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【かんたん歴史】映画「ローマの休日」と巡る、イタリア観光スポットたちのストーリー。

コロナ自粛という言葉が出始めて約1年・・・
そろそろ海外旅行に行きたい…!しかし、やっぱりまだまだそれが叶わない今、おうちにいながら、私と一緒にイタリア観光地を眺めてみませんか?

今回は、映画「ローマの休日」に登場する観光スポットを、その地にまつわる歴史プチストーリーと一緒に巡っていく記事を書いてみました!
歴史豆知識や、ちょっとした観光オススメポイントなんかを交えつつ、楽しく学びが得られるよう工夫してみましたので是非最後までお付き合いいただければと思います。

この記事はもちろん、「ローマの休日」を観ていないという方でも楽しめるようになっています!
予備知識や背景情報なども捕捉しながら…ちょっとした[オンライン観光]という感じで、いってみましょう~!

01:剣奴が魂を燃やした、コロッセオ

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最初に訪れるのは古代ローマ時代に建設された有名な観光スポット、「コロッセオ」です!
映画内で、アン女王が寝ぼけてコロッセオを「自分の家だ」とジョーに向かって言い張るシーンが印象的。

ではこのコロッセオにはどんな歴史があるのでしょう?
ただ大きいだけの建物ではないんです。

まずコロッセオは、時の皇帝ウェスパシアヌスの命によって建てられた円形闘技場なのでした。
その大きさなんと周囲527メートル、高さ48メートル。
渋谷109と同じくらいの高さというと想像しやすいでしょうか?
今から約2000年前にこんな立派な闘技場が建てられたとは…当時のローマの繁栄ぶりがうかがえますよね!

そしてこの円形闘技場ではかつて、見世物としての闘いが行われていました。
さらに猛獣と人との闘いや、処刑も行われていたそう。
当時はこれが市民の娯楽であったわけですが、今ではとても考えられないほど残酷な娯楽ですよね・・・剣闘士奴隷という概念がない現代では、シンプルに市民の反感をかってしまうでしょう。

ですがやはり、こんな残酷な文化がいつまでも生き残れるわけがありません。
ここで市民のただの娯楽のために死ぬ気で訓練をし闘いを勝ち抜いていき、チカラをつけた剣闘士奴隷が、後に反乱を起こすことになるのです。これぞまさに下剋上・・・!

これらの歴史は多く作品化されているので、興味を持った方は是非探してみてください。
古代ローマの世界観と、それが今も闘技場として残っているのだ、という溢れるロマンで胸が押しつぶされてしまわないよう、注意ですね…!(笑)

02:新しいイタリアとともに…ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂

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お次は「ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂」です!
映画内で、ジョーとアン女王がスクーターで走り回っているのがこの辺りなんです。
あのシーンの青春っぽい甘酸っぱさといったらありません。

「・・・ところでヴィットーリオ・エマヌエーレ2世って、どちら様?」
と思った方、きっといるんじゃないでしょうか?この方はなんと初代のイタリア国王です!
イタリアの生みの親と言っても過言ではない人物です。

ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世…彼ははじめ、イタリアの全身であるサルデーニャ王国の国王でした。
彼は首相にカヴールという外交に優れた人物を登用し、体制の回復・国内の経済回復・軍事力の充実に努め、イタリア統一戦争も進めていったのです。

その後初代イタリア国王になった彼は、本来なら新しいイタリア王国が発足したので「ヴィットーリオ・エマヌエーレ1世」と称すべきであったわけですが、「新しい国であっても、イタリア王国はサルデーニャを継承する国家である」という強い意識から、「2世」のままあり続けたという話も有名。
なんとも男らしい…それはこんなに立派な記念堂も建てたくなるわけです。

また、このイタリア統一には紆余曲折あったわけですが、かなり長くなってしまうので今回は割愛させていただきました…。
気になる方は歴史についてわかりやすくまとめてあるこちらのサイトを見てみてください。
歴史を勉強してきた人なら、誰でも一度はお世話になったことがあるのでは?

彼の苦悩と快進撃を知ってから見るヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂は、また一味違うものになるでしょう・・・。

03:ローマ建築の頂点、パンテオン

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こちらはご存じの方も多いのでは?
古代ローマを代表する神殿建築、「パンテオン」です!
映画では、パンテオンの前のカフェでジョーとアン女王が休憩をするシーンがありますよね。

現存するものは、ローマ五賢帝時代3番目の皇帝、ハドリアヌス帝によって再建されたものです。(ちなみにこのハドリアヌス帝、私のイチオシ歴史人物でして…次の章で触れさせていただきますね!)

肝心のパンテオンについてですが…パンテオンの"パン"は「すべての」、"テオン"は「神々」を意味しているため、「万神殿」と訳されることもあるよう。

なんとも威厳のある円堂で、天井は半円球のドーム型。
ギリシア産の大理石の基盤と柱頭、エジプト産の御影石の柱身でできており、この柱8本があの美しい三角破風を支えています。
パンテオンは、かつて建造された石造りの円蓋としては世界最大とされているのに加えて、ローマ建築の最高傑作という人も多々。
建築に関して、さらに詳しい情報を知りたい方にはこちらの記事が本当にわかりやすいので、オススメです!

また、先ほど紹介したヴィット―リオ・エマヌエーレ2世と、ルネサンス期の巨匠ラファエロがここに埋葬されているのです。
ラファエロに至っては、本人がここに埋葬されることを望んだというエピソードも。

それほどまでに人を惹きつけるなにか不思議なパワーがあるのでしょう、死ぬまでに一度は訪れてみたい建築のひとつです。

04:実は霊廟、サンタンジェロ城

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最後に訪れるのは、「サンタンジェロ城」です!
映画では、船上パーティーが行われるシーンで出てきます。
あのシーン、賑やかでロマンティックで…とっても素敵ですよね。

この城は139年に先ほど私のイチオシ皇帝として少し話に上がった、ローマ五賢帝時代3番目の皇帝、ハドリアヌス帝の霊廟として造られたものです。

このハドリアヌス帝の先代の時代に、ローマは最大領土となるのですが、彼はそのとてつもなく広くなった領土をおかた~く守った堅実な皇帝なのです。
自国に不利になる領土は潔く諦め、今ある国境の安定化を図りました。
また、万里の長城には及びませんが、彼も外敵から自分たちを守ろうと長城を築いたことで知られています。

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悠々と広がる大地に細かく詰められた石が、彼の性格を表しているかのようで素敵です。
この石ひとつひとつがローマを守ってきたのかと過去に想いをはせてみてください。
歴史を知ってから観光に行くということの楽しさは、まさにこういうところにあります。

映画「ローマの休日」と巡る、イタリア有名観光地・・・
歴史を知ることによって、何倍も楽しめること間違いなしです!!
今回のイタリアに限らず、なにか世界に目を向ける時…その背景や歴史を学ぶことによって物事を見る視野はきっと広くなるはず。

これからも歴史にまつわる様々な記事を更新していく予定なので、是非こちらのマガジンから読んでいただけると嬉しいです。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

参考サイト:https://www.y-history.net/


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