#163 悲恋の「もし」を考えたくなる
今回は、こちらの企画に参加します。
「恋愛」と「読書」の要素が入った記事…。
トキメキ要素は正直薄めかもしれませんが、
書いてみたい内容が思い浮かんだので、
記事にすることにしました。
よければ読んでいってくださいね。
1.究極の恋愛物語
皆さんは、
ロミオとジュリエット
という作品をご存知ですか。
劇作家、ウィリアム・シェイクスピアによって
描かれた戯曲「ロミオとジュリエット」。
1600年前後に完成されたとされるこの物語は、
誰しもが名前やおおまかな内容を聞いたことが
ある有名な恋愛物語です。
どれくらい有名かというと、
心理現象で「ロミオとジュリエット効果」
なんて名称がつくくらい有名です。
※ロミオとジュリエットのように、障害があった方が
障害を乗り越えようと気持ちが高まる心理現象のこと。
しかしこの熱愛は、たった5日間の出来事
であることはご存知でしょうか。
時系列としてはこんな感じですね。
【1日目】
忍び込んだパーティ会場でお互いが一目惚れし、
その日のうちにキスをする。
【2日目】
ロレンスのもとで結婚式を行う。
その帰り道、ティボルトを殺害。
【3日目】
ロミオは追放され、ジュリエットはパリスとの
結婚を命じられる。
【4日目】
ジュリエットが偽装自殺を実行。
【5日目】
ロミオが偽装自殺を勘違いし、自ら命を絶つ。
ジュリエットもそんなロミオを追うように自殺。
この作品は、わずか5日間で最愛の人と出会い、
結婚し、死に至るまでが描かれています。
冷静に読むと、突っ込みどころが満載なのですが、
(特に2日目とか、4日目とか…)
これほどまでに短期間で完全燃焼する作品を
私は他に知りません。
2.作品に惹き込まれる理由
障害のある恋
ロミオとジュリエットの作品に出てくるテーマです。
テーマとしては、いつの時代の恋愛小説でも
描かれるありがちな内容です。
それでもこの作品がここまで有名になったのは、
シェイクスピアの編集力の素晴らしさだと言われて
います。
✓ 脚本の編集力
✓ 語彙の豊富さ
✓ セリフ回しのうまさ
王侯貴族のお堅いセリフから酒場で発せられる
下ネタまで、人物に躍動感があって面白いんです。
シェイクスピアが他の追随を許さないと言われている
理由ですね。
そして、実はこの本、すごく薄いんです。
本当にすぐ読めてしまうんです。
学生時代、この本を手にとって驚いてしまいました。
読んでいても、話が凝縮されていて展開も
早いので飽きないし、結末をしっていても
最後まで読みたくなる作品です。
3.若さと愚かさと純情さが入り交じる美しさ
この作品で描かれる恋愛は、非常に情熱的です。
この情熱の裏側には、
✓ ロミオの本命ははじめジュリエットではなかった
→憧れの女性に振り向いてもらえない中、たまたま、
舞踏会で出会ったジュリエットに一目ぼれした
✓ ジュリエットは13歳
→当時のイギリスでもこの年齢で結婚している人は少なく、
まだ恋愛経験も乏しかったのではないか
など、若さからくる直情的なものを感じます。
この若さからくる情熱と、
「禁止されたことは破りたくなる」という
人の心理が掛け合わされた結果。
「この人しかいない」と思って5日間の
大恋愛に至ったのかと思うと、
美しさとやるせなさを感じます。
本当にこの道を辿るしかなかったのかな、と。
4.分岐点を考えてしまう
ハッピーエンドになるための分岐点はなかったのか。
特に悲恋でバッドエンドを迎える作品は、
どうしても分岐点を探したくなります。
例えば、
✓ ロミオをジュリエットがキスする前に誰かが
近くを通っていたら
✓ ロミオがティボルトを殺害しなかったら
✓ ロミオにジュリエットの計画が伝わっていたら
原作は素晴らしく、私は悲恋の美しさも好きです。
でも、もしも何か1つでも過程が違っていたら。
2人はハッピーエンドを迎えられたのではないか。
そう感じてしまうと、「if」の世界を
覗きたくなってしまいます。
恋愛系シュミレーションゲームでは、
選択肢に応じてルートが派生します。
スピンオフ作品などでは
「生存ifルート」があります。
私の中で原則は至高ですが、それでも
心のどこかでハッピーエンドを見たくなってしまいますし、
作品を読んだ後に色んなifの世界を想像してしまいます。
5.まとめ
いかがでしたか。
今回は、こちらのイベント企画に参加させていただきました。
「恋は盲目」とはシェイクスピアの格言の一つです。
「恋は盲目で、恋人たちは恋人が犯す小さな失敗が見えなくなる」
―ヴェニスの商人より
確かに、恋は盲目だと思います。
でも、恋は盲目でも、そこから得られるものは
あるんじゃないかと私は思います。
煌めく瞬間に捕われて 夢中でいたい
後悔する 素敵じゃない ひとりじゃないし
―MANISH『煌めく瞬間に捕われて』
後悔することがあるかもしれませんが、
それを糧にしてよりより人生を歩んでいく。
素敵な相手に巡り会える。
そんな恋愛があるならば、例え愚かだと言われても
突き進んでもいい…のかもしれません。
少なくとも、私はそんな恋愛に
ちょっぴり、憧れます。
今回は、これで終わりにします。
ではまた。
👉次に読むなら
過去のオススメ記事を紹介
・#151 相棒と触れる「自然と歴史」
・#103 王道とはつまり偉大ということ
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?