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医者にかかる / 健康保障(その2)〜肩を張らずにフランス26

戻って、病気になった時の話。

順番として必ず « généraliste »一般医にかからないといけない。現在は追加料金がなければ25€なことは前回書いた。これはセキュがほぼ全額返してくれる。「ほぼ」というのは実は1回の診察につき1€か2€(記憶が定かでない、、、)負担させられる。この制度は15年ほど前に(記憶が、、、)施行された。

« généraliste »が判断し、専門医を紹介される。ここで « ordonnance »処方箋を渡され、連絡を取り予約を入れる。例えばアレルギーの専門医宛の処方箋を出してもらったら、そこに電話をして予約を取り付ける。検査治療の結果は元の一般医のもとに送られる。これで一括り。セキュとミュチュエルがかなり負担してくれる。

面白いことにうちの一般医が « CHU - Centre Hospitalier Universitaire »国立大学病院を紹介してくれたことはなかった。個人医院か « Clinique » の専門医を勧められた。餅は餅屋かどうかは知らないが、自由業者間の何かがあるように思える。

ちなみに « kinésithérapeute »マッサージ師は保健でカバーされるのに « ostéopathe »整体師はその範疇外。 « acupuncteur »鍼師も除外。日本も同じだろうか?ミュチュエルが年間1万5千円ほど「何にでもどうぞ」金を設けてくれているので、整体師には2回くらいかかれる。昔はそれもなかった。

先にあげたCHU。いわゆる大学病院。医者もいれば学生インターンもいる。救急なんかにかかったら、まずインターンが出てくると思ったほうがいい。CHUの利点は全額保健でカバーできること。自由業の専門医にかかると、ひょっとしたら目を剥く額を自腹で切ることもありうる。CHUではそれはない。その見返りと言ってはなんだけれど、とんでもない待ち時間を食わせられる。救急で行ったにも関わらず4-5時間待たされたこともあった。窓口での煩雑な手続きと待ち時間の長さが気にならない人はこちらに行くんじゃないかと思う。一応なんでも揃っているし。

日常生活で医者が必要になる場面は、歯と目だろう。5年ほど前にやっとかかりつけの歯医者ができたのでほっとしている。「歯医者なんかいつでも行けるだろうに」と言う人はフランスを侮っている。緊急でも何日か待たされるし、第一診てくれる歯医者が見つかるかわからない。一般医もそうだけれど、外患は医者が選ぶと思ったほうがいい。一旦見てもらったらその次も見てもらえるかもしれないだろうけれど、かかりつけの患者で手一杯と言われたら門前払いを食う。目医者なんかかかりつけでも半年以上先の予約になる。今のところ視力検査のために行くだけなので半年後でも問題はない。それでも長い。

フランスは慢性的に医者不足。良し悪しを語っている余裕はない。診てもらえるだけで御の字なところがある。ちなみに医学部は日本の何倍も敷居が低い。大学への入学システムの話になるのでこれも場を変えて後々話したいと思う。

これまで生きてきて大きな病気にかかったこともなければ怪我をしたこともない。医療の世界を身にしみてわかる年になるまでもう少しかかりそうだ。

まあそれに越したことはない。

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