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二千兆の雨 _ 詩

秋茜が連れてきた絵の具みたいな青空は
ビルも電線も心弾ませて
塗り忘れがないか念入りに再確認して
隙間なく過度に青を重ねて
僕はといえば二千兆の雨に撃たれたままで
昼も真夜中もわからないくらいに
雨音で何も聴こえない、雨粒で何も見えない
肌は凍てつき、限りなく青を深めて
何処までも降り落ちる雨はあの日の記憶
何処までも僕を貫いて痛めつける悲しみ
何時までも降り止まぬ雨がこの愛の証
何時までも一緒だよなんて嘘から生まれた苦しみ
君を想えば二千兆の雨が光輝いて
夢か現実かもわからないくらいに


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