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未来型店舗「グリーンローソン」誕生ストーリー。何度も折れそうになったプロジェクトリーダーの心を支えていた3つの思いとは

2022年11月末、新しいコンビニが東京都豊島区に誕生した。その名は「グリーンローソン」。レジ袋の販売廃止、割り箸・スプーンなどの配布廃止、冷凍弁当販売、デジタルアバター店員の設置など、20を超えるサステナブルな施策を集約した、時代の半歩先を行くコンビニです。このグリーンローソンを創るプロジェクトのリーダーとして尽力した只野ひとみさんに、目の前に立ちはだかった数々の困難、その乗り越え方、プロジェクトに懸ける思いなどを聞きました。

グリーンローソンプロジェクトリーダー/只野ただの ひとみ
インキュベーションカンパニー 事業開発部 マネージャー
1984年、宮城県生まれ。2007年、ローソン入社。入社後、都内で店長、東北にてスーパーバイザー(以下、SV)、支店長補佐を経験。本社に異動し新規事業本部 HC事業推進部 マネジャー等を経て、22年3月から現職。グリーンローソンプロジェクトにリーダーとして参加。趣味は登山とジグソーパズル。


コンビニの未来を考え、実現する仕事

  只野さんは新卒でローソンに入社したそうですが、志望動機を教えてください。

ものづくりに興味があったので、商品開発に携わりたかったというのが大きな動機の一つです。中でもローソンは、通常の青い看板のローソンに加え、ナチュラルローソンローソンストア100など、新しい業態にチャレンジしていたことに魅力を感じていました。特にナチュラルローソンには驚きました。今でこそ美と健康をテーマにしているコンビニは当たり前ですが、当時は斬新だったので。

  では元々新しいことにチャレンジするのが好きな性格なのですか?

確かに新しいことを見つけた時はチャレンジしたいと思う性格かもしれませんね。未経験のことでも、何事もやってみなければわからない、やれるところまでやってみるというタイプです。

  現在の仕事内容について教えてください

私が所属しているインキュベーションカンパニーは新しいテクノロジーやソリューションを使って未来を切り拓いていく部署なので、ひと言でいえば、「コンビニの未来を考え、実現させていくこと」です。

  只野さんが思い描いている「コンビニの未来」とは具体的にはどのような未来なのですか?

例えば、出入り口に顔認証システムが設置されていて、入店するとおすすめ商品がスマホに表示され、買い物かごに商品を入れてお店を出るとお会計が済んでいる。でも、お店には店員さんがいて、温かみのある接客も受けられる。つまり、デジタルによる自動化と人の温かみが融合されているお店が、私が思い描く未来のコンビニで、その答えの一つが今回チャレンジしたグリーンローソンなんです。

  グリーンローソンは、これまでどのコンビニでもやらなかった思い切った取り組みに挑戦しています。実際にお店に入ると、やはり他のコンビニとは明らかに一線を画している雰囲気があります。それだけに昨年11月のオープン以来、テレビや新聞、雑誌、ネットなど様々なメディアに取り上げられ、話題になりましたね。そもそものグリーンローソンプロジェクト発足の目的や経緯を教えてください。

そもそもの目的は人手不足の解消や誰もがいきいきと働くことができる“全員参加型社会”の実現、食品ロス削減やプラスチック削減などの環境負荷軽減をはじめとするSDGsへの貢献などです。そのグリーンローソンのおぼろげな構想自体はかなり以前からあったのですが、2022年3月にインキュベーションカンパニーの発足ともに、本格的に検討を開始しました。そのタイミングで、違う部に所属していたのですが、プロジェクトマネージャーとしてアサインされたんです。

戸惑いと不安しかなかった

  その辞令が降りた時の気持は? 今まで誰もやったことのないプロジェクトに対して不安などはなかったですか?

正直、その時点では不安の前に「なぜ私が?」という戸惑いしかなかったですね。

プロジェクトの最初の会議に参加した時も、まだほとんど何も決まっていなくて、「これから何をどうすればいいの?」みたいな感じでした。なので、もう一回最初からコンセプト固めや目指す未来の青写真を描くところから始めました。店舗候補も決まっていなかったし、まさにゼロからのスタートでした。

だからプロジェクトがスタートした時点でも、私自身、それほどアグレッシブな性格でもないので、「よし、やるぞ!」というよりは「本当にできるのかな、大丈夫かな」という不安の方が大きかったですね。

  特にそんな状態でプロジェクトリーダーに任命されるのもキツいですよね。

正直、「もうちょっとプロジェクトについてわかっている人がやればいいのに」と思いましたが、わかっている人が誰もいなかったという(笑)。だからプレッシャーも相当ありました。

走りながら考える

  それから具体的にどのように進めていったのですか?

