Trip|フィンランドでカフェ散歩 〈06. Patisserie Teemu Aura〉
新しい年を迎え、太陽の光が雪景色に反射してキラキラと輝く時間が伸びてくると、フィンランドの甘い季節のはじまり。
この時期にしか食べられないフィンランドの伝統スイーツ「ラスキアイスプッラ」と「ルーネベリタルト」を、街のあちこちで目にするようになります。今回は、そのどちらもとびっきりおいしいカフェ「Patisserie Teemu Aura(パティスリー・テエム・アウラ)」に行ってみましょう。
ヘルシンキ市内に数店舗ありますが、今回は1ヶ月ほど前にプナヴオリというおしゃれなエリアにオープンしたばかりの新店舗にお邪魔してきました。
目の前にはトラムの停留所があり、アクセス抜群。お店に入ってすぐ、焼きたてのパンやコーヒーの香りにふんわりと包み込まれます。
ガラスケースに美しく並んだケーキも目を惹きますが、今回のお目当ては、ラスキアイスプッラとルーネベリタルト。
店員さんがラスキアイスプッラの種類についてなど、優しく説明してくれます。グルテンフリーやラクトースフリーのものもありました。
店内のインテリアは、ヴィンテージテイストが散りばめられ、落ち着いた品のある雰囲気。窓際の特等席には、すでに他のお客さんがいたので、わたしは階段を少し降りたエリアの席を選びました。
注文したのは、クロワッサン生地のラスキアイスプッラ(ベリージャム入り)、ルーネベリタルト、そしてホットココア。
ラスキアイスプッラは、その昔、キリスト教の春の祝日であるイースター前の7週間は断食期間であったため、その前にこの高カロリーなおやつを食べて断食に備えたのが始まりだそう。
ぷっくり丸いパン生地のものが主流ですが、Patisserie Teemu Auraでしか食べられないクロワッサン生地バージョンが格別のおいしさなのです。
濃厚クリームと甘酸っぱいジャム、そしてバターたっぷりのクロワッサン生地の組み合わせが口の中に広がると、最高にしあわせな気分に。今まで色々なお店のラスキアイスプッラを食べ比べましたが、これがわたしの一番のお気に入りです(カロリーのことは忘れて楽しむのが吉!)。
そして、ルーネベリタルトは、アーモンドやラム酒で味付けされた生地にラズベリージャムをトッピングした、円筒型のおやつ。フィンランドの国民的詩人・J.L.ルーネベリの妻フレデリカが、甘いものに目がなかった夫のために作ったことから、この名前が付けられました。
彼の誕生日である2月5日は「ルーネベリの日」とされ、フィンランドでは毎年その前後にこのタルトを食べるのですが、偉人のお誕生日にその人が好きだった甘いものを食べるとは、なんともユニークな習慣ですよね。
しっとりとした生地と、アーモンドやラズベリーのつぶつぶ食感が楽しいお菓子です。
夫もここのラスキアイスプッラが大好物なので、お土産に買って帰ったところ、大喜びでした。
大きな窓の外を行き交うトラムや、おしゃれな人々を眺めながら、広々とした居心地の良い空間でおいしいスイーツがいただける、おすすめのカフェです。
https://lalafinland.com/
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