誰かの特別でありたいと祈った
部屋の隅に積み上がった箱を潰し、紐で縛った。もう着ないであろう服や靴をビニール袋に詰め込んだ。いつのものか分からない葉書を、びりびりと細かく破いて、それもまた袋に入れた。あの頃あんなに欲しがっていたはずの髪留めは、いつの間にかどこかへ紛れ、知らぬ間に変色し、そうして今捨てられてゆく。終わりはいつも突然のようだけれど、本当はいつだって隣にあって、皆そのことを知っている。ただ、その曖昧さに想像力を欠かして、簡単に忘れてしまえるだけだ。くたりとした衣類を押し込み、袋を縛る。何枚目