「目標・目的・夢・ゴール・ビジョン」違い。
こんにちは。LEBEN CAREERの大坂谷です。
パーソナルコーチングやコーチの育成をやっています。
今回は以下のテーマで綴ります。
この質問にスムーズに答えられる人はそう多くはないと思います。たまたま私は仕事でこういった用語をよく使うので経験則も混じえながら書き綴ります。
今回の内容は podcastでも配信しております。お好みの方法でご視聴ください。
なお、私の自己紹介記事はこちら。
では、早速始めます。
❚ なぜ違いを知る必要があるのか?
「急がばまわれ」と言いますので、少しだけ回り道をして「なぜ、目標・目的・夢・ゴール・ビジョンの違いを知る必要があるのか?」から考えてみます。
その理由は大きく2つあります。
一つは「意思疎通がはかれないから」です。
Aさんが “目標” と定義しているのが「いつかできたら良いこと」で、Bさんが “目標”と定義しているのが「会社から言われるノルマ」なら、前者は目標を「願い」と認識し、後者は目標を「割当」と認識しています。
この様に見比べてみると、同じ様に使われる “目標” であっても性質が異なります。「これがどう問題なのか?」についても考えてみます。
例えば、
リーダーからチームメンバーに対して「今年度の目標は自分で作ってみて」と依頼する際、依頼内容(目標の意味)が定義づけされてないため、メンバーそれぞれが全く性質の異なる“目標”をもってくることになります。
すると、評価指標もバラバラになってしまい、メンバーをどう評価をしていいかがわからなくなります。
逆もまた然りです。
上司から「今年の目標を作ってもらえる?」と依頼された際、自分の目標の定義が曖昧だと何をどの様に作れば良いかわからなくなりますし、上司に何をどう確認して良いかもわからなくなります。
「なぜ、目標・目的・夢・ゴール・ビジョンの違いを知る必要があるのか?」の理由の2つめ。
「抜け漏れが発生するから」です。
これを「野球」で例えてみます。
野球には9つのポジション(ピッチャー、キャッチャー、ファースト、セカンド、サード…)があります。
しかし、
もし野球にポジションが存在せず「打球が飛んできそうなところを各々守る」そんな状況になったらどうなるでしょうか。
もしかしたら、
メンバー全員がサードらへんに集まってくるかもしれませんし、ウロウロし始める人まで現れるかもしれません。「ボールが飛んでこなそうだし、俺ちょっと休憩するわ」といってフィールドを抜ける人も現れて「右中間がガラ空き」なんてこともありえるかもしれません。
「サッカー」でも考えてみます。
サッカーには、フォワード、ミッドフィールダー、ディフェンダー、ゴールキーパーなどのポジションがあります。
もしポジションが存在せず、「とにかくゴールネットにボールを蹴り込む」そんなルールになったらどうでしょうか。
もしかしたら、11名全員が一斉にボールを追いかける状態になるかもしれません。当然、キーパーもいないばかりか「俺にシュートを打たせろ」と喧嘩になるかもしれません。
野球もサッカーもどちらも、必要だからポジションが存在しています。
だからこそ、必要な場所を見定めてポジションを起き、その上でプレイヤーを配置していないと、全体としてパフォーマンスを発揮できません。
ここまでスポーツで例えましたが、私達の夢や目標も同じです。
それぞれのポジション(役割)を決めて、きちんと配置してあげないと、それぞれが好き勝手に動き「必要なところに必要なものがない状態」になります。
一方、ポジションさえ決まっていればチームが一眼となって、“個”では成し得ないパフォーマンスを発揮できます。
❚それぞれの役割とは
ここまでは「なぜ違いを知る必要があるのか?」を綴りました。
ここからは「目標・目的・夢・ゴール・ビジョンの役割」について綴ります。まずは「夢」から。
「夢想家」や「アイデアマン」といったイメージです。
例えば「いつかできたら良いな」「将来は結婚したい」と期限が決まっておらず、抽象的なものをひたすら出す役割を担っています。
「講演家」「モチベーショナルスピーカー」といったイメージです。
夢を一枚の画(視覚情報や映像)にする役割を担っています。
目標設定をする際、この「ビジョン」はよく抜けがちだと言われていますが、非常に大切です。ビジョンを描くとゴールが直感的に理解できるため、モチベーションや士気も高まります。
「リーダー」「船長」のイメージです。
晴れの日はもちろんのこと、雨の日でも、風の日でも「なんのためにやっているのか?」「どこに向かっているのか?」といった道(意味・意義)を示し続ける役割を担っています。
「戦略家」「起業家」といったイメージです。
ビジョンは右脳だとしたら、ゴールが左脳です。
描いた夢やビジョンを、「いつ」「どこで」「誰と」「どのように」と具体化し、最終的な到達地点を決める役割を担っています。
「航海士」「ペースメーカー」といったイメージです。
