実施すると、プロセスの中でリスクの高いタスクが浮かび上がって見えてきます。
もし自分で気づくことができなくても、必ず相対的にリスクの高いタスクはあります。プロセスとスケジュールを可視化したら、先輩や上長に確認し、先に片付けておくべきリスクのあるタスクはあるか?など目星をつけるための質問を周りにしてみるのもおすすめです。
これで納期遅れや事故の予防のほとんどを防ぐことができます。

5. 問題や思考停止が起きた場合は、迷わずすぐにチームや冗長に報告/相談をする

いくら仕事の経験を重ねても、万能には慣れません。
自分の権限の範疇を超えた論点が出てきたりすることもあります。
また自身の作業の範囲でも、どう決めたら良いか・処理したら良いか・合意を取り付けるためにはどうしたらいいか、など一人でわからないことは必ず出てきます。その際は抱え込まず、例えば三十分考えてわからなかったら、ノータイムで上長に相談をするなどの習慣を作りましょう。
協力を仰ぐことでスムーズに解決に進みます。


6. 説明をする際は、ニュアンスや文脈を察してもらうとせず、明確な表現で伝える

周囲への相談や協力を仰ぐ際に、自分の考えや進捗状況を説明する必要があります。またそれ以外の場合でも、例えばプレゼンテーションや営業説明の場面で、ニュアンスに頼った曖昧な言葉を使ったり、「これ」「それ」「あれ」など、具体的に何を指しているのかわからない言葉を使うことは避けましょう。自分と他人はまず違う時間を過ごしてきています。
相手の察し力に甘えずに、必要と思う情報は明確な言葉で、他の人が理解しやすいように工夫して伝えましょう。

7.ゼロから何かを考えず、ガイドライン、テンプレート、事例などを利用する

何かを始める際に、ゼロからやり方や解き方を考える必要はありません。世の中には既にたくさんの人が同じことに悩み、探求し、研究をして、確実に使える「型」を用意してくれています。
オンライン上での検索で簡単に探してみるでも構いません。
今はAIもあるしより調べやすいかもしれませんね。
タスクで達成したいことから目的・用途に合った既存のガイドライン、テンプレート、事例を活用しましょう。それだけで、スピード・クオリティも一定以上のアウトプットを出すことができます。

8.問題が起きてから人に助けを求めず、事故予防を心がける

1-7までの基礎を実践していれば、大抵の事故を予防することはできます。つまり上記まで書き記していることは「問題が発生する前に、事故を予防するために慎重に行動するための予防ガイドライン」です。
問題は起こさないよう予防することが、最良の解決策です。

9.問題が起きた時の相談の仕方

予防をしていても、わずかな問題は発生し得ます。その際は周囲に助けを求めましょう。
他の人に協力を依頼する際は1−8までのステップを軸に自ら状況を把握・整理・管理した上で相談を持ち込むように心がけましょう。そうすればチームでの協力が円滑に進みます。

まとめ

いかがでしょうか?ここまで書かれたステップは一見簡単そうに見えますが、常に習慣としてキープするには意識や周囲からの指導・支援が必要になるかもしれません。
辿々しくても自ら実践を推進すると、他の新人より大きな仕事や志望する仕事を任せてもらえる「信頼」を得ることができます。

私も最初はめんどくさ〜と思ったけど、ちゃんとやったら本当に伸びたのでおすすめです。

最後にこれら9つの基礎がなぜ重要なのかを補足して終わります。

  1. 「計画を立てること」や「リスク管理を行うこと」は、効率的な仕事の進め方であり、チーム全体の協力を促進します。

  2. 問題が起きた際には早めの報告や相談が重要で、これにより迅速な対応が可能となります。

  3. 他の人とのコミュニケーションや協力は、効果的なチームワークを築くために不可欠です。

最終的には、予防的なアプローチを取り、問題が起きないように心がけることが、個人だけでなく全体の円滑な業務遂行に繋がるのです。

私も16年以上ITの世界で仕事をしていますが、このようなガイドラインを示してくれる諸先輩方には大変な感謝しかありません。
道を切り開いてくれた先輩方から引き継いだ知恵やナレッジから、さらに自分で探求を進めて、それぞれの内容を細分化・再整理・再構築しているので、よければ他の記事も見にきてください。

以上、ご精読ありがとうございました。


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