見出し画像

【第1-1話・集客のトレンド】食べログ、ホットペッッパーの時代はもう終わった

読者の皆様。このnoteを開いていただきありがとうございます。
第2回にして早くも勝手にシリーズ化させていただきたいと思います。

題して、”飲食系ガチマーケターが飲食店開くなら”シリーズです。
このシリーズでは、店舗をすでに持ち扱うジャンルをすでに決まっているという前提で進めていき、ほかは全く決まってない場合何から始めればいいの?というマーケティング(集客)・ブランディング(他店舗との差別化とその見せ方)・価格決定までを行っていきたいと思います。
主に下記のとおりに進めていきたいと思います
1−1.集客の枠組みを考えよう(今回)
1−2.販促方法の棲み分けと運用(次回)
1−3.MEO対策の方法
1-4.インスタマーケティングのガチプロになろう
2.ターゲットを絞り、常連になってもらうための戦略を練ろう
3.料金体系を考えよう
4.広告費用の最大効率化を考えよう

では第1段、集客の枠組みを一緒に考えていきましょう。

1.時代背景を考える

a. 〇〇ペッパーや食べ〇〇は個店の露出度が極端に低くなる
数年前の販促ポータルサイト戦国時代の先駆者、ぐるナビにSEO( :Google検索した際に上位表示させるためのシステム)によって降した日本国内トップのユーザー数を誇る食べログ。昨年末には3.8点問題、サイト内検索の上位表示買収問題等が話題になりましたね。
販促ポータルサイト最大の強みは、自分が行かなくても他の人がすでに来店していて、その評価を平均化し第3者的に評価をしてくれている点です。
ですので、3.8点問題であるような、追加課金をすることで点数を買収し集客を促進するというのはサービスの本質的な価値に逆行する事と言えます。
そもそも、資本力のある飲食店は点数を上げるために従量課金をし、サイト内で上位に表示させ知名度を上げることは簡単です。ですが、ユーザー視点で見ると、知名度と資本力はある程度相関関係にあり、サイトを利用する際に上位に知っている飲食店が並んでしまいます。これでは、わざわざエリアと料金絞って検索したのに、出てくるお店が知ってる飲食店ばかりなら、”わざわざ検索しなくてよかったじゃん…これなら食べ歩きしてる有名なブロガーがまとめている記事見たほうがニッチでクオリティの高いところ探せるじゃん…”となってしまいます。

いわゆるぐるナビ的サービス形態に倣った販促ポータルであるホットペッパー、Rettyはサービスの成長戦略の過程で、利益を上げたいけど個店ファーストでは収益が伸びないといったジレンマと常に向き合っています。ですから、今後の成長戦略において個店ドリブンでは収益化が難しいという観点からそういったサービスを使い収益を伸ばすというのはかなり難しいのかなと個人的には思います。

b. ユーザーの販促ポータルサイト離れ
一昨年度には食べログユーザーは2400万人減退し、昨年度には1270万人離れています。

2018−20年度ユーザ数推移(単位_万人) (1)

参照1

一方ホットペッパーの予約累計人数の伸び幅は17−18年度で140%増、18−19年度は124%増、19−20年度は104%増と成長の伸び幅が横ばいになってきていることがわかります。

2017−20年度Q4のネット予約累計人数推移(単位_万人) (1)

参照2

ではなぜそういったことが起きてしまっているのか?
次の章で少し考えてみたいと思います。

2.販促ポータルサイトは時代遅れ

参照1・2に見られるような減退の背景は大きく2つあると考えます。

①点数評価の限界
前述の通り、機能ごとの従量課金に加えお金を払わないと評価を下げるといった悪評からユーザー離れが深刻化したのが食べログです。また、信頼度の高いプロ食べログユーザーの評価を優先した点数評価アルゴリズムではありながらも、ユーザーの評価を平均化した点数表示であるという認識が根強くあります。レビュー数が数百あるのにもかかわらず、大半の飲食店の評価点数が3.xxがなのは、平均化することで一定の数値に収束してしまっていることが原因です。なので、点数制だと”やっぱり個人によって評価がちがうよね”と、その評価に対する信頼度が希薄化し、本末転倒な結果になってしまったのだと思います。
すこし余談をするとRettyがSNSの形態を採り、個人の評価に重要度を置いたのはそういった背景があります。また、ホットペッパーが伸びた背景にはそういった点数中心の方法ではなく予約のしやすさに重きを置き、ホットペッパービューティーのメインターゲットである若年層の誘致の成功があります。

さて次は、なぜホットペッパーグルメの成長率が横ばいになった背景についてお話したいと思います。結論から言うと、インスタとGoogleMapの台頭が原因です。食べログとホットペッパーの差はターゲットのセグメントがM2層かM1層かといった違いと付随して、点数評価か予約特化かという違いのみで、検索方法や飲食店の情報を雑多に羅列するといった見た目(UI)はほぼ同じ。厳密に言うとホットペッパーにもTrustYouというアルゴリズムを採用した有料の点数表示システムがありますが、一般ユーザーからすると何が違うの?って話になってしまいます。
つまりはUI上に大した差異は見られないというのが、サービスの真骨頂とも言える”口コミ”の信頼度が食べログの信用喪失に伴いホットペッパーの伸び悩みの背景に繋がったとも言えるはずです。

画像3

画像1

画像4

画像2

昨今、評価基準や表示順位などが、飲食店が支払う広告掲載料と連動しており、信ぴょう性にかけるのではないか、とSNSを中心に騒がれるようになった。当社が実施したアンケートによると、グルメサイトでの点数やランキング表示などを「あまり信頼していない」「まったく信頼していない」と回答した人が合わせて26%にものぼり、「飲食店選びの基準になっている」と回答した12%を大幅に上回った。情報の信頼性低下により、ユーザーたちは新たな飲食店検索・予約ツールを利用しだしており、いわゆる〝グルメサイト離れ〟が起こりつつあるといえるのではないだろうか。
(2019年12月、飲食店ポータルサイトについて20−60代・約1100人を対象に行われた調査。)

②目的の多様化

画像5

画像3

◯GoogleMapの台頭:意思決定の効率化
2番目に位置する、Google検索ですが面白いデータがあります。「料理ジャンル×場所」で検索をするようなドコでナニを食べたいという目的意識のはっきりしているユーザーの74%は検索時に上位に表示される飲食店のページを開き表示される20店舗の中から飲食店の意思決定をするそうです。

画像6

更にお気に入り機能や保存機能に特化したUIでオリジナルのマッピングができ、また近くにある飲食店を一気に絞ることができることから意思決定に時間を割かずにストレスフリーで利用することができます。

◯インスタグラムの台頭:画像ベースでの簡易的意思決定
食べログ等の販促ポータルサイトは営業時間や予算等の基本情報と口コミが網羅的かつ詳細に記載されていることからデートや記念日等の比較的重要度の高い場面での意思決定に向いていると言えます。一方SNSを利用した広告では画像ベースでおいしさや飲食店の雰囲気を瞬時に伝えることができるため、比較的重要度の低い常用に向く媒体で拡散力が有り、若年層を中心とした新規顧客獲得に最も効率の良いアプローチを取ることに特化していると言えます。

今後の記事ではそうした媒体の特徴を新規顧客獲得と固定客化(常連化)の2点から、どのように来店の最大効率化を図るべきかを料金体系を含めシリーズを通し分析・実行のためのプランまで落とし込んでいければと思います。

次回は、販促ポータルとGooglemap(MEO)の最適化と棲み分けについて書いていこうと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。他にも飲食店経営者なら知っておくべき情報、マーケティング、最新トレンドなどの記事を書いていますので他の記事も読んでいただけるとありがたいです。

では、第1-2話でお会いしましょう。

参照

1:
『食べログ』の月間利用者は2018年3月度に1億4,291万人(※1)となりました。(P4 ①インターネットメディア事業 [食べログ])
月間利用者数は2019年3月度に1億1,917万人(※1)となりました。(P4 ①インターネットメディア事業 [食べログ])
月間利用者数は2020年3月度に10,647万人(※1)となりました。(P4 ①インターネットメディア事業 [食べログ])
2:
リクルートHD2019−20年度IFRS(P11)
リクルートHD2017−18年度IFRS(P8)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?