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最強のアクション俳優は誰なのか?

傭兵達の活躍を描いた『エクスペンダブルズ』シリーズは、80年代~90年代に活躍したアクション俳優が勢揃いのアクション映画シリーズになる。

シルベスター・スタローンを主役に、ジェイソン・ステイサム、ドルフ・ラングレン、ジェット・リー、ミッキー・ロークが脇を固め、さらに、アーノルド・シュワルツェネッガーやブルース・ウィリスも登場する。

特に『エクスペンダブルズ2』(2012年)は、前作では顔見せ程度だったアーノルド・シュワルツェネッガーとブルース・ウィリスが本格参戦、悪役はジャン=クロード・ヴァン・ダムが務め、さらに、あの無敵男チャック・ノリスが、やはり無敵な存在として登場するシーンは、若い頃、80年代~90年代のアクション映画を楽しんでいた世代としては胸熱だった。

最強のアクション俳優

このように『エクスペンダブルズ』シリーズは、アクションスター勢揃いの作品だが、こういうアクション映画を観ると、果たして最強のアクション俳優は誰なのか?という思いを抱く。

『エクスペンダブルズ』シリーズの各メンバーも最強といっていいような存在だが、アクション俳優は彼らだけではない。

世界中にカンフーブームを巻き起こしたブルース・リーやジャッキー・チェン、そして、日本が誇る世界のスター・千葉真一(サニー千葉)もいる。

また、演技派俳優と思っていたら、気がつくとアクション俳優になっていたトム・クルーズやリーアム・ニーソンもいる。

アクション俳優と呼ばれる俳優は多くいるわけだが、しかし、映画史において最強のアクション俳優は、バスター・キートンでまず決まりだろうという思いに辿り着く。

バスター・キートンの魅力

バスター・キートンは、チャップリンと同時期、1920年代のサイレント映画(無声映画)で活躍した俳優になる。

バスター・キートンが監督・主演したのは喜劇で、だからバスター・キートンは喜劇俳優とされる。それで間違いはないのだが、それでもなおバスター・キートンを最強のアクション俳優として推したいのは、彼のノースタント・アクションの凄さによる。

バスター・キートンの喜劇は、チャップリンのコミカルで哀愁を誘う作風とは異なり、ひたすらギャグが繰り返される。しかもそのギャグは、体を張ったノースタントになる。

ビルを飛び移ったり、列車の上を疾走したり、暴風に吹き飛ばされたり、体当たり演技が連発される。

以下は『キートンの蒸気船』(1928年)のワンシーンで、キートンの背後から建物が倒れるシーンとなるが、壁が倒れた際の衝撃からして紙製の壁とかではなく重みがあることがわかる。そのため、このシーンもかなり危険なシーンといえる。

『キートンの蒸気船』のワンシーン

このシーンのように、キートンは、命がけともいえる体を張ったアクションと、”ストーン・フェイス”と呼ばれた、表情ひとつ変えない無表情とのギャップで笑いを作り出した。

1920年代なので、当然、CGなどはない。トリック映像を駆使する作品が多いのもバスター・キートンの特徴ではあるが、バスター・キートンの魅力はやはりノースタントの体当たり演技になる。

バスター・キートンの代表作

バスター・キートンの代表作としては、『キートンの大列車強盗』(1927年)が挙げられることが多い。列車を舞台に、テンポよくギャグが繰り返される『キートンの大列車強盗』は確かに傑作と思うけれども、キートンのアクションは控えめな作品でもある。

トリック映像とキートンの体当たりアクションを楽しめる作品として、『キートンの探偵学入門』(1924年)がある。映写技師のキートンが上映中の映画の中に入り込んでしまうという話で、キートンならではのギャグの応酬となる。

後半、カバンの中に飛び込んで脱出する離れ業や、バイクに乗った危険なシーンもノースタントでこなしている。

さらに本作の撮影中には、危険なスタントのため、首の骨を折るという事故にも遭遇している。それでも、ケロリとして撮影続行したという伝説が残っている。

バスター・キートンは当時としても小柄で、筋肉隆々とは程遠い体である。最強というイメージはつきづらい存在といえる。

しかし、ここまでノースタントに徹した俳優というのは、今後も現れることはないだろうから、やはり、バスター・キートンこそ最強のアクション俳優と思うのである。

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