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ビジュアル可愛すぎでついつい見ちゃったイライラエンタメ【東京女子図鑑】

ひと昔前、”イライラエンタメ”と話題に(?)なった問題作、
について書いた記事を拝見しました。
なにこれ、おもしろそう!というかビジュアル可愛くない?!

ドラマ「東京女子図鑑」。
一歩間違ったらネーミングだけでも炎上級のヤバい臭いしかしない。

しかし、私ずっと営業のお仕事してきていますので、
”ペルソナ”(営業先の商品ターゲットとして仮定する『人物像』)の提案のために、
人を”カテゴライズ”する、ということを、
あくまでもマーケティングとして明るく楽しく元気にやり続けてきた人生。
このタイトル、軽くdisっちゃったけど、正直言って嫌いじゃない。

東京カレンダーという雑誌で2015年に掲載されていた、「東京に憧れる女の子」が東京で頑張る女子道20年史の小説。

あくまでも個人的な見解ですが、
この『東京カレンダー』自体、サイト内から港区の匂いが凄いします。オジサン臭い。女ってこんなもんでしょ、的な。
私が知っている生まれながらの港区の本物のお嬢様の匂いとは違う、
港区でのし上がったビジネス港区民2010年代のVERY妻の匂い。
なんかシャンパンの泡めいてる、しゅわしゅわプチプチ。小さくて軽くてキラキラしていて、生活感がなくて高級感。
スミマセン、港区にそんなにたくさんの知り合いがいるわけではない田舎の小娘なので、申し訳ないですが、あまりいいイメージ持ってません!苦笑

あくまでも、めちゃくちゃ個人的な見解です。ご了承を。

この東京カレンダーの小説を先に知っていたら「ケッ」となっていたところでしょうが、私、prime会員ですのでめでたく映像から入れました。

なにこれ美しい。

見た瞬間きっと誰もが思う、『これ、東京タワー?(美脚)』
(※水川さんのインスタでもそう言ってますね)
てことはこの辺が新宿?この辺は渋谷??笑

ていうか先述のkumikoさんも記事の中で書かれてますが、
細かすぎませんか、すごすぎません?このビジュアルの作り込み。美しい。しかもマジに並べて撮ってんのか。
何並べてんのか分からない人はどうかお願い、スマホのバックスクリーンめっちゃ明るくして、水川さんのインスタ拡大して見て!

そして監督のタナダユキさんは、『ドラマ・東京独身男子』の演出の方とな。

色づかいの美しい映像が多く、女性主演、W主演トリプル主演などを繊細に撮ってそうなイメージ。観たい。これはもう、観たい。

参照:90年代トレンディドラマは10代で見ていました
まさかの合いカギ着地がトレンディすぎた #東京独身男子

イライラエンタメを見る覚悟

ただ、見る前からイライラエンタメだということは知っていたので、
そこはもちろん心の覚悟はして臨みました笑

でもね、水川あさみさんだし、
主人公本人「以外」の独白も軽快だし、意外と見てられます。
街の風景、インテリア、主演含むそれぞれの服装スタイリングをエンタメとして見るもよし。

1話20分というテンポの良さで作ってあるところがさすが。
これならイライラしても見られる。と、私は思います。
そしてところどころに散りばめられた「あるある(ある?かも?)」に、
ついつい『次の話を見る』を押してしまう。

ただ、この主人公の属性と自分が近いと自覚のある人は、
自分の深淵をのぞき込む(と、深淵がのぞき返してくる)ようで、
「とてもじゃないけど、もう、無理」と言ってました。

これは女のリトマス試験紙らしい

というわけで、
私も木俣冬さんのコラムを先読みしてから見ることにしました。

東京女子図鑑そのものはめちゃ簡単に言うと
「雑誌に載ってるキラキラ女子になりたくて上京」
かーらーのー
「キャリアアップに大満足していたら友達が出産してて焦る」
かーらーのー
「VERY妻目指したけど夫のモラハラに爆発」
かーらーのー…まだ「からの」あるんかいっ!な、迷走腕力女子の20~40代史!