まず、今までにないこと、誰もやったことがないことを実現するため、一つひとつの取り組みに対してメリット・デメリットを考え、課題を抽出するところから始めました。そして、一見、実現が難しそうな取り組みも、既成概念にとらわれず、「あったらいいよね、できたらいいよね」をどうしたら実現できるのかを多角的に考えました。そして、この「今までにない新しい店を作る」というプロジェクトは、社内のほぼすべての部署に協力を仰がなければなりません。なので、各部の主要な人を集めて週に1度、ミーティングを行い連携、交渉、調整しつつ、店舗選定から予算取り、棚づくりまですべて行いました。時間もなかったのですべて走りながら考え、考えながら走るという感じでした。

  この企画でアバタープロジェクトの月生田さんにもインタビューしたことがあるのですが、月生田さんとも密にコミュニケーションを取っていたのでしょうか?

もちろんです。むしろ、月生田さんからグリーンローソンプロジェクトのバトンを受け取った形なので、グリーンローソンのあるべき姿について毎週何時間も話しました。特にアバターの扱い方についてもかなり意見を戦わせました。さらに、グリーンローソン成功のために、法務部長としてもかなりフォローしていただいたんです。

  これまでになかったものを生み出すわけなので困難なこともたくさんあったと思います。特に苦労したことは?

本当にたくさんありますが、特に関連部署に協力を仰ぎ、調整するのが大変でした。特にスタート当初はコンセプトが固まっていない中、関係部署の人たちに一つひとつ丁寧に話すのですが、彼らも本来の業務で忙しいので、なかなか自分事にしてもらえませんでした。また、社内、取引先含め様々な人々との折衝の中で、進むべき方向に迷うこともたくさんありました。「こうしたい、こうありたい」という思いを伝え、賛同してもらうことに膨大な時間とパワーを使いました。

  そんな中、他部署の人たちをどのようにして巻き込んでいったのですか?

なかなかわかってもらえない人には個別に時間を取ってもらって話したり。具体的には、「今のコンビニ業界が抱える問題を解決し、未来に持続可能な新しいコンビニの形を提言するためにグリーンローソンを作らなければならないんです。だから賛同してください」ということを繰り返し、丁寧に話して口説いていった感じです。何度もしつこく同じことを話すので、皆さんには煙たがられ、面倒くさいやつだなと思われたでしょう。

そうしている中で空気が悪くなり、「もう協力してもらえないかも」と不安になったことも何度もあります。

もうこれ以上協力できない

  その具体的なエピソードを教えてください。

今回のグリーンローソンは新しい取り組みをたくさん導入するので、通常の店舗と大きくレイアウトを変える必要がありました。しかし、実際の店舗づくりにおいては、安全性が最も大切です。一方、私たちには新しいコンビニを作るためにこうしてほしいという思いがあります。だけど、それは店舗を設計する部署にとってはかなりのイレギュラーで、「それをやったらこうなるからできない」ということがたくさんおきました。それでも粘って、何度も練り直しを要求しました。少し進んでは、「ごめんなさい、ここはこうしてください」という手戻りの連続だったので、ある日「もういい加減にしてくれ! これ以上やるなら協力できない」と言われたんです。この日のことは今でも鮮明に覚えています。

でも担当部署の気持ちもわかるんです。お取引先さんと無理ばかりを言う私たちとの間に入って大変だったと思います。

オープン期日が迫っていたこともあり、その日は部長やメンバーと夜遅くまで会社に残って今後どうすべきか相談しました。でも結局、納得してもらうしかないとみんなでしょんぼりしながら帰ったのを覚えています。

  最終的にはどうやって説得したのですか?

