昨年読んだ本は115冊で、月平均9.6冊。昨年より9冊少ない。一番多く読んだ月は1月で18冊。一番少ないのは10月で4冊だった。 やはり軽い作品が大半。現代物も江戸物も「食」が絡んだ人情物。それにちょっと謎解きが加わる。女性作家の女性主人公が心地よいのは相変わらず。最近はシリーズや同じ作家を読み続ける傾向がより強い。借りるときの安心感かな。
2022年に読了した本は百二四冊となった。移動中や夜寝る前などが読書タイム。気分転換でひたすら軽いものを読む傾向は変わらない。昨年に引き続き軽い江戸もの、人情話や妖かしが中心。そして現代小説は、不思議がおきるファンタジーっぽいライトノベルや、食にまつわりほろりとさせる物語等々。世の中そんな読み物で溢れかえっているので、みんな疲れているんだね、と思ったり。ちょっと面白いと思うと、コミックになったりドラマ化していたりと、多方面に展開しているのもイマドキ。そんな中の選択基準が、女性
「料理番 旅立ちの季節 新・包丁人侍事件帖(4) 」 小早川 涼著 KADOKAWA ネタバレあり! なんだか、バタバタと終わってしまった。 今回で最終回ね、って決められたんだなーという感じ。確かに、新シリーズになってから、マンネリというか、話に勢いがないというか、惣介の鼻を活かした謎解きとかも今ひとつな感じがあったようにも思う。このシリーズを書くのに飽きちゃったのかなあ?登場する食べ物はみな美味しそうなのは変わらないのだけど。 そして、メインの謎解きは、入り組んで
「貸出禁止の本をすくえ!」アラン・グラッツ 作/ないとうふみこ 訳/ほるぷ出版 ネタバレあり! 図書室でこもって本を読んでいるのが好きなエイミー・アン・オリンジャーが主人公。大好きな本をもう一度借りようと図書館に行ったら、ない?! ある保護者が、子どもの教育上良くないから貸出禁止にしろと教育委員会に訴え、それが通ってしまったのだという。ショックを受ける彼女に、司書が教育委員会で動してその本が好きかを語って欲しいと頼んでくる。ノーとは言えずに引き受けてしまう。 自己主張の強
「新型コロナ ワクチンよりも大切なこと」 著:本間 真二郎/講談社 ワクチンさえ打てば大丈夫?感染を恐れて、あれこれやること、やらないことに汲々とするよりも、様々な菌やウィルスがいるのは当たり前なのだから、自己免疫力を高めることが大事。と、自然派には当たり前のことが語られている。もちろん、うがい手洗い、換気は大事。でも「最大の対策は普段から免疫力、抵抗力を上げておくことに尽きる」と本多医師は言います。 それには「食事以外でも水分を取る。ミネラル多い天日干しの海塩をとる。食べ
「おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方」 著者 フクチ マミ/著者 村瀬 幸浩/KADOKAWA 4人の3~10歳の子どもの親たちの、性にまつわる話を子どもとどういう風にしていったらいいのか、こんな時どうするの?といったモヤモヤを、専門の先生がわかりやすく語ってくれるコミックエッセイです。 性教育についての絵本や指南書はたくさん出版されてきたし、私も色々と読んできました。これは結構、なるほど~ということがいっぱいで、読みやすかった。 自分の
「これは経費で落ちません!経理部の森若さん8」青木祐子著/集英社オレンジ文庫 ネタバレ有り!! 合併後のどさくさで人事異動があったりなかったりの天天コーポレーション。今回の疑惑は、いずれも大事にはならない。その内容よりも、人の機微、関係性がより細やかに描かれていると思う。 そして、森若さんが「なんか変」と気づいてしまうことにスポットが当てられたりもする。職人さんなどの本当のプロはそういう感覚があると思う。で、森若さんは放っておけず、調査をし出す。真夕もいっしょに調査したり
