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コンサル企業/コンサルをやりたいの解像度を上げたい

ここ数年「コンサルやってます」と名乗る企業も増え、求職者側も「コンサルやりたいです」という方が増えてきています。

そうした中、各企業の行うコンサルと求職者が考えるコンサルのずれが起きていたり、そもそも求職者側から「どんなコンサルがいいかわからない」といった質問を受けることが多くなっています。

一定こうした状況への解の一つになればと、私感含めて記載していきます。

※以下注意

職業柄IT系(SIer、SES、ITベンチャー、情シス、ITコンサル等)出身の方とお会いするケースが多いので、こうした方を念頭に置いた記事になります。
したがって、戦略コンサルや中小向け経営コンサルについては言及が少なくなっています。

また、特定のコンサル企業を奨励する/貶めるつもりもなく、一種の交通整理的なとらえ方をしていただけると幸いです。

どこのコンサルにいくか、だけではなく、どこの部署に行くかが重要

このタイトルが今日伝えたい内容のほぼすべてを占めています。

近年コンサル業界は激変し、各企業の領域拡大が顕著です。例えばアクセンチュア(以下AC)は戦略コンサル~システム導入~運用保守、BPOまで幅広くやっており、部署もわかれています。

実際のケースとして、
「大企業のCXO相手に、なんかすごいコンサルやりたい、経営を一気に動かしたい!コンサル業界わかってないけど、ACってすごく伸びてるし有名だし、受けてみよう!」とACのオペレーションズという部署に入社された方が、イメージとまるで違うとなるケースはあります。

これはACのオペレーションズが悪いわけではなく、候補者が自身がやりたい内容をもっと棚卸して、コンサル業界の中でどこが自分にあっているのかを見つけていなかった典型的なケースです。

企業名に惑わされず、その中でどこの部署にいくのか、そこを抑えるようにしましょう。

コンサル企業の分類

コンサル分類(概略)

コンサル企業の分類では、以下お二方の記事が非常にわかりやすいです。

案件のフェーズとしては、Why⇒What⇒How⇒Doの4段階にわかれます。
その上位フェーズから、戦略策定⇒施策立案⇒実行計画⇒実行といった流れになります。

その流れのどこに強いかで、各コンサルが分類されます。
戦略コンサルは戦略策定や施策立案に強く、総合コンサルは戦略策定~実行計画(企業によっては実行)に強く、ITコンサルは施策立案~実行に強い、そしてSIerは実行に強い、と分類されます。

コンサル分類(もう少し詳細)

ただし、この特徴も企業ごとに大きく変わります。

例えば総合コンサルで有名なBig4とACですが、ACは実行部分も強化(実際にコーディングや運用保守をするエンジニアが多数在籍)していますが、Big4の一つであるKPMGはそうしたエンジニアは基本的に所属していません。

また、ITコンサルでも、フューチャーアーキテクトは実行部分で実際にコーディングをするケースも多く、一方新興ITコンサルのDirbatoは、コーディング等はほとんど行わない(PMOとして進捗管理は行う)、という違いもあります。

求職者の求めるコンサル

コンサルが多様になるにあたり、求職者側もコンサルをやりたい理由を棚卸する必要があります。

そもそもコンサルをやりたい理由は、一例としても以下のようなものがあるかと思われます。

・社会に大きなインパクトを与えたい
・年収を上げたい
・市場価値を上げたい(くいっぱぐれしないようにしたい)
・顧客の課題解決をしたい
・CEOクラスと話をしてみたい
・顧客折衝をしたい
・すごいところにいる!と思われたい

上記理由だと、まずはCEOクラスと話をしてみたい、という方が、上述の「Do」のフェーズメインのコンサル企業(部署)に入ってしまうと、ギャップが生じます。

また、上記理由はさらに深堀りをすると、どこがおすすめか見えてきます。

例えば顧客の課題解決をしたい、という人であれば、現職ではどうして課題解決に結びついていないか、具体的に誰の課題解決に結びついていると感じられればいいのか、を考えましょう。

今が2次請けのSIerに所属していて、「1次請けが行った要件定義がおかしいのに、それに対して意見をしても2次請けだから決定権がない」といった内容であれば、わざわざWhyやWhatの部分に入り込まずとも、HowやDoのフェーズ(実行計画や実行)をメインにやっているコンサルや1次請けSIerにいけば、転職理由は改善されます。

このケースでうかつに戦略フェーズあたりのコンサルに入ってしまうと、思ったよりも世界観が高い話になったり、そもそも身近なユーザーと接することがあまりなくなるので、手触り感がなくなってしまい、ギャップに苦しめられることもあります。

また、年収についても、実際いくらまでほしいのか(1000万台前半なのか、3000万以上なのか)、で全く異なります。

年収については、800万を超えると幸福度は変わらない、といった統計もあるので、これも参考に振り返ってみるとよいと思います(この辺りはいつか別のnoteの記事を記載するかもしれません)。

求職者が成長できるコンサル

成長したいからコンサルにいきたい、といった方も多くいますが、「何を成長させたいのか」「どこが一番成長できる環境か」といった観点も見落とされがちです。

「何を成長させたいか」は、上述の「求めるコンサル」とほぼイコールです。例えばPJがうまく完結するようにしたいのであれば、PMOスキルを伸ばせるコンサルですし、最新技術をコーディングもしながら課題解決していく能力をもちたいのであれば、実行フェーズで自らも実装する企業にいくべきです。

そして忘れがちなのが「どこが一番成長できる環境か」といった点です。
成長する際、すでにナレッジがたくさん高まっているほうが、それをもとに成長できる、といった方は、その領域のプロフェッショナルが多数集まっている企業にいくべきです。

逆に、ナレッジがあまりないが、その分裁量をもたせて自由にPDCAをまわしながらやるほうが成長する、といった人は、新興コンサル(IT領域であればDirbatoやビジョンコンサルティング等)がおすすめです。

また、マネジメント経験を早く積んでいきたい、という方であれば、大手コンサルよりも、新興コンサルのほうが上が詰まっていない、といった点でおすすめです。

今は新興コンサルと大手コンサルの対比がメインになりましたが、大手コンサル内でも同じ文脈です。

例えばSAPコンサルとしての成長を考えた際、ナレッジが多い方がいいのであればアビーム・AC・デロイトあたりがおすすめです。
これから伸ばそうとしている会社がよければ、PwCやEY、KPMGあたりがおすすめです。

一旦のまとめ(次回に続く?)

コンサルといっても、企業側では業務内容は多々あり、さらに部署も多数わかれています。
一方求職者のコンサル希望理由も多岐にわたります。

これからコンサルを希望される求職者の方は、まずは自分がなぜコンサルをやりたいのか熟考し、そのうえでどういうスタイルだと成長しやすいかを考える自己分析が必要です。

その次に、各コンサル企業の各部署が何をやっているか、今後何をしようとしているかを把握し、自分にあった企業を受けていくようにしましょう。

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