見出し画像

パーキンソン病患者に対する、肩甲骨はがしについて【リハビリテーション】

まず、パーキンソン病患者さんの姿勢について触れていきます。

パーキンソン病による姿勢というのは、簡単にいうと猫背のような姿勢です。
分節的に見ると、頚椎は過伸展位、体幹は円背位となっています。
この時の両肩甲骨は、外転・上方回旋位側へ偏位しています。

パーキンソン病患者さんが、猫背姿勢になる原因としては、体幹前面の筋の筋緊張亢進や、姿勢反射障害によるものが考えられます。

次に、肩甲骨はがしについて触れていきます。

肩甲骨は、普通であれば6方向の動きをスムーズに引き出すことができるのですが、前述したような猫背のような姿勢だと、偏位したまま肩甲骨周りの筋肉はこり固まり、可動性がひどく悪くなります。

このままだと、血行不良を招き、肩こりやその他弊害が出てくることになります。

そこで活躍するのが、"肩甲骨はがし"です。

肩甲骨はがしというのは、肩甲骨周りの凝り固まっている筋肉をほぐし、肩甲骨の本来の可動性を出す手法(考え方)です。

パーキンソン病患者へ肩甲骨はがしを実践した結果

今回、猫背姿勢であるパーキンソン病患者に、肩甲骨はがしをすることで、良い効果が得られると想定して実施しました。

治療は20分程度です。

肩甲骨はがしの前には、体幹前面筋のストレッチを実施します。

その後、大胸筋と菱形筋のリラクゼーションから始め、次に肩甲骨のROMex(関節可動域訓練)を実施していき、可動性を確かめながら治療をしていきました。

結果、、、
治療前と治療後を比べると、他動的に動かした際の肩甲骨の可動性は明らかに変わっていました。

患者さん自身も、身体が軽くなった(動きやすくなった)という発言はされていました。

けれど、個人的には懸念点が残る結果もありました。

それというのが、他動的であれば肩甲骨の可動性は良くなったものの、自動的(active)な動きはその時の身体状況に左右されるからです。

いくら肩甲骨の可動性が上がったとて、動作緩慢さがある時に動作自体を引き出そうとしても難しい話です。

しかし、肩甲骨の可動性が上がったことは決して悪いことではないので、後はセラピストの持っていき方次第だと考えます。

僕自身も、治療を繰り返しながら、実生活につながるような動作指導を含め、患者さん自体がさらにプラスになる方へ向けて試行錯誤していきたいと思います。

おわりに

今回は、パーキンソン病患者への肩甲骨はがしの効果はどうだったのか、という内容で書きました。

結果としては、今後に期待!ということでしたが、個人差もあるので、その人に合った必要な治療を常に考えていけるように頑張りましょう✨

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?