「料理番 旅立ちの季節」<新・包丁人侍事件帖(4)> 著者;小早川 涼/角川文庫 これで完結、ということで終わりを急いだ感がある。パタパタと片付けてしまって、まあそこに行き着くのね、とは思うが、最終巻を読んだという満足感に欠ける完結編だという印象はぬぐえない。 後書きにも、書き始めたら長編ネタだった、というようなことが書いてある。だからスピンオフでいいので、ちゃんとじっくり書いてほしい。 もっとちゃんと惣介の鼻がきいて解決にいたるような、とってつけたようなことではない話
「さよならの夜食カフェ マカン•マラン おしまい」古内一絵著 中央公論新社 残念ながら最終巻。が、後書きでは、続編が示唆されているので、ゆっくり待っていようと思う。 強烈だったのは世界一のシェフの話。SNSで絡まれ反論するシーンは、その後の展開が怖くて一旦読むのをやめた。最近、ストレスがかかるシーンは気合いを入れないと読めない。で、その後は思ったような展開。そして、そして、のラストの余韻。 改めて、この作者、ラストがうまいと、思った。最終章もいかにもラストらしい語りで、ぐい
2021年に読了した本は115冊+コミックシリーズ全26巻でした。
「飛んで火に入る料理番」新・包丁人侍事件帖(3)小早川涼著 角川文庫 図書館で見つけられずにいたら、ひょんなところで古本扱いで置いてあった。安かったのですかさず未読の2巻を購入。 相変わらずの惣介の食い意地がはりつつも、人情を大事にして、事件が解決に導かれるあたり、読んでいて気持ちが良い。次で完結というのでちょっとがっかり。いつまででも書けそうな話なんだけどなあ。著者が書くのに飽きたのかしら。ともかく、完結編を読んでみなくちゃ話になりませんね。
「ぼくは本を読んでいる。」 著:ひこ・田中 講談社 2021/10/03 ルカ、小学校5年男子。親の本棚で偶然見つけたカバーのかかっている古い本をそっと持ち出し読み出す。 その本のストーリーと、読みながら考えたこと、そして幼なじみやクラスメート、さらには両親たちとの対話が重ねられていく。ある意味上品な印象。淡々としていて感情を揺さぶるような大きな出来事も冒険もない。でも、本好きの私にとっては、そうそうと頷けることの多いお話だった。 友だちの名前をどう呼ぶのか、休み時間
「人新世の『資本論』」斎藤幸平著 集英社新書 昨年出版され話題になった本を読んだ。読みやすかった。 資本論の限界、すなわち今の社会システムの限界をどう乗り越えるのか。誰もが今探しているそのことを、明示した本。評判をとるのがよくわかった。 ただ、内容的には本当に目新しいことが提示されていたわけではない。分散型の地域に根ざした経済。グローバルな経済成長はもう古い。そういうことは、緑の党や他の人たちも既に言っている。私自身、2年前のチラシで地域での循環型社会をめざすと言ってい
十二国記 「図南の翼」小野不由美著/講談社X文庫ホワイトハート 「白銀の墟 玄の月」一~四/小野不由美著/新潮社文庫 ネタバレあり 連休中に、5冊を読み返した。 「図南の翼」は新潮文庫版ではなくホワイトハート。新潮社版にするときに、小野不由美は手を入れている。どこにどう手を入れたのかチェックはしていないが、少し硬くなった感じがする。なので、ホワイトハートの方が好き。 わかったつもりの賢い強気のお嬢様が、黄海を昇山の旅をして、様々な体験をする。しかし彼女はちゃんと学ぶ。知ら
「カタツムリが食べる音」 エリザベス・トーヴァ・ベイリー著/高見 浩 訳/飛鳥新社/ 2014/02/25 とある読書会のテキストだったので、読むことになった。普段はほとんど手に取らない分野、ノンフィクションだが、読んで良かった。静謐で端正な文章で、訳もよく、読みやすい。 著者は園芸の仕事をしているアウトドア派の人間だが、旅行中に病を発症し、身体が動かせなくなる。寝たきりの彼女の元に、友人がカタツムリを連れてくる。スミレの花とともに。 夜中に眠れぬ彼女の耳にカサカサと音が