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共感

登場人物に感情移入することは、私はよくある。

『雲を紡ぐ』に出てくる1人の人物、美緒に私は強く共感する場面がいくつかあった。

その一つに「笑い」がある。

美緒は、人のことを気にして笑うことが癖になってしまった。

「楽しくて笑う」のではなく、「楽しませるために笑う」に変わった。
そして、今度はつらくても笑うようになった。

いじられキャラと言われたら、芸人としたらオイシイところ。

しかし、一般人である美緒にとってはポジティブには捉えられない。

でも、笑ってしまう。

そのくせに悩む美緒の描写に強く共感した。

私もよく笑ってしまう。

おかしくないのに笑ってしまう。

心の中からふつふつと湧き上がる。

同じ単語を相手から繰り返されると笑ってしまう。

ニヤニヤっとしてしまう。

それで叱られたことも何度かある。

直さないと。

そう思うがなかなかうまくいかない。

今のところ改善策は口を閉じて常に笑っていることだ。

そうすればいきなり笑い出すこともないし、ニヤニヤっとしている状態なので相手も驚きはしない。

しかし、そんな自分が嫌になる時もある。

どうしてなのか。

きっと自己防衛が働いているのだろう。

人の目を気にして、相手が不機嫌にならないように常に気を張って、心がしんどくなる。

だから、笑う。
口元をゆるめる。

でも、プラスに働くこともある。

幸せになれる時がある。
教師なので子どもに優しく接することができる。

自分と他者のために生かせられるのだ。

どうして、どうして!

そう考えるよりも、

その癖がこんなことに役に立った。
相手を笑顔にできた。

そう捉えた方が心に火が灯る。

さて、美緒はどうするのだろう。

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