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司法試験論文式試験対策「問題提起の仕方」総論2 論述中の問題提起

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質問募集中です!本投稿など司法試験をはじめとする資格試験などについての質問をできる限り私の見識に合わせて解答できればと思います。よろしくお願いいたします。

1 前回について

 弁護士Kです。
 今回は引き続き「問題提起の仕方」について発信していきたいと思います。
 前回は設問に対するまとめとしての問題提起について説明しました。
まだ前回の投稿を見ていらっしゃらない方は、下のリンクから見れますので、ぜひご参考にしていただけると幸いです。

2 論述中の問題提起?

(1)法的三段論法について

 司法試験論文式試験は、問いに対する答えを端的に示せばそれで合格というわけではありません。多くの問い方が「論じなさい」ということなので、自らの主張を示しつつをその理由を説得的に論じることが求められていて、単に設問に対するまとめとしての問題提起ができるだけでは合格答案は書けません。
 ご存じの通り、司法試験の論文式試験の論じ方としてよく言われるのは、「法的三段論法」を守って論じないといけないということです。
 論述中の問題提起をうまく行うためには、法的三段論法をまず理解しなければいけません。一枚のパワーポイントにまとめると以下のとおりになります。

法的三段論法について

(2)論述中の問題提起は法的三段論法のどの部分のことを言うのか?

 まず一つの実際に司法試験で出された問題文をを見てみましょう。

乙がAを殺そうとして日本刀で切りつけたところ、Aは、身をかわしたため、通常であれば2週間で治る程度の創傷を負うにとどまったが、血友病であったため、出血が止まらず死亡するに至った。乙はAが血友病であることを知らなかった。乙の罪責について論ぜよ。

平成4年旧司法試験刑法第1問改題

・前回の復習(問いかけに対する「問題提起の仕方」の実践)
 まず、本問の書き出しは「乙の罪責について論ぜよ。」なので、まず乙がどのような行為を問題文中で行っていたのかを確認します。
 そうすると、乙がAを日本刀で切りつけた行為を特定できると思います。
 他人を切りつける行為において成立しうる罪としては①傷害罪、②場合によってその行為によって死亡してしまった場合は傷害致死罪、③殺意がある場合は、殺人罪が成立します。
 本問を確認すると、乙がAを日本刀で切りつける際は「Aを殺そう」という殺意を抱いて、切りつけ行為に挑んでおり、最終的に死亡していることからも、乙がAを日本刀で切りつけたことによってAが死亡してしまったという疑いがあります。
 そうすると、「乙がAを日本刀で切り付けた行為について殺人罪(刑法199条)が成立するか。以下詳述する。」という形で一番最初の書き出しをすればいいと思います。

・論述中の問題提起が現れる場面
 論述中に問題提起をしなければいけない理由は、規範定立の段階(小前提)で何が本件で問題になっていることを問題文の事実関係から探し出す段階で、何らかの形で論点を自ら探し出し、それを論じる必要があるからです。
 さて、本問においてはどの事実が論じるべき事実として問題となりそうでしょうか。皆さんご自身で考えてみましょう。

 論述中の問題提起がどの部分なのかをうまく示すために、本問の解答例を示したいと思う。

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