木俣冬さんのコラムはこれを”イライラエンタメ”だけではなく『甘苦良作』とタイトルづけていらっしゃるんですが、その中にある
・許せる部分は乗り越えてきたこと
・許せない部分は自分が引っ掛かってること

と書かれている部分が刺さります。

許せない、という部分は
綾(主人公)本人よりも途中で出てくる夫にかかる部分が多いです。

綾の生き方は「げー!こんなんなりたくない!」と思いながらも
”…うわ、ちょっと分かる”が時折出てきます。
げーこんなん以下略と言ってる箇所は全部許せない箇所なんでしょうか、
だとしたら全編許せないからヤダなぁ笑

時代背景を実感してると結構許せる

映像版で2016年配信開始なので、微妙に平成っぽいです。
令和の社会人である20代前半の女の子には既に「?」飛ぶ世界観では。
だって、最終回が2017年だとしたら、最初の2話とか3話ぐらいまで2000年前後でしょ?私でもまだ女子高生だわ。ガラケーだし。

・キラキラ女子に憧れ続ける20代
・キャリアと結婚出産問題で揺れ動く30代
・自分らしさの在り方を問う40代
のうち、
キャリアと結婚出産問題で揺れ動くあたりはドンピシャで分かる。
特に、これが描かれているのが2017年で40代になっている女の子の設定。
つまり、30代で描かれている時代背景は2007年前後なのです。

分かる。
まだ自民党が民主党に負けて政権交代してた時代だし、この主人公は就職氷河期のロスジェネ最終世代だし、まだ会社の中にバリバリのバブル世代が中間管理職の『直属上司』として君臨していて、”ブラック企業”って言葉は世に出たての雛の時代で、
格差社会の一歩手前の時期なのです。

価値観は人それぞれって言いながら、専業主婦がギリギリ"レアJOB"ではない時代。
結婚したら家事は女がやるもので、育メンって言葉ももてはやされてたし、
寿退社って言葉も女性専用だったし、むしろ退社ってなんだと言いたいし、
そんな時代のドラマです。たった10~5年前ですよ。

女の生き方についてのハラスメント問題は、
この20年でみんなが考え方を変えてきた、とリアルに実感する20年のドラマです。
ワンオペ育児問題も保育園落ちた日本しね問題も、2010年代に発生しました。
今の私が実感しているグラグラ感より、
主人公の綾の世代の方がもっと、
世間の『女の幸せ、こうでなくちゃ』に揺さぶられて生きていたに違いないと思う。

釣れる奴キターと思ってしまう

と・は・言・え!です。
なんせイライラエンタメとして名を馳せるこの作品。
主人公の綾は、とにかく『雑誌に載ってるキャッチコピー』に踊らされすぎ。
RPGのように、そのアイテムを獲得しないとハッピーエンドに導かれないと思い込みすぎ。
むしろ最終章でそれを"ゲームの主人公のようにアイテムを集めてきた"と言い切っています。

実は強迫観念に追い込まれてるんですが、
前向きに意識高い系女子の人生を生きられていると思い込んでるところが、
多くの視聴者をイライラさせるポイント、だと私も思いました。

そう。綾が「魔法の呪文♥」と言うてるあれらは、雑誌かライフスタイルアプリのコラムに載ってるキャッチコピーか何かだと思うんです。

例えば
・金曜20時、恵比寿集合
・ジョエル=ロブション、30までにデートで行けたらイイ女
・一泊二日の箱根旅行
・ハリーウィンストンの結婚指輪
・(30代)女は一流を知って、大人の階段を駆け上がる
・(40代)朝早く起き夜早く寝る、心が健康な女性

私は営業職ですが、お仕事の一部に、
『どんな言葉でたくさん人が集まるかな♥』があります。
なんと『一泊二日の箱根旅行』って私も仕事で書いたことがあります。
綾ぁ、ごめんなぁ、鴨がネギ背負って歩いてる人にしか見えへんわぁ。

普段の仕事でターゲット層のことをそんな風(鴨)には思ってないんですが、
つい、そういう底意地の悪い思考が鎌首をもたげてしまう感じ。
釣れる奴キターみたいな…。

それもまたエンタメです。
(思ってない!本当に普段は思ってない!)

こんな地に足のついてない人いる?

私の身の回りに数人いるんですが(いたわ)、
その人たちっぽいとこ可愛いなと思って「見てみて★」ってお勧めしたら、
全員に「見たことある(見始めた)けど、エグくて2話め以上先に進めなかった」と返されました笑

2話でダメなのかよ!よっぽどこの"女子道"の履修ってツラいんだな?!
人生の選択科目それにしなくて良かったぁ。クワバラクワバラ。

あまりにも言いたいことありすぎるので、続編にします笑

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