奪われるだけが人生だと
救いも祈りもない。飲み込んだ言葉は吐き出せない。黒い塊になって、ずっとずっと胃の底に沈んでいる。期待されるのは、押し潰されるほどに辛く、何も望まれないのは、諦めのようで虚しい。そういう子どもじみた我儘に辟易している。じっとりと重たい空気に汗が垂れてきて、息を吐きながら拭えば、袖口が黒く汚れた。この行動も、そういう最早期待されていない物事の成れの果てなんだろう。仄かな湿気の香りと雲の様相に、雨が降らないうちにと、スコップにもう一度力を入れる。穴を掘り進める自分を、懐中電灯の光