目標は最終地点であるゴールにたどり着くための中継地点であり「順調に進んでいるのか?」「このまま進んだほうが良いのか?」「中継地点を変える必要はあるか?」と都度都度、進路やペースを調整します。
荒波に流されて道がそれた時にも、目的地にたどり着くために柔軟に航路を変え、時には回り道を選択する役割を担っています。
「冒険家」といったイメージです。
目的・ビジョン・ゴール・目標を踏まえた上で、実際に手足を動かす役割を担っています。どんなに崇高なビジョンを描いたとしても、実際に実現に向けて一歩を踏み出さなければ「絵に描いた餅」になります。
何を差し置いたとしても、冒険家がいないチームは1ミリも前進しません。
ビジョンや目的が抜けていると「前進する気力」は薄れますが、この行動さえ出来ていれば着実に夢の実現に近づきます。
❚活用例をゲームで例えると…
ここまで、それぞれの「役割」を綴ってきました。
ここからは、具体的な「例」に落とし込んでみます。
しかし、
ビジネスで例えると職種によってイメージしにくい可能性があるため、ゲームの主人公で例えてみます。
個人的に好みで「ドラクエの主人公が、型通りに夢や目標を描いたとしたら?」という観点で「目標・目的・夢・ゴール・ビジョン + 行動目標」の使い分けを綴ります。
まずは夢からいきます。
とにかく、欲求のままに「やりたいこと」「ほしいもの」「望ましい状態」を思いつくままに言葉にします(書き出すとなお良い)
ビジョンは、「夢(妄想)」をベースに映画のワンシーンを作っていくようなイメージです。「夢を実現すると、自分に何が起こるか?」「周りの人はどんな表情で、どんな言葉をかけてくれるか?」と夢が実現した「状態」をつぶさに描きます。
目的は、理由・意義・意味・使命を言葉にします。
「何のためにこのビジョンを実現するのか?」「ビジョンを実現することは自分や家族の人生にとってどんな意味があるのか?」と達成する意味を描きます。
ゴールは、夢やビジョンが実現した最終的な状態を描きます。
「何をどこまで達成したら『私の夢は実現した』と言えるだろう?」と最終的な到達地点を描きます(マラソンで言えば「ゴールテープを切った瞬間」がゴールと言えます)
目標は、ゴールに到達するための中継地点・目印・マイルストーンです。
「3ヶ月後、何がどこまで進んでいたら順調に進んでいると言える?」「いつまでに何を達成できていたら良さそう?」と中継地点を描きます(マラソンなら給水所や折返し地点など)
行動は、実際に自分が直接できる行動を描きます。
「一ヶ月後の目標を達成するために24時間以内にできる行動は?」「1時間以内に出来る行動を3つあげるなら?」と具体的な行動を描きます(マラソンなら「シューズを買う」「ルートを確認する」など)
ここまで「ドラクエの主人公が、型通りに夢や目標を描いたとしたら?」の観点で落とし込みました。私にとっても少しチャレンジでしたが、なんとなく言語化はできた気がします。
❚「ここ」を誤ると失敗する
ここまで「役割」と「活用例」を紹介しました。
ここからは「よくある誤り」について綴ります。
「よくある誤り」は1つ。
非常にシンプルなのですが、結論から言うと「順番」です。
本来の順番は以下の通り。
この順番で描くと全体のパフォーマンスを最大化できます。これが以下の順番で描くと、パフォーマンスは下がります。
下りのエスカレーターを登るようなものです。
先ほどの「サッカー」で例えるなら、フォーワードにキーパーを任せるようなものですし、「野球」で例えるならピッチャーにキャッチャーを。キャッチャーにピッチャーを任せるようなものです。
細かい説明は端折りますが、夢や目標を描く際に順番を入れ替えるのは、スポーツでポジションをシャッフルするほど変なこととと頭の片隅に入れておくと良いかなと思います。
このため、ビジョンや目標を描く時には、順番通りに描くのが大切です。
❚おわりに
なお、今回の内容はコーチングをベースにしています。「コーチングについても知りたい」そんな方は以下の記事も合わせてどうぞ。
ここまで「目標・目的・夢・ゴール・ビジョンの違い」。そして「活用方法」について綴ってみました。
「理解は出来たけど、実践はちょっと難しそう」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。その場合、別にしなくていい苦労を、無理しなくてもいいと思います。
目標達成のプロになりたいわけでも、課題解決のプロになりたいわけでもないなら、その道のプロに頼ることも一つの選択だと思います(住みたい家を、ゼロから自分で建てる人はそう多くないと思います)
いずれにせよ、今回ご紹介した役割や型を取り入れるだけで、スピード感に雲泥の差が出ますので、ぜひ取り入れて頂けたら幸いです。
もし活用方法に質問がありましたら、コメント欄やLINE公式にてご質問ください!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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