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新チームが最初にすること【後編】

こんばんは、ラクロス監督の陽一です。

今回は前回に引き続き
「世代交代したチーム向け」
の内容です。

◎後編のテーマ
『その目標、意味ありますか?』

◉目標設定って意味ないと思う

前回はチームづくりとは何か?についてでした。今回は、どのチームも必ず設定するであろう「目標」についてお話します。

ちなみに、3年前の僕だったら、ここまで読んだ瞬間にこの先は見なかったと思います笑

なぜなら、
「目標設定とか語られるのダルいなぁ」
「目標決めなくてもたいして変わらん」
「結局は目標設定じゃなくて"何をやるか"だ」
みたいに思っていたからです。
指導者のくせに。

でも、今は考え方が180度変わりました。

目標設定はむちゃくちゃ意味あるし絶対必要です!
そして、おそらく全国のほとんどのチームがマジで意味のない目標を設定しています!
目標設定に対して真剣になれない人はきっとこれまで意味のない目標ばかり設定し続けてきたせいかもしれません。

というわけで、今回は「目標の勘違い」について熱く伝えますねw

ここからエラソーに話していきますが、かくいう僕も3年前までそういう意味のない目標設定ばかりやって失敗してきた人間です。ぜひこの内容を見て僕の屍を越えてってください。

◉目標は2種類

いきなりですが、目標は2種類あります。

それが
・有形目標
・無形目標

です。

とりあえずこの2種類覚えておいてください。
そして、この2種類の目標の例が以下です。

「有形」とか「無形」という言葉だとちょっと難しく感じるので、
有形→結果
無形→あり方
みたいに捉えるとわかりやすいかもしれません。

では、ここからちょっと細かく説明していきますが、先に言っておくと、この2種類どちらの目標も設定すべきです!

◉結果目標(有形)は行動に結びつかない

まずは結果目標について。
この結果目標はほぼ全国すべてのチームが設定する目標だと思います。

結果目標の考え方はとてもシンプルで、「どこまで勝ちたいか」を決めればいいだけです。だから好きな到達点を設定してください。設定したら次はベンチマークすべき相手を決めます。

具体的に説明しますね。
たとえばチームの結果目標を「学生日本一」と設定したとします。

そうしたら、
「学生日本一をとりそうなチーム(今年で言ったら慶應大や日体大)に勝ちそうなチーム」
をベンチマークします。
この場合、社会人チームなんかが該当するかもしれません。海外のチームでも良さそうです。

そうなると、目標の「学生日本一」を達成するためには
『社会人チームか海外のチームと対等に戦えるレベルになればいい』
という指標が出来上がります。

この「逆算」が結果目標を決める意味になります。

つまり、結果目標は
「自分たちがどのレベルまで実力を高めれば良いか?」
という指標をつくるために必要なんです。

ただ、結果目標には弱点があります。
それが、
どのレベルまで到達すればいいかはわかるが、そのために
「何をどれくらいやればいいかはわからない」
ということです。

結果目標は「やるべき行動」がイメージしづらい。

だから結果目標だけでは不十分なんです。
そこであり方目標の設定です。

◉あり方目標(無形)は行動を決める

あり方目標とは「こうあるべき!」「これをしよう!」みたいな目標で
「行動するための意識決め」
になります。

たとえば、早稲田は「巧より強たれ(こうよりごうたれ)」という部訓でチームとしてのあり方をきっちり定めています。

このあり方目標は「意識の問題」でやるべき行動がわかるのでイメージしやすいものになります。


「あり方目標により行動が決まり、その行動で結果目標を目指す」
という図式になるわけですね。(ちょっとわかりづらいかも)

さて、ここまでいかがでしょうか?

ちなみに僕は3年前まではここまで理解できていて、その通り設定し続けていましたが、最終的には「やっぱ目標設定なんて意味なかったな」という結論にいたり失敗しました。

実はこのとき「あり方目標のワナ」にハマっていたんです。

◉意味がないあり方目標

あり方目標というのは本当にくせ者です。ここからはこのあり方目標について思いの丈をぶちまけつつ説明していきます。
僕も書いてて白熱してきました。だってこれで失敗してるので笑

まず、各大学のホームページやSNSを見るとあり方目標はかなりのチームが設定していて、言葉のセンスが問われるキャッチフレーズ合戦になっています。

どこかのチームの例を出すと色々アレなので言いませんが、それらを見た感想を言わせていただくと、
「それどういう意味ですか?」
「言葉に酔ってませんか?」
と思ってしまいます。

さらには、長ったらしい文章と人間の生き方みたいな哲学感あふれる目標(理念)を見ると、
「それ、ラクロスじゃなくても良くないですか?」
「チームで意識しなくても良くないですか?」
「無理してません?」
とか思ってしまうんです。

ちょっと言葉が悪くなりましたが、決してこのような目標すべてを批判しているわけではありません。
僕は、
ちゃんと「意味ある目標」も設定した上でこのような目標を追加している
なら全く問題はないと思っています。むしろそうであるなら、このチームは更なる高みを目指してるんだなと理解できます。

でも、チームとして「意味ある目標」を設定していないのに、言葉に酔った目標(スローガン)や哲学的なものを設定しているのだとしたら…
ちょっと待ってくれ!と思ってしまうんです。

僕が失敗したのはまさにここで、意味ある目標を設定せずに言葉遊び目標や哲学的な目標を立ててしまっていたのです。

では、ここからは今回の本題である「意味ある目標とは何か?」という話をします。

◉あり方目標は2種類

結論から言うと、あり方目標は2種類あり、そのうちのひとつが僕が伝えたい「意味ある目標」です。

2種類とは
・人(チーム)としてのあり方目標
・ラクロスのあり方目標

です。

先ほどの哲学的目標は「人(チーム)としてのあり方目標」になります。
そして、もう一方の「ラクロスのあり方目標」意味ある目標です。

この「ラクロスのあり方目標」こそ全チームが設定しなければいけない目標です。

つまり、わかりやすく言うと「ラクロススタイル」ですね。

・自分たちはどんなラクロススタイルで戦っていくのか?
・どんなラクロススタイルを目指すのか?
これをチームでちゃんと設定してほしいんです!

ここで前回の話とつながります。
前回は「チームづくりとはチームの正解を決めることだ」という内容でお話ししました。
そして、そこに今回の話も付け加えてまとめると、
目指すラクロススタイルを設定し、それに合ったチームの正解をトッピングしていく
というのが「真のチームづくり」というわけです。

イメージはこんな感じです。

幹となるラクロススタイルがあり、そこにチームの正解という葉っぱをくっつけていく、そしてこの木をどんどん大きくしていく。

するとこんな感じで結果目標に届くよね。
というイメージです。

このように、ラクロススタイルという目標があって初めてチームの正解が決まるのです。逆もあるかもしれませんが、それだと効率悪いです。大学4年間では時間が足りません。むしろ、ラクロススタイルが定まっていれば、練習もそれに合わせた形で実施していくのでメンバー全員が納得できます。流行りの練習や過去の練習に囚われることもありません。

自チームで「なんでこの練習するの?この練習の意味は?」などと思ったことありませんか?
そう思うということは、チームとして目指すラクロススタイルがないということです。なのですぐに設定することをオススメします。
目指すべきスタイルがイメージできていればチームづくりが本当に楽しくなりますよ。

ちなみに、「じゃあ具体的にラクロススタイルはどうやって決めるの?」というギモンを持たれる方もいるかもしれませんが、それに関してはチームコンサルという形で対応していますので、気になる方は個別にご連絡ください。

今回は以上です。
それではまた!

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