lalalatte

酪農家、フリーデザイナー、妻、お母さん、地球人

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最近の記事

吐き気どめよりパン

癌ステージ4のお爺さんを 定期検査のため病院に送る 送る前に 私1人でお爺さんちの壊れた洗濯機を運び出して、新しい洗濯機を設置したので 腰に違和感を感じまくっているが 気のせいにした そんなお爺さんは 先日はてんかん発作でアンビュレンス搬送 その後無事退院 高血圧でやや糖尿で 癌の脳転移の疑いもあるとは到底思えない頑丈な身体 私の方が疲れやすくて困るくらいだ 明日は 退院後1回目の抗がん剤だ 10時から点滴が始まり お昼をまたいで 2時くらいまでかかるそうだ 一緒

    • 半開きの口でアンニュイに

      牛舎作業中に飲むペットボトルの蓋に最近名前を書くようになった。 以前は身体のために飲み物は常温と決めて飲んでいたのだけど毎日こうも暑いと流石に冷えた飲み物を欲してしまう、「常温と決めていた」などと偉そうに言っていたが、所詮暑さの前では私の意思なんてゆるゆるのドロドロ、そんなもんだ。 そうそう、なぜ名前を書くようになったのかというとペットボトルを冷蔵庫に入れるようになったので、一緒に入れる旦那の飲み物と区別したいからだ。 私はペットボトルには一切口を触れずに飲む方式を採用してい

      • 中2の自由研究

        息子が夏休みに始める自由研究のテーマは「妹の生態」だという 彼より二つ下の妹は 漫画の世界でよくある「上目遣いでお願いジョーズな妹」のイメージとはかけ離れているが、現実では9割方うちの子と同じような感じだと思う 思春期に差し掛かった女子は、歳の近い兄に対し 事あるごとに「キモっ」「うざ」「は?」 この3ワードを中心に極力接触を避けて生きている。 そこで息子の研究は 「思春期の妹に難易度高めのお願いをしたら聞いてくれるのか」をメイン軸に、まず夏休みの初日に、とある「お願い

        • 死亡フラグの使い方

          仕事で大変お世話になってきた飼料会社の担当の方が異動になるというので、感謝の気持ちを込めて贈り物を渡すことになった 50歳くらいのダンディな方なので、文具マニアの息子に協力してもらいPARKER製の渋いペンをチョイス、かっこいい包装紙で包んでもらい渋いリボンもかけてもらった 後日、餌の納品の際に渡そうと牛舎の棚に置いておいたのだけど、すれ違いで出会えなかったので数日後に主人とその方達でお昼ご飯を食べに行く時に渡す事になった 当日、忘れないように自宅へ持ち帰ろうと思い牛舎

        吐き気どめよりパン

          イケメンと老人は世界を救う

          いや、少なくとも私は彼らに救われた。 最初にそのミスに気づいた時、私は100%いや150%隠蔽してしまおうと考えていた。 仕事上のミスに気づいたのは忙しかった1日にやっと終わりが見えてきた午後7時過ぎ、出荷する牛たちをやっとの思いでトラックに乗せ終えた直後だった。 あ…もしかしてやってしまったかもしれない、いや!完全に間違えた。 どうしよう。 私の犯したミスはこのまま黙っていても恐らく99%誰にもバレない類いのミス。 誰にも言わなきゃ私の仕事に一点の影も落とす事なく

          イケメンと老人は世界を救う

          おっぱいとイケメンは地球を救う

          いや、少なくとも家庭の雰囲気は多少救われる 夫と義父の口喧嘩など 日常茶飯事だ 夕飯の食卓で繰り広げられる大声での口論を右から左へ受け流し、TVの音声に聞き入る技は私も子どもたちも既に身につけている 怒鳴り合う父子の言い争いの最中でも TVから「おっぱい」というワードが聞こえると必ず一瞬TVの方を振り向く男2人 これはきっと人間の本能なのだろう 「おっぱい」という単語の持つ 魔力に近い、恐ろしい程の惹きつけ力 同じように私と娘が言い争っていても 「イケメン」という

          おっぱいとイケメンは地球を救う

          虹になった母

          昨日、関東で素晴らしい虹が見られた 虹に出会う度に母を思い出す  火葬場へ向かうバスの中、助手席で母の遺影を抱く父の背中をぼんやり見ていた。 これで母と本当のお別れだ。涙が次々に流れてくる、父は今何を思っているのだろう  静かなバスの中、突然後ろで誰かが「虹だ。」と言った。  すると次々に「虹が出た」「綺麗な虹!」と続いた。  外を見ると、今まで見たことも無いようなくっきりとした虹が大きく半円を描いて空に浮かんでいた。 厳密に言えば、バスの正面に見える火葬場の辺りから虹

          虹になった母

          色とりどりの世界へようこそ

          「おんぎゃ~ぁ!!おんぎゃ~ぁ!!」 「あか」色の丸々太ったあなたが ママの手に渡されたときの感動 今思い出しても、胸がいっぱいになる 産湯でさっぱりしたあなたは きれいな「ぴんく」色に染まり 大きな声で泣いていたね そして初めて目があったのは まだママが分娩台の上に居たときだったよね 「くろ」色の澄んだ瞳に吸い込まれそうで ずっと見つめ続けてた 個室に戻ってからも 疲れより興奮の方が勝って眠れなかったなぁ 「むらさき」色の安産祈願のお守り握って感謝してたっけ 「