オープン日は決まっていたので、工期を守らなければならないという責任感とプレッシャーがあります。そこはどうなってもうちの部が全責任を取りますからお願いしますと言うことで、最終的に納得してもらいました。でもそうやって、本気でぶつかって、本音を言ってくれた人の方が最後まで付き合ってくれたんです。「ここはもっとこうしたらいいんじゃない?」と前向きに意見を言ってくれるように変わったり、取引先の建設会社にも私たちの要望を実現するため、最後まできちっと指示を出してくれました。

一番空気が悪くなった時は、会社に行ったらのけ者にされちゃうかなという不安や恐怖も感じていましたが、あきらめず、最後まで粘り強く話してよかったです。

あるべき未来のために

  ほかに大変だった点は?

グリーンローソン北大塚店はオーナーさんが経営する店で、グリーンローソンになる前はナチュラルローソンでした。住宅街にあり、近隣で暮らしているお年寄りなど、常連のお客様もたくさんいらっしゃいました。先ほどのお話通り、グリーンローソンはローソン初を含め、新しい取り組みに数多くチャレンジしています。その中には完全セルフレジやレジ袋や割り箸・スプーンなどのカトラリー全廃など、お客様にご不便をかける取り組みも少なからずあります。そういった、未来のための環境保全のコンセプトを果たしてお客様にご理解いただけるか、不便さがまさり、常連客が離れてしまうのではないかという心配がありました。

  特に、割り箸やスプーンなどのカトラリーの全廃を決めるのはなかなか大変だったのでは?

そうですね。食べ物を売っているのだから全部残すべきだと主張する人もいれば、割り箸だけは残そうと言う人、やるなら徹底的にやるべきだから全部廃止しようと言う人など、関係者全員の意見が違ったので、なかなか決まりませんでした。

どうするのが一番いいのか精査し、何度も議論したのですが、これも店舗レイアウトと同じく、決定したと思ったらまた戻ってを繰り返してすごく時間がかかりました。プロジェクトスタートから店舗オープン直前の最後の最後まで引っ張りました。

  最終的にはどのように決めたのですか?

グリーンローソンの基本コンセプトである、“私たちが目指すあるべき未来”という原点に立ち返り、そのためにはカトラリーは全廃すべきだと判断しました。もちろん、お客様にはこのような取り組みを実施する理由をしっかりと丁寧に説明することで、ご理解、ご協力いただこうと考えました。最終的には竹増社長に意見をもらって決断しました。

心強いFCオーナーさんの存在

──やはりこれまで誰もやったことのないことに挑戦するわけだからつらいことや苦しいこともたくさんあったのですね。

たくさんありすぎて何度も心が折れそうになりました。

──なぜ折れなかったのでしょうか?

理由としては3つあります。1つは単純に未来への提言をしたい、つまりグリーンローソンを実現させたいという思いです。最初は戸惑いが強かったのですが、懸命に取り組んでいくうちに、プロジェクトリーダーとしてやるしかないんだと覚悟を決め、誰もやったことがない新しいことをうちのチームで成し遂げるんだという気持ちがモチベーションの一つになりました。

2つ目は上司からの「やらなければならないこともたくさんあるし、先がなかなか見えないけれど、とにかく頑張って進み続けろ。そうすれば徐々に見えてくるし、いつか形になるから」という言葉。

3つ目は実際にグリーンローソンを経営していただくことになったオーナーさんの存在です。先ほども話した通り、グリーンローソンは革新的かつ先進的、実験的な取り組みを数多く導入し、中には利便性が損なわれるものもあるので、常連のお客様が離れるリスクがあります。それでも私たちの理念に共感して、未来のためにグリーンローソンのようなコンビニは作るべきで、その経営を自分にやらせもらうと言ってくれました。

その代わり、今まで誰もやったことのないことに挑戦するわけだから、社内でいろんな葛藤、軋轢、逆風はあるだろうけど、それらに負けずに妥協せずにやるべきことを思いっきりやり通してくれと。ちなみに、カトラリーの件でも、オーナーの立場なのに「お客様を失うリスクは承知の上で、やるなら徹底的に思い切ってやった方がいい。そうしないと何も新しいものは生まれない。だからカトラリーは全廃しよう」と言ってくれたんです。

このような、私たちが実現したいことに対して、一緒に悩んで考え、さらに発展させようとグリーンローソンを任された使命をもってくれているオーナーの言葉や姿勢は、迷ったり心折れそうな私にとってかなり励みになりました。

