ふと襲われるあの頃の恐怖

新卒初任のあの頃

私は子どもたちに完全になめられていた。

だから怖く恐ろしく威厳ある教師になりきっていた。

しかし、はたからみるとそれはハリボテでしかなかった。

すぐにボロが出る。

なーんだ被り物か笑

そんな子どもの声が聞こえてくる。

先週は体調不良で1日休んだ。

明日は病院に行き、その後勤務の予定だ。

私は少し子どもたちに会わずにいると、時折りある不安に襲われる。

そう、初任の頃の自分に戻ってしまうのではないかという心配だ。

もちろんそんなことはない。

あの頃と比べると天と地の差だ。

子どもたちへの立ち振る舞いや声、姿勢、服装まで何もかも成長している。

しかし、それをすぐに否定する私もいる。

お前はまだまだだ。

もっと努力を続けないとすぐに戻るぞ。

私が私を否定する。

私の心の矢印は私にしか向かなくなる。

そんな私に光をくれるのは誰か?

それは子どもたちである。

一人ひとりが違った色を当ててくる。

先生はこんなところが素敵だよ。

先生からこんなべんきょうをおしえてもらったよ。

声には出さないが伝えてくれる。

だんだんと私の心の矢印が自分ではなく、目の前の子どもたちへと変わってくる。

あの頃の自分に戻らないために学ぶ?

違うだろ。

今目の前にいる子どもたちを幸せにするために学ぶんだろ。

そう唱えながら、明日子どもたちと向き合う。


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