          色とりどりの世界へようこそ

          ブロッコリーのうた(振り付き)

          ブロッコリー ブロッコリー 6個集まりゃ ブロッコリー ブロッコリー ブロッコリー 6個集まりゃ ブロッコリー 1個集まりゃ ブイッコリー (両ホッペに指を当て、ブリッコ風に) 2個集まりゃ ブニッコリー (ニッコリ笑って 両手でピース!!) 3個集まりゃ ブサンコリー (鼻の穴に指を突っ込み、不細工な顔をして) 4個集まりゃ ブヨンコリー (ほっぺたを膨らませ、口をとがらせてブヨブヨと) 5個集まりゃ ブゴッコリー (頭を垂れて、激しくガッカリした様子で!)

          ブロッコリーのうた(振り付き)

          グレープフルーツ

          近所の奥さんからグレープフルーツを沢山頂いた 生前、母がまだ若かった頃のエピソードを聞かせてくれたのをふと思い出した 父と付き合っていた頃 デートで入った喫茶店で 丸いグレープフルーツを半分に切ってお皿に乗せただけの品が提供されて いったいどのように食べたらいいのか2人でとても困ったというお話し 私が子どもの頃は グレープフルーツは必ずといっていいほど このスタイルで出てきた 半分に切って 真ん中にお砂糖 スプーンで二等辺三角の両側を剥がして、最後に皮の方からググッと

          グレープフルーツ

          悪夢

          気がつくと いつのまにか知らない家の薄暗い台所に立っていた 数メートル先の一層暗くなっている一角にある昭和感あふれる古びた流し台を見つめていた 目を凝らすと 誰もいないはずなのに人が作業してるように道具が動いたり水が流れたりしていて、その光景を不気味に思いながらも急いで手に持っていた携帯ムービーで撮り始めた すぐにその場で動画を確認した 初めはやはり道具が勝手に動いている動画が続くのだが 突然フッと男の人が台所に立っているのが映り込んた

          続、万屋快談

          奥さんにも一つくらいあるかい? 行きつけの「よろずや」 主婦の憩いの場 自宅の次によく居る場所だよ、だって? たしかにそうかもね 整然と並べられた売り物はどこもかしこも綺麗に整頓されてるってんで うっかりすると散らかった自宅より何がどこにしまってあるのか よーく分かる、なんて……へっへへ 笑ってる場合じゃないね さ、店に着いたら 手押し車にカゴを乗っけて さっさと奥まで入った入った! ぼんやりしてると、一緒に連れてきた童が飛びついちまうから気をつけな! 何にって?

          続、万屋快談

          万屋快談

          奥さんにも一つくらいあるかい? 行きつけの「よろずや」 主婦の憩いの場だね 自宅の次によく居る場所だ、だって? たしかにそうかもね 整然と並べられた売り物はどこもかしこも綺麗に整頓されてるってんで うっかりすると散らかった自宅より何がどこにしまってあるのか よーく分かる、なんて……へっへへ 笑ってる場合じゃないね さて今日は 夕飯の買い出しに行ったときのおはなしだよ 手押し車に籠2つ取り付けて 山盛りの品を乗せて 勘定台の列に並ぶんだけどね 並ぶ時にはしっかり予想す

          万屋快談

          ピーマンの肉詰め

          私はこれまでに一度も 子ども達の為にピーマンの肉詰めを作ってあげたことがない 酪農家へ嫁いでからというもの とにかく時間に追われる生活なので 料理といえばチャチャッと炒める大皿ものや、時間がある時に一念発起して作る大鍋で煮たような汁物ばかりで、たまに作る凝った料理でも、それは子どもたちが好きなメニューばかりで決してピーマンがチョイスされる事はない 一方、私が子どもの頃は、料理の得意な母親がよくピーマンの肉詰めを夕食に出してくれた ソースとケチャップを肉汁と一緒に混ぜた

          ピーマンの肉詰め

          【小説】グリーンラインのスニーカー

          エピソード1「若い女」  「先輩、少し資料探しに出て来てもいいですか?煮詰まっちゃって…図書館と本屋あたり見てきたいんですけど…。」  女は隣のデスクの2年先輩の女上司へそう告げた。  「いいよ。少し休憩した方がいいしね。」  そう言って先輩は片目を瞑って見せた。  「ハハハ…スミマセンでも、煮詰まってるのは本当ですよ!」  コートを羽織ってロッカーからバックを取り出すと女は足早に会社を出た。  会社が全面禁煙になってから、確かに仕事の効率は上がったかも知れない

          【小説】グリーンラインのスニーカー

          白いクレヨン

          「何のために生まれて……何をして生きるのか…」 白クレヨンは溜息をつきながらアンパンマンのテーマソングを口ずさみます。 真新しい12色入りのクレヨンセットとして生まれた日から、他の仲間は毎日楽しそうに仕事に行き、充実した笑顔と共に少し縮んだ姿になって帰ってきます。 「はぁ…、今日もぼくは出番なしぁ……」 隣からは仲間の楽しそうな声が聞こえてきます。 「明日は海の絵を描くんだって!! 実際に海に行って描くんだって!!やったー!青くん大活躍だね、頑張ってね!」 「色とりど

          白いクレヨン