──すごくかっこよくてやさしいオーナーさんですね。只野さんとしては、元々一度決めたら絶対最後までやり抜くというタイプなのでしょうか。

言われてみれば、これまで途中で投げ出すようなことはなかったですね。そうすると後悔が残るから、とにかく最後までやり続けようという気持ちで仕事をしてきました。

話していて思い出したのですが、挫けそうな時、支えになった言葉があるんですよ。プロジェクトミーティングで、グリーンローソンのデザインを担当した会社の担当者が言った「グリーンは進めだ」というひと言です。信号の青は緑にも見えるじゃないですか。だからグリーンローソンも進むしかないと。ちょうど壁にぶち当たっていて、止まるわけにいかないけどどうしようと悩んでいた時だったので、このワードが響いて、チームメンバーみんなで「進もう!」と前向きに心を一つにできたんです。

ああ、本当にできたんだ…

──幾多の困難を乗り越え、オープンした時の気持ちは?

プロジェクトスタート以降、手探りで走りながら、正解がわからずいろいろ悩んで、それでもこれが正解だと信じて、心折れそうになりつつもいろんな人たちに支えられて、何とか進めてきました。

それが目に見えるお店という形になった時、胸の奥底からじんわりと喜びがこみ上げ、全身に染み渡りました。「ああ、本当にできたんだ……いろんな困難があっても進み続けるとできるんだな」と。また、「私たちが考える今の正解はこれです」と世の中に示せたこともうれしかったです。

特に最後に看板がついた時はメンバーそれぞれにこみ上げるものがあったと思います。

でもそんな感動はほんの一瞬で、その10秒後には「あの箇所は本当に大丈夫かな」とか「もっとこうした方がよかったな」という反省点がたくさん思い浮かんできました。その後も、これがベストだと思って作ったけど、時が経つにつれて考え方や市場もどんどん変わるので、もっとこうすべきだったという点はたくさん出てききました。

──終わりがないですね。

本当にないんですよ。特にコンビニは24時間365日営業なので終わりがないです。

プロジェクトを通して大きく成長

──このグリーンローソンプロジェクトに挑戦してよかったと思う点は?

これもいろいろありますが、まずはプロジェクトを通して、部内外のいろいろな人たちと相互理解が深まったことと、大きな壁を乗り越えたことで部内の団結力がかなり増したことですね。

──只野さんがグリーンローソンプロジェクトを通して成長できたと感じる点は?

ひと言でいうと、推進力ですかね。壁にぶち当たった時の対処法の引き出しがかなり増えたと思います。プロジェクト以前ならこの壁は乗り越えられそうもないと思ったら止まっていたのですが、そんな時はこういうやり方があるという考え方に切り替わりました。これは今後、インキュベーションカンパニーで仕事をしていく上で大きな武器になると思います。

──グリーンローソンはオープンして約4ヶ月ですが、手応えはいかがですか?

賛否両論あることは覚悟していましたが、やはりその通りになっています。「不便になったから他のコンビニに行く」という厳しい声もありますが、「未来のためによくやってくれた」「グリーンローソンの理念に賛同するから今後も通い続ける」という“賛”の声の方が多くてほっとしています。

特にフードドライブやリサイクルウェア回収(現在は終了)などの取り組みにはものすごく物が集まるんです。本当はこういう支援や環境活動に興味はあって、何か協力したいという地域の人たちの気持ちの受け皿になっていると感じます。

──不便になったという“否”の方の声に対しては?

どこまでが許容できてどこからができないのか、そのラインは引き続き検証する必要があります。ただ、批判的な声があるからといって、またレジ袋やカトラリーを復活させるのは、支持してくださったお客様や頑張ってくれているクルーを裏切ることになります。

オーナーも「批判が多いのは最初からわかってることだから、否の声の方に引っ張られすぎないで、今後も妥協せずに思い切って新しいことにどんどんチャレンジしてね」とおっしゃってくれているので、今はまだ元に戻すことはしません。

──今後の目標、展望があれば教えてください。

現在もグリーンローソンに関わっていて、現場の皆さんと私たち事務局とすべての関わる方たちと一緒に、オープン以来、いろいろと検証して仮説を立てて、次はこうしようという施策を立てているところです。

今後もコンビニの未来に向けて、新しい取り組みを考え実現していきたいと考えています。

東日本大震災での経験が今に生きている

──ローソン全体の印象についてうかがいます。新卒でローソンに入社して15年ほどですが、実際にこれまで働いてみてどのような感想をもっていますか?

