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大腿骨内顆骨壊死を呈した症例のリハビリについて

本日は、『大腿骨内顆骨壊死』について触れ、リハビリをどうやっていくか分析していきたいと思います。

まず、大腿骨内顆骨壊死とはどんな病気でしょう。

大腿骨内顆骨壊死
大腿骨遠位の内顆部に骨壊死を生じ、発症時には疼痛が強く出ることも少なくない。
50〜60歳、またはそれ以上の女性に多く認められる病気。

大腿骨内側顆関節の骨壊死ということで、かの有名な"変形性膝関節症"の経過中の合併症としてなることもあるようです。

ちなみに治療方法としては、
①消炎鎮痛剤の服用
②足底板を用いる
③運動療法
④手術
があります。

ちなみに、④は進行が食い止められなかった時の最終手段です。
実際手術となれば「人工膝関節置換術」などが施行されます。

大腿骨内顆骨壊死症例のリハビリとは?

前述で大腿骨内顆骨壊死の治療方法として、運動療法が挙げられましたが、具体的にリハビリでは何をすればいいのでしょうか?

結論を言うと、「体重コントロールしながら筋力強化をしつつ、関節の可動域もしっかり確保してね♪」です。

大腿骨内顆骨壊死は膝関節の内側面の障害となります。

変形性膝関節症(または予備軍)を呈していた場合、肥満体型であったり、体重の増加がみられると、余計に膝関節内側面へのストレスは増してしまいます。

なので、まずは、肥満であれば減量を目指し、標準体型であってもさらなる体重の増加は防ぎましょ
う。

そして次に、筋力強化または筋力低下の予防に努める必要があります。

筋力低下をしてしまうと、膝が伸びなくなり、それにより立てなくなり、膝関節内の安定性も低下してしまい、痛みが強くなる、といった負のループに陥ってしまうのです。

だからといって、膝に負担のかかる運動を積極的に実施してしまうと、それもまた悪循環に陥ってしまいます。

そこで、おすすめなのが、関節動作をあまり行わずに膝関節伸展筋(大腿四頭筋)を鍛えることができる運動です。
それがSLRというものです。(下図)

上図がわかりにくかったら申し訳ないのですが、動きとしては"膝を伸ばしたまま片足全体を上げて(10cmぐらい)下に下ろす"といったシンプルな動きとなります。

これを痛みの出ない範囲で、10〜20回を一日3セットすることをおすすめします。

この方法なら自主練メニューとしても組み込めそうですね。

これは、関節運動をあまり行わないで大腿四頭筋を鍛える方法の中の一つの方法なので、その他の方法は調べてみてください。
※やり過ぎは禁物なので、絶対に無理のない範囲でするようにしましょう(セラピストは指導をしっかり)。

そして最後は、関節の可動性を改善、または改善が難しそうなのであれば最低限今の可動域を確保することです。

むやみやたらに膝関節のROMex(関節可動域運動)をすれば良いわけではありません。

しっかり、ROM-Tを始め、膝蓋骨の可動性や皮膚の伸張性を見ていく必要があります。

ここまでは運動療法がメインでしたが、リハビリでは他に物理療法も提供できるので、先生から指示が出れば実施していきましょう。

以上が、大腿骨内顆骨壊死の症例の方に提供できるリハビリとなります。

それでは、より良いリハビリを対象者に提供できるように、勉強(分析も)や実践に励みましょう✨

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