高坂しのぶ

おいしくて元気になる野菜を作ってます。大分県に移住し、8年前、農家に。 土、海、小動…

高坂しのぶ

おいしくて元気になる野菜を作ってます。大分県に移住し、8年前、農家に。 土、海、小動物を守る農業を模索してます。農薬、化学肥料を使わず、微生物資材による土壌の菌活を実践中。 前職は印刷物とwebの企画デザイン。還暦過ぎて4年。孫一人。👵🏻 東京都生まれ、京都市育ち

マガジン

  • 詩を描きました

    里山の麓に住んでいる鳥や昆虫や草花が愛おしくて言葉にしています。ときどき人間が出てきます。

  • これ読みました

    読んだ本、気になった記事、聴き終わったオーディオブックのことなど、書いておくことにしました

最近の記事

ミサゴ

となり町の空に 白い腹をした大きな鳥とトビが 飛んでいた 白い腹の鳥はトビより少しだけ大きく 羽ばたきの数が多かった 翼をもつものはかっこいい 思いのほか彼らがよく 見下ろすヒトの顔まで覚えていたりすることも 経験として知っている これはドッグファイトなんだよ、と、 二羽は翼の振りで言う トビは「ここはワタシの空だ出ていけ」と 全身で言う 初めて見たその白い腹の鳥の名前には 心当たりがあった 検索して見比べて よく似た写真の鳥の名前はやはり、 ミサゴだった こ

    • 本に読まれて - 須賀敦子

      イタリア語の翻訳家、講師として過ごしていたこの人が彼女自身の言葉で物語を紡ぎ始めたのは55歳のとき--そんな一文をあるところで読んで興味が湧いて、初めてふれたみた須賀敦子の世界。 最近この人の本を読み漁っています。知らずに過ごしていた時間を埋めたくて焦っているのかもしれません。もっと早く知っていたら私の生き方が変わっていたかもしれない(いい方にとか悪い方にとか、そういう合理的な期待ではなく、ただ、もっと違う世界の見方をする人になっていたかも、という予感)--大袈裟でなく本当

      • トラツグミ

        水路のそばの木立ちの暗がりにときどき キミの声を聞くよトラツグミ すー すー すー かわいい目をしてることは 写真で見て知ってるのに キミの姿をいつも見つけられない 鵺(ぬえ)だなんて呼ばれてるキミ、 ひどいよね、あれは化け物じゃないか いつだったかの夜 寝床にいるとき すー すー すー を聴いたよ あたしの庭に来たのねトラツグミ そうだ、きっとそうだ、間違いない! そしてさっき! 聴こえたんだよそれが! また! 懐中電灯を持って キミを見つけにいこうと起き上がった

        • ウソだよ、ほんとだよ

          トイドローンがほしかった 絶対に手に入れなきゃいけないと思っていた あの丘の上で二階建ての屋根を見下す 大きなクヌギのてっぺんに、 知らない鳥を見つけてからずっと その鳥はね、ウソだった ほんとだよ スズメより大きくて 文鳥よりカラフルで どうしてだか ちょっと肥満で坊ちゃん刈りした カシミアかなんかのセーターを着た お金持ちの家の小学生を思い出す そう、昭和の白黒写真ぽい子ども トイドローンでね、 至近距離からウソを撮るんだ ほんとだよ それからね、南の道の向こう

        マガジン

        • 詩を描きました
          3本
        • これ読みました
          2本

        記事

          還暦を過ぎた。Jamすることにする。ちっちゃく、人知れず。

          (この記事は、2020年5月25日に書いていたものです) 自分の思ってることを書きたくて書く。 誰かに伝えたいと思ってるから 書いてるのだろうし、SNSみたいな 人に見えるところに置いているのだろう。 なんで人ごとのように「…のだろう」 なんて書いてるのかというと、 独り言みたいなものでもあるから、 も一つ〝公開〟してることへの 決意が足りてないのかもしれない。 でも、なかなか伝わらない。 思っていることが、伝わらない。 語彙や知識が足りない自

          還暦を過ぎた。Jamすることにする。ちっちゃく、人知れず。

          放浪記 - 林芙美子

          農作業が忙しくなってきて、黙々と手を動かす時間が続きます。オーディオブックの出番です! しこたま本が聴けます! そこで〝定額聴き放題〟のリストにある、「 有名なのに読んだことなかった小説」をずんずん聴いていくことにしました。 『放浪記』というお芝居を森光子さんが主演し、芝居中にでんぐり返しをする - というのがこの小説に関する私の知識の全てでした。 森さんがご存命だったころ、ワイドショーでは「89歳ででんぐり返し!」ばかりが取り上げられていました。 物語の全編に、歌うよう

          放浪記 - 林芙美子

          440㎐

          自粛が緩まったせいなのか、裏山でトランペットの、音階を練習する音が聴こえなくなった。 畑仕事の合間、純粋に指遣いや息の使い方を機械的に練習する、音楽ではない音を聴いていた。 音の主はたぶん、地元の中学か高校の生徒さんだったのだろう。 学校が再開したのかな。音楽室や部室で、練習できるようになったのかな。 寂しい。 その音になんで執着してるのか、自分では分かっている。 管楽器のチューニングのAの音、音階練習、何度も繰り返しさらう数小節。 昼休み、

          免疫が大事やで、と口にすると「御用学者に洗脳されてるでしょ⁈」とお叱りを受けかねない昨今ですが、おばちゃんこんなこと思ってます

          34歳の時、私は肺結核を患いました。 その当時別居中だった、世界中を旅していた元ヒッピーの夫(ベルリン生まれ、アメリカ育ちのドイツ人)が罹患していて、長い時間かかって私も発症したのでした。 肺に穴も開いてました。昼夜を問わず襲ってくる発作のような咳に苦しみました。夜になれば普通に、39℃以上の熱が出てました。 京都市内の、結核病棟のある病院に入りました。入院の際、担当医、看護師長さんに「1年くらいは入院する覚悟でいてね」と言われました。 かつて肺結核は

          免疫が大事やで、と口にすると「御用学者に洗脳されてるでしょ⁈」とお叱りを受けかねない昨今ですが、おばちゃんこんなこと思ってます