50代、肉体の変化についていけず。
2023年12月13日。
暖かな日差しの中、爪の手入れをしようとネイルファイル(ヤスリのことね)をかけようとして、自分の指のシワシワ加減に愕然とした。
シワシワというよりもシワンシワン。
彫りが深くてはっきりした・・は、目鼻立ちに対する褒め言葉だけど、いつの間にか彫りの深い指になっとった!
横向きに深めの線がたくさん入っている。
ヤダヤダヤダ!
若作りは絶対したく無いけど、老け作りなんてもっとしたくないよ。なんじゃこの指は!
関節の部分なんて梅干し状態を超えて、エチオピア同様の深刻な干ばつ。
旱魃(かんばつ)の干は「日照り」、魃は「日照りの神」の意味だってさ!
日照りの神がいつの間にか私の指に住み着いていたとは。追っ払うには雨乞いしたら良いのだろうか。
この数年で白髪がどっさり豊作になった。
美容院で「根元まで白い髪は、元の黒髪には戻らないんです。元々髪は死んだ細胞ですしね。」という言葉を聞く私の表情も死んだ・・・・。
美容師さんが「もう手遅れです」と宣告した執刀医で、手に持ったシザーが外科用のハサミに見えた。「先生!そんなこと言わず・・なんとか!なんとか私の白髪を!!」
・・と足元にすがる気力も起こらず、白目を剥いたままおとなしくカットは終了した。
執刀医の言葉のおかげで白髪がますます増えたような。
それから顔のたるみ。
アイザック・ニュートン先生の発見は私を通じて再立証された。
「たる美&ゆる美」ペアの見事な共演により、顎のラインはシャープさを失い、頬は毛穴の存在を主張し始めた。加えて「し美」も「トリオでがんばりま〜す♡」なんて参加表明したもんだから、顔面崩壊中・・。
これは潤い不足だと色々試行錯誤試してみたり、「紫外線のやつめ〜!」と自宅内でも日焼け止めを塗ってみたり、摩擦が良くないと洗顔後はティッシュで水分を吸い取ることにしたり、とにかく大慌てである。
いやいや、顔だけじゃない。
腕を広げるとジュディ・オングのドレスが出現する。脇の下にゆるゆるとした肉のカーテンができるのだ。オーロラのように柔らかく波打つそれは、「魅せられて」?いやいや、見せられたらたまったものでは無いはず。
年齢を重ねたらこんなものができるなんて、全く聞いてなかったぞ。
スーパーで「タルタルソース」という文字を見て、パッケージに向かって静かに熱い涙を流しそうになった。
駅の階段を降りるのが怖い。
足の筋力の衰え&老眼のせいだと思っているけどどうなんだろう。
携帯を見ながら軽々と階段を降りる若人を横目で恨めしげに見つめながら、なるべく端に寄っていつでも手すりをつかめるようにスタンバイ。
前から階段を登ってくるお年寄りに手すりの権利を譲って、「このままじゃヤバいよな」と思う。そのうちお年寄りと手すりを巡って、渡すもんかと睨み合いの地味なバトルを・・なんてダメダメ!!
これまで単に生きることに必死で、自分の美容なんて
・汚れの首輪・・じゃなかった、お腹の浮き輪撲滅運動中
・髪のパサつきと禿げ対策で、枕にはシルクのカバー、ブラシを使用してのシャンプー、シリコン製品はできるだけ使わない、高くても良いシャンプーを、トリートメントはよく流す等々・・(美容院で「同年代より髪はかなり多い」と言われた。やったー!)
・爪切りを使わずネイルファイルで整える。オイルをこまめにつける。
・・等々の、ささやかな努力しかしてこなかったツケが、今大々的に回収されているのであろう。
局面を迎えた今、ここで諦めたら試合終了ですよの言葉を胸に、今日からハンドケアを頑張って、湘北高校バスケ部員としてレギュラー復帰を目指すのだ。