年々働きやすくなっていると感じています。そもそもローソンは女性の働き方に関しても先進的で、私は入社3年目で仙台支店のSV(スーパーバイザー)になったのですが、当時はまだ女性SVが珍しい時代で、東北ではまだ1人くらいしかいない、女性SVの先駆者でした。なので私自身はもちろん、周りのメンバーも担当するオーナーさんも接し方がわからず戸惑っていたようです。

でも、それからどんどん女性SVが増えて女性でも働きやすい環境に変わったし、性別関係なく、個々人の背景や事情を考慮しつつ働ける会社になってきたと感じています。

──東北といえば、只野さんは宮城県出身で、3.11の東日本大震災が発生した時、まさに仙台支店のSVだったそうですね。

はい。震災が発生した時は石巻にいたので、私自身も被災して3日間、小学校で避難生活を送りました。担当店の半分以上が水没したのですが、私も仙台出身なので、地元がピンチの時に最前線で支援したいと思いました。特にコンビニは大勢の人々が利用する、社会になくてはならないインフラでもあるので、困っているマチの皆さんやオーナーさんのために少しでも役に立ちたいと思いました。その中で、津波で家や店を失ったオーナーさんたちと店の再建含め今後のことについて一緒に考えました。

元々人のために役立ちたいという気持ちが強い方なのですが、震災を通して、より仕事はそうあるべきだと思うようになりました。それが今回のグリーンローソンにも生かされていると思います。

登山とジグソーパズルの共通点

──プライベートについておうかがいしたいのですが、今ハマっている趣味はありますか?

2つあって、1つは登山です。始めて2年ほどで、日帰りで行ける関東圏の低山を中心に登っています。昨年はグリーンローソンの仕事で忙しくてほとんど行けなかったので、今年からまた行こうと思っています。もう1つはジグソーパズル。こちらはコロナ禍でお家時間が増えたので始めました。

この2つは一見、アウトドアとインドアなので全然違う趣味のようですが、本質的には同じです。目的と答えがちゃんとあって、一歩ずつ歩いたり、一ピースずつはめていくなど、着実にやっていけば必ずゴールに辿り着くからです。そして頂上に着いた時と、完成した時の達成感は何ものにも代えがたいものがあります。答えがなかったグリーンローソンプロジェクトとは真逆なのでより楽しいです(笑)。それと両方とも、経験を積んで実力が上がればより難易度の高い山やパズルにステップアップできるのも醍醐味ですね。

──子どもの頃の夢は何でしたか?

小学生時代はセーラームーンで、本気でなれると信じていました(笑)。高校生の時は広告会社に入ってCMなど人の印象に残るものを作れるクリエイターになりたいと思っていました。

──今は今までになかった新しい店舗という、よりスケールの大きいものを作りましたね。

そうですね。ローソンに入社して、最初作りたいと思っていた商品ではなく、新しい店を作ったというのは、ある意味夢がかなったといえるかもしれませんね。

──座右の銘があれば教えてください。

父から言われてきた言葉が2つあります。1つは「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。もう1つは「10年後の自分を知りたければ今の自分を見る」。今やってることが10年後に繋がるから、今を大事に一生懸命生きていくべきだというところが好きです。

趣味でも仕事でも、楽しいことやつらいこと、すべての経験は自分を豊かにしてくれるかどうかを重視しています。

──今後やってみたいことは?

プライベートでは、登山で山小屋に宿泊したり、最終的には北アルプスなどを縦走してみたいですね。

仕事では、今回のグリーンローソンプロジェクトで社内外のいろいろな人との繋がりができたので、このネットワークを生かして皆さんのハブとしてより大きな目標を一緒に達成したいです。

──10年後、20年後こうなっていたいというライフプランは考えていますか?

全く考えていません。上昇志向も全然なくて、出世にも興味がないんです。ただただ、その時やるべきことをきっちりやって、周りの人たちと一緒に目標を達成したい。それを愚直に、真摯にやっていくことが大事。なので、今を大切に、楽しく生きていきたいとだけ思っています。