Culture|吉澤 葵さんに聞く、フィンランドのサウナ事情 〈02.人気のサウナスポット〉
サウナコラムの第2弾ということで、今回はヘルシンキにある人気のサウナスポットをご紹介したいと思います。第1弾では、住宅地やアパートにあるプライベートサウナについてお話しましたが、今回はヘルシンキ市内と周辺にあるパブリックサウナについてお話しします。
まずは、カウッパトリ・マーケット広場横にあるアッラス・シー・プール。海沿いにある屋外プールとして有名なスポットです。海とともに、大統領官邸やヘルシンキ支庁などのヘルシンキならではの景色を泳ぎながら楽しむことができるので、地元の人ばかりでなく観光客にも人気です。
温水プールなので、冬でも泳ぐことができます。温水プールの他に海水プールもあり、冬は本格的なアバントスイミングも可能です。私は冬しか行ったことがないのですが、サウナに入った後に海水プールに入って涼み、またサウナに入る、を繰り返すのが好きです。冷たいので、私は海水プールに10秒くらい入ってすぐに出ますが、そこで数分泳いでいるフィンランド人もいて、いつも感心してしまいます。
ハカニエミ駅から東に行くと、海沿いにクルットゥーリサウナがあります。「クルットゥーリ」はフィンランド語で「文化、カルチャー」という意味で、建築家のトーマス・トイボネンさんとデザイナーのネネ・ツボイさんによって建てられ、運営されているサウナです。
火曜日から土曜日の朝8時から12時まで開いていて、90分のスロットを事前に予約して来場します。薪を燃やして温めるウッドストーブサウナなので、程良い温度でゆっくり楽しめる暖かさです。サウナの後は、水着を着て中庭から海へ入ります。クルットゥーリサウナは私もお気に入りのサウナで、中庭でゆっくり寛ぐのがとても好きです。中庭と海が見渡せる大きな窓のある休憩スペースがあり、そこでサウナ上がりにコーヒーと茹で卵をいただくというのが贅沢なひと時。
ルールとして、「グループではなく一人で来るように」そして「サウナ、シャワールームではお話はしないように」とのこと。なので、とても静かでサウナに入りながら目を閉じてメディテーションをすることもあります。他のサウナはおしゃべりでうるさかったりすることがあるので、 こちらのサウナは静かにゆっくりしたい方にもおすすめです。
ヘルシンキの中でももっとも若者で賑わうエリア、カッリオに1928年に開業したコティハリユサウナは、昔のままの姿で今もたくさんの人々を温めています。休憩場・更衣室もとてもフィンランドらしいチャーミングな雰囲気です。こちらのサウナで有名なのが、タオルを巻いた人々がサウナの前で涼んでいる光景。日本人としては、街の中でまさか!な光景ですが、カッリオでは当たり前のシーンです。
ヘルシンキからバスでバンター市内に行くと、クーシヤルヴィという湖があります。シポー国立公園の入り口となる森にある湖で、カフェがあり、その建物の中にサウナがあります。そして外の小屋にはスモークサウナがあり、湖には泳ぐための施設も整っています。
スモークサウナは、ウッドストーブサウナのように薪を燃やしますが、薪を足していく作業を何回かに分けて、何時間も繰り返します。そして、その煙を使って、徐々に室内とサウナストーブの石を温めていきます。有害な煙が完全に室内から無くなるまで、入ることができません。
私も一度、友達と一緒にスモークサウナを温めることにチャレンジしましたが、数時間頑張った結果、結局うまく温められませんでした。結構難しいんです。説明しずらいのですが、スモークサウナは暖かさがまろやかで優しい温度なんです。ロウリュをかけ過ぎると一気に熱くなってしまうので、ゆっくりロウリュをかけてください。そして温まったら、湖で泳いでください。すっきりしますよ。
今回は、人気のバプリックサウナをご紹介しました。街中で屋外プールで泳ぎながら入るサウナ、空間デザインが洗練されているサウナ、そして湖畔で入るサウナなど、一言でサウナといっても色々な楽しみ方があります。その時の気分で、どんなサウナを満喫しようか、悩んでしまいますね。
近い将来、また海外旅行ができるようになり、ヘルシンキに来る機会がある時にはぜひトライしてみてください。
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