澄田ゆきこ

物書き。小説、台本、エッセイ、ルポなど書きます。こちらでは台本や「読むゲーム実況」のほ…

澄田ゆきこ

物書き。小説、台本、エッセイ、ルポなど書きます。こちらでは台本や「読むゲーム実況」のほか、お知らせや雑多な記事を中心に書いていきます。

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「ルポDID」企画概要

〇タイトル ルポDID:解離性同一性障害――「多重人格」を生きる人々のリアル―― 〇ルポ(ルポルタージュ)とは 社会の出来事を報告者の作為を加えずにありのままに叙述する文学様式。報告文学。(広辞苑より) 〇筆者情報 ・1999年生まれ。24歳(2024年7月現在)。女性。 ・筑波大学人文学類卒。 ・虐待サバイバー当事者。「虐待と家族愛の倫理」という題で卒業研究として論文を書く。 ・現在、就労移行支援事業所に通所中。 ・双極性障害(Ⅱ型)。 ・カクヨムを中心に、小説・台本・

    • 解離性障害に対応可能な相談・支援機関

      ※必ずしも対応できるとは限りません。詳しくは各相談機関にお問い合わせください。 (『わかりやすい「解離性障害」入門』p.285参考) ・各自治体の保健所/保健センター ・全国の精神保健福祉センター(厚生労働省HP) https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubutsuranyou_taisaku/hoken_fukushi/index.html ・あざみ野心理オフィス

      • 「ルポDID」参考文献/サイト一覧

        ※2024/7/15現在 (1)著:心理療法研究会、編:岡野憲一郎(2010)『わかりやすい「解離性障害」入門』星和書店 (2)著:ダニエル・キイス、訳:堀内静子(2015)『24人のビリー・ミリガン:ある多重人格者の記録(上)』早川書房 (3)著:ダニエル・キイス、訳:堀内静子(2015)『24人のビリー・ミリガン:ある多重人格者の記録(下)』早川書房 (4)“30 years later, multiple-personality case still fasci

        • 【読むゲーム実況】ハートを射止めるゲーム

          ※この記事は、ゲーム「ハートを射止めるゲーム」のネタバレを主な内容としています。ゲームのスクリーンショット等も多用しています。あらかじめご了承ください。 IEOIさんの新作! ポップで毒々しい色遣いが可愛らしいこの画面からゲームスタートです。 遡ること10カ月ほど前。美容師である主人公・チコラちゃんは、如月くんと運命の出会いを果たす。「ヤンデレがストーカーするゲーム」という情報を事前に得ていたが、如月くんの口から発された「こんな可愛い女の子が相手だと緊張しちゃうな」という

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        「ルポDID」企画概要

          【エッセイ】600冊

           15歳の春から、読書記録をつけはじめた。記録とはいっても、本1冊につき大学ノートの罫線を1行使って、本のタイトル・著者名・日付を書くだけのシンプルなものだ。一言感想を添えていた時期もあったが、面倒だったので途中から書かなくなってしまった。  15歳の私が何を思って記録をつけ始めたのかは忘れてしまったが、その時浮かれていた(というかアホだった)ことだけは確かなようである。大学ノートは1ページにつき35行、それが60ページあるので、2100冊分の記録ができる。にもかかわらず、ノ

          【エッセイ】600冊

          【読むゲーム実況】アンチ蟲

          ※この記事は、ゲーム「アンチ蟲」のネタバレを主な内容としています。ゲームのスクリーンショット等も多用しています(掲載許可はいただいております)。あらかじめご了承ください。  それではプレイしていきます。今作も素敵な異形頭さんです。    きゃぴきゃぴした看護師さんの挨拶からゲームは始まる。 「アンチ蟲は名前がある人を狙う」という情報が出てくる。有名税というやつか。  545病棟は、アンチ蟲に寄生された人が入院している病棟らしい。寂しがり屋さんばかりというのは象徴的。アンチ

          【読むゲーム実況】アンチ蟲

          【読むゲーム実況】THE LOVE HOTEL

          ※この記事は、ゲーム「THE LOVE HOTEL」のネタバレを主な内容としています。ゲームのスクリーンショット等も多用しています(掲載許可はいただいております)。あらかじめご了承ください。 1周目  タイトル画面を開くと、どっしりとした重厚感のある音楽が流れる。ものものしい空気感だ。  ゲームは支配人の案内からスタート。暗転がとけると、銃火器頭の男性とビビッドピンクの空間が現れる。フロントだろうか。支配人はどこか慇懃無礼な雰囲気。 支配人から、「客の中には時々言ってい

          【読むゲーム実況】THE LOVE HOTEL

          【声劇台本】高瀬、旅に出ないか

          男性2名。約25分。ご使用の際はご一報ください。 <あらすじ> 時は昭和40年代。若くして古本屋の店主となった高瀬のもとに、友人・真崎が訪れる。悩んでいる様子の高瀬に、真崎は言った。「高瀬、旅に出ないか」 <登場人物> ・真崎(まさき):男性。国文学部修士2年の大学院生。世話焼き。お酒が好き。 ・高瀬:男性。大学院に進学予定だったが、祖父の死をきっかけに進学を諦め、古本屋を継ぐ。控えめな性格。 <本編> 真崎(N):その街は、東京が軒並み更地と化したあの大空襲でも

          【声劇台本】高瀬、旅に出ないか

          【声劇台本】人形師瑪瑙(女女ver)

          <あらすじ> 時は大正。人形師・瑪瑙(めのう)は、あまりにも精巧な人形を作ることから、「人間を人形にしている」という噂が立ち、「魔女」と呼ばれていた。そんな彼女のもとに、一人の新聞記者が訪れる――。 <登場人物> ・瑪瑙(めのう):人形師。二十八歳。 容姿…長身痩躯。中性的な顔立ち。目は切れ長(灰色)。長い白髪を後ろにまとめている。 性格…皮肉屋。人を揶揄って楽しむところがある。 ・畠(はた)みつ子:「帝国新報」の新米新聞記者。二十四歳の女性。人形師・瑪瑙に取材を試みる。

          【声劇台本】人形師瑪瑙(女女ver)

          【声劇台本】人形師瑪瑙(男女ver)

          <あらすじ> 時は大正。人形師・瑪瑙(めのう)は、あまりにも精巧な人形を作ることから、「人間を人形にしている」という噂が立ち、「魔女」と呼ばれていた。そんな彼のもとに、一人の新聞記者が訪れる――。 <登場人物> ・瑪瑙(めのう):人形師。二十八歳の男性。 容姿…長身痩躯。中性的な顔立ちだが身体のパーツは男性らしさがある。目は切れ長(灰色)。長い白髪を後ろにまとめている。 性格…皮肉屋。人を揶揄って楽しむところがある。 ・畠(はた)みつ子:「帝国新報」の新米新聞記者。二十四

          【声劇台本】人形師瑪瑙(男女ver)

          【短編小説】山田【声劇『ヒビキ』後日譚】

           あの子を初めて見た時。まだ子どもの気配が色濃いのに、煙草に火を点ける表情は世慣れた大人のようで、かすかに戸惑ったのを覚えている。  あの子が歩んできた道のりの険しさも、背負い込んだものの大きさも、その華奢な体には身に余るほどだった。それでもあの子は、決して膝を折ろうとはしなかった。二本の足で懸命に立ち続けるあの子は、手負いの獣のような獰猛さと危うさがあった。  この子を手中に入れて、果たして私に扱いきれるだろうか。全てが終わった後、狭く薄暗い病室で彼女を見下ろしながら、そん

          【短編小説】山田【声劇『ヒビキ』後日譚】

          【短編小説】マコト【声劇『ヒビキ』前日譚】

           この掃き溜めで、ずっと、二人で生きてきた。  雨の日も、風の日も、暑い日も、寒い日も。二人で寄り添いながら過ごしてきた。  あたしが路頭に迷っていた時、最初に見つけてくれたのがマコトだった。それからマコトの体温を感じない日なんてなかった。二人で食糧を分け合って、二人で同じ毛布にくるまって眠った。施設に入れられた時も、こっそり会話を交わしあって脱走の計画を立て、二人で逃げ出した。あの日の肌を刺す寒さも、握った手の温かさも、昨日のことのように覚えている。  必死に必死に逃げて、

          【短編小説】マコト【声劇『ヒビキ』前日譚】

          【声劇台本】ヒビキ

          男女1名ずつ、または女性2名の台本。約20分です。ご使用の際はご連絡ください。 山田:こんばんは。ちょっとお話を伺っても? マコト:(煙草を吸って、吐く)……なんだ、てめえ。この辺じゃ見ねえ顔だな。 山田:高坂マコトさん、ですね。 マコト:……あ?(すごむように) 山田:高坂マコト。窃盗、傷害、恐喝、器物損壊、その他余罪多数。随分と派手にやっているようですね。その上未成年喫煙ですか。 マコト:……やっべ。サツかよ! 山田:おっと、逃げないでください。 マコト:ぐっ……離せよ

          【声劇台本】ヒビキ