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『史上最強の哲学入門』感想 / ミニマリストやニートの出現

最近、「史上最強の哲学入門」という本を読みました。いろんな哲学者の考えがわかりやすく書かれています。

その中で印象に残った話がありました。

それは、マルクスの思想と資本主義の話です。
マルクスは、資本主義を「資本家」が「労働者」を搾取するシステムであると批判しました。

今は世界の国のほとんどが資本主義です。資本主義経済のおかげで、現代の生活はとても便利で豊かなものになりました。企業の競争が優れた商品を生み出してきたのです。緑茶を例にとっても、メーカーごとにいろんな緑茶が販売されていて、どれも本当においしいですよね。

しかし、その反面、雇う側と雇われる側で格差が拡大し、”勝ち組””負け組”などの概念が生まれ、過労死など新たな問題も起こりました。

そしてここからが面白いです。この本では、

資本主義のおかげで、僕たちの生活は豊かになった。
だが、実のところ、もはや十分に豊かになったといえるのではないだろうか。僕たちの生活を豊かにする技術は飽和したといっていいのではないだろうか。だとすると、僕たちはいったい、何のために労働するんだろう?

「史上最強の哲学入門」

と述べているんです。

つまり、資本主義で文明は発展してきたが、もう十分に豊かではないか?これ以上どう発展していくつもり?なんのために働けばいいの?ということです。

言われてみればそうですよね?スマホもあって、便利な家電も、娯楽もたくさんあります。資本主義が目指した豊かな社会はすでに実現されたのではないか?ということです。

そのような状況で、労働の価値を見出せなくなった人々が、ニートとして現れたのも必然であるといっています。お金をあまり使わなくても楽しめるサブスクなどの安価な娯楽が増えたのも要因としてあります。

それに加えて近年は、物を持たないミニマリストが増えました。
これは広告や映画がつくってきた「物質的に豊かな生活=幸せな生活」「高級車や豪邸をもつことが幸せ」という資本主義の神話が崩れてきた証だと思います。
「生きるために金は必要だけど、幸せになるためには必ずしも必要ではない」ということに多くの人が気づいたのではないかと思います。

資本主義は、これからも長く続いていくとは思いますが、問題が深刻化し、疑問を持つ人々が増えるにつれて、そのシステムも少しづつ変わっていくのではないかと思います。みなさんはどう考